東北大伊藤弘樹研究員ら/染色体の遺伝情報が男女の行動を分ける 働きが悪いと同性愛 東北大学大学院の伊
藤弘樹研究員ら山元大輔教授のグループは、性差を生み出す遺伝子の仕組みを研究。ショウジョウバエの脳には、雌雄 で違ったかたちをしている神経細胞に着目、染色体をしっかりと折り畳んで遺伝情報を読み取りづらくすると雄のかたちの神経細胞がつくられ、染色体をほどい て遺伝情報を読みやすくすると雌のかたちの神経細胞がつくられることを明らかにした。
雄雌の行動の性差は、神経細胞の性差から生まれると考えられ、なぜ男女が違う行動をするのかという疑問にも答える成果といえる。 山元教授らは、fruitlessという遺伝子が十分に働かないと、ショウジョウバエの雄が、同性愛行動をするようになることを20年近く前に見出し、この遺伝子の情報に基づいて雄でのみ合成されるFruitlessタンパク質の機能を研究してきた。
今回、この雄特有のFruitlessタンパク質が染色体の約100ヶ所に結合すること、その場所には、さらに染色体をきつく締め付ける他のタンパク質が結合して、その付近の遺伝情報を読み出されないようにすることを明らかにした。その結果、神経細胞は雄のかたちを示した。
Fruitlessタンパク質のない雌の脳では、遺伝情報が読み出され、神経細胞は雌のかたちとなる。こうして、脳は雌雄で違ったものへと作り上げられることを立証した。
本研究成果は、米国の科学雑誌『セル』 (Cell)に近く掲載される。
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