アイコン 熊大河村能人教授ら夢の合金「KUMADAIマグネシウム」アルミより軽く強度耐熱性

マグネシウムは、資源量が多く、樹脂などに比較してリサイクルが容易で、超軽量材料(密度1.8g/cm3以下)であり、比強度と比剛性の高さが際立っている。それによる重量削減はスチールに比較して60%、アルミニウムと比較して25%に達する。
更に、振動を吸収する減衰能力にすぐれ、熱膨張が低いことによる寸法安定性や、切削性、耐くぼみ性、電磁遮蔽性などの優れた性質を有している。

マグネシウム合金は、これまで、特殊な製造技術を適用した限定された分野で利用される材料と考えられてきたが、軽量化などへの強いニーズを背景に、自動車部品やノートパソコン、携帯電話などのモバイル機器の筐体に採用され、大きく需要が喚起され、その普及により、徐々に汎用素材として浸透しつつある。
特に近年は、地球温暖化対策(二酸化炭素排出削減)のために自動車の燃費規制は、強化され、自動車の軽量化が強く求められており、実用金属の中で最も軽いマグネシウムが注目されているが、従来のマグネシウム合金は、アルミニウム合金に比べて機械的強度の点で優位性が少ないことが大きな課題となっていた。

<熊大マグネシウム合金>
そこに登場したのが、世界で最も機械的性質が優れているとされる熊大マグネシウム合金(「KUMADAI 耐熱Mg」合金及び「KUMADAI 不燃Mg」合金)。当合金は、熊本大学の河村能人教授らが2003年に開発、発火温度が1,105度とこれまでの最高を250度以上上回る不燃マグネシウムである。
開発後、国の支援を受け、13企業、10大学、2公設試の知的・技術資源を熊本に集結させて共同研究、試作品などの作成を重ね、昨年11月まで続けたフェーズⅡの段階を終えた。熊大では、フェーズⅢの量産化・事業化に向けた取り組みを、昨年12月「先進マグネシウム国際研究センター」を発足させ強化している。
開発から9年、いよいよ実用化段階に入ってきている。

参照: 機械システム振興協会・熊本大学イノベーション推進機構(KICO)など

参考、
「革新的高強度マグネシウム合金用射出成形 技術に関するフィージビリティスタディ」金属系材料研究開発センター版(注、2009年3月版であり、その後熊大Mgは進化している)
http://www.jrcm.or.jp/works_reports/20-F-6.pdf#search='熊大マグネシウム'
 

[ 2012年6月11日 ]
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