アイコン 日本ガイシ/NAS電池による三菱マテリアル工場火災の原因究明

福島原発水素爆発により、時世は同社のNAS蓄電池に大きく傾きかけていたが、三菱マテリアル工場で火災事故を発生させ、直接的損失(前期▲356億円の赤字)及び機会損失は莫大なものとなった。
日本ガイシは、その原因を、蓄電池を構成する単電池の不良が原因だったと次のように説明している。

NAS電池の火災事故の原因、安全強化対策と操業再開について

日本ガイシが、製造した電力貯蔵用NAS電池(ナトリウム硫黄)において昨年9月21日に発生した火災事故の原因と安全強化対策および工場の操業再開についてお知らせいたします。
当社は、火災事故発生以降、原因究明と対策に取り組んでまいりました。このたび、火災事故の原因および延焼防止対策の内容について、危険物保安技術協会殿を事務局とする第三者委員会の検証により妥当であると評価されました。

火災の原因と安全強化対策の主な内容は以下の通りです。

<火災の原因>
NAS電池システムを構成するモジュール電池40台のうち1台(単電池384本収納)に製造不良の単電池が1本あり、その単電池が破壊して高温の溶融物が流出した。

溶融物がモジュール電池内のブロック間にある砂層を越えて流出し、隣接するブロックにある単電池との間で短絡(ショート)が発生した。
短絡した単電池間にヒューズが設置されていなかったため、短絡電流が継続的に流れて発熱したことで多数の単電池が破壊して火災が発生し、当該モジュール電池全体に延焼拡大した。
当該モジュール電池1台の燃焼により、火炎と高温の溶融物が上段と下段に設置されていた他のモジュール電池内の単電池容器を溶解させ、さらに延焼拡大した。


今では、こうした不良品のチェック体制は、金をかければすべてチェックできる世の中である。コストをかけない努力の失敗であろうか。原因は、同社が記載しているとおり、万が一の時の制御システムもなかったことにある(適正なヒューズ配置が不足)。極端な言い方をすれば、福島原発水素爆発における東電と全く同じである。

蓄電池からの火災事故やその危険性において、日本の家電メーカーは痛いほど経験している。大型のNAS蓄電池であろうとも、その危険性は同じ。ソニーなどの失敗を繰り返してしまったのが、今回の日本ガイシのNAS電池といえる。1度あることは必ず2度あり、最大限の注意をしてもらいたい。

火災の原因

[ 2012年6月 8日 ]
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