アイコン 福山市のホテルの惨禍はザル法によるもの

13日午前7時前、広島県福山市西桜町1丁目のファッションホテル「プリンス」から出火、4階建て延約1400平方メートルを全焼、隣接の美容室を半焼した。
宿泊客7人が死亡し、ホテルの女性従業員と客2人の計3人が重傷を負った。
福山市は1987年~昨年9月、建築基準法に基づく防災査察で少なくとも5回、建物に非常用照明設備がない点、天井や壁に不燃材を使っていない点などを同法上、不適格としていた。

旧自民党時代に、いろいろな法整備がなされたが、業界からの圧力により(裏で金が動いていた。今で言えばロビー活動)、罰則規定がないことから、行政当局がいくら注意勧告したとしても相手あってのもの。相手が無視すれば、何の法的な効力をもたらさない。こうした7人もの犠牲者が出て初めて、問題になるのが実態である。以前、福岡市で、福岡西方沖地震が発生、中洲の料飲ビルが壁の一部が歩道や道路に落下した(地震が日曜午前で人通りがなかった)。福岡市は、同ビルを危険と看做しレッドカードを貼った。しかし、料飲ビルの所有者が、福岡市に「営業妨害するのか」と怒鳴り込み、福岡市は何の反論もできなかった。

大きな余震がその後発生せず、また、地震から1年以上経過して壁面の補修もなされたことから、現在のところ難を逃れている。
当時、福岡市に取材、余震で再度壁が落ち、通行人を直撃したら、また同ビルの料飲客がケガでもしたら、誰が責任取るのか、もし死者でも出たらと詰問したが、市の担当者は、それはビル所有者と被害者の問題で処理され、市としては赤紙を貼り、所有者に注意しただけで市は何もこれ以上できませんとのことであった。
無責任ではあるが、法律では、ビルの使用を禁止する赤紙を福岡市が貼ろうが、所有者が引き続き営業することに対して、何の拘束力も持たない。
第3者のテナントの多くの飲屋さんや飲屋さんに来る客に対して、赤紙の貼り紙もビル所有者により直ぐ取っ払われ、何ら周知するものもなく、平然と同料飲ビルは営業されていたのを思い出す。

日本はいろいろな法整備はなされているが、関係する業界からの圧力により、ザル法と呼ばれる罰則規定がない法律や条令が多すぎるのが実情だ。

今回の大惨禍もそうしたことに起因している。第3者の客が宿泊するような施設は安全が第一であり、営業停止等の法的拘束力を持つ法律の制定が望まれる。
 

[ 2012年5月14日 ]
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