アイコン レスベラトロール等H・Bフーズ注目の健康美容食品の国内市場/富士経済

レスベラトロール、ミックスポリフェノールなど注目成分、歯周病予防など新訴求効能


注目健康美容食品(H・Bフーズ)国内市場を調査。
-注目成分配合 
H・Bフーズ市場(2012年見込)-レスベラトロール:27億円(前年比74.2%増)・・・11年テレビ番組で取り上げられ市場が急拡大。
ラクトフェリン:124億円(同18.7%増) 上位企業好調、ヨーグルト商品リニューアルも牽引
 

富士経済は、健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトを持つ健康美容食品(以下、H・Bフーズ)国内市場のうち、近年注目されている成分や新たな訴求を行っている効能について調査を行った。
 
その結果を報告書「注目成分・訴求効能市場 2012」にまとめた。
 この調査では、プラセンタ、ミックスポリフェノール、レスベラトロール、ラクトフェリンなどの注目成分を配合したH・Bフーズ(注目成分:30品目)と、スカルプケア、認知症予防・改善、歯周病予防などの新たな効能を訴求したH・Bフーズ(新訴求効能:7品目)の各市場について、現状を分析し今後を予測している。

<注目成分配合 H・Bフーズ市場>
1. レスベラトロールの市場規模は、2011年15.5億円(前年比484.4%)、2012年見込27.0億円(同174.2%)
レスベラトロールは、ポリフェノールの一種であり、ブドウの果皮や赤ワインなどに
含まれている成分。2011年6月放送のテレビ番組において「レスベラトロールが長寿遺伝子を活性化させて、長寿を促進する」などと取り上げられたことを受けてレスベラトロール配合H・Bフーズ市場が急拡大し、同年は前年比4.8倍の15.5億円となった。
山田養蜂場やディーエイチシーなど新規参入企業が相次いだことも拡大を後押しした。
2012年はテレビ番組による"特需"が薄れてきており、市場は前年比74.2%増の27.0億円が見込まれる。
長寿促進は潜在需要が大きいと考えられる訴求効能であるものの、レスベラトロールやその効能への認知度はまだ低い。今後の継続した市場拡大には、成分や効能の認知を深めていく必要がある。

2. ミックスポリフェノールの市場規模は、2011年14.0億円(前年比466.7%)、
2012年見込20.0億円(同142.9%)
 果実エキスを主体に複数の種類のポリフェノールを配合しているH・Bフーズが対象。抗酸化作用やアンチエイジングを訴求するものが多く、配合成分は各社で異なっている。
 ミックスポリフェノール配合H・Bフーズ市場は、2009年、2010年の両年共に3億円と小規模であったが、2011年は前年に新規参入したエーザイが大々的な広告宣伝活動を行ったことや、ポーラが新規参入したことによって、前年比4.7倍の14億円と急拡大した。

 ポリフェノールという成分自体の効能の認知はまだ低いことから、素材自体の植物由来のイメージを訴求する向きも多い。参入各社は女性向けのアンチエイジング商品としての需要開拓を強化しており、2012年の市場は前年比42.9%増の20億円が見込まれる。

3. ラクトフェリンの市場規模は、2011年104.5億円(前年比116.8%)、
2012年見込124.0億円(同118.7%)
 ラクトフェリンは、牛乳や分泌液、血液などに含まれる鉄結合性タンパク質で、生体防御に重要な役割を果たしている。同成分を配合したH・Bフーズは、主にビフィズス菌の増殖促進や内臓脂肪の低減を訴求する商品。
 ラクトフェリン配合H・Bフーズ市場は近年、参入企業の積極的な広告宣伝活動によって新規需要を開拓しており、拡大が続いている。
2011年は、前年比16.8%増の104.5億円となった。古くからラクトフェリンを手掛け原料供給も行う森永乳業と2007年に参入したライオンの2社が圧倒的なシェアを占めており、両社が市場を牽引している。

ラクトフェリンには抗ウイルス活性機能が確認されており、ヨーグルトのインフルエンザ感染予防効果も話題となる中、森永乳業が2012年3月に「ラクトフェリンヨーグルト」をリニューアル発売しており、実績を伸ばす見通しである。
また、ライオンも引き続き通信販売チャネルを中心に新規需要の開拓を進めていることから、2012年の市場は前年比18.7%増の124.0億円が見込まれる。

<注目訴求効能 H・Bフーズ市場>
1、歯周病予防
2011年13.5億円(前年比117.4%)、2012年見込15.0億円(同111.1%)
 歯周病予防を訴求した乳酸菌類、ナタマメ、オーバルゲン、カルシウム/大豆イソフラボンアグリコン配合のH・Bフーズを対象とした。歯磨きだけではなくH・Bフーズによる予防の重要性が、歯科医の推奨販売を通じて徐々に浸透し始めている。
 2011年の歯周病予防訴求H・Bフーズ市場は、歯科医の推奨販売の定着や前年発売商品の好調を背景に、前年比17.4%増の13.5億円となった。歯周病は潜在患者も含め患者数が非常に多いと考えられることから、歯周病予防を訴求したH・Bフーズへの潜在需要も高いとみられる。2012年の市場は前年比11.1%増の15.0億円が見込まれる。

2.認知症予防・改善
2011年290.7億円(前年比103.3%)、2012年見込298.0億円(同102.5%)
 認知症に対して効果を持つとされる成分(DHA、イチョウ葉エキス、EPA、アラキドン酸など)を配合したH・Bフーズが対象。
 健康食品及びシリーズサプリメントからなる認知症予防・改善訴求H・Bフーズ市場は、2011年に前年比3.3%増の290.7億円となった。
市場の70%近くをDHA配合商品が占めているが、その主な訴求効能である生活習慣病予防において需要を獲得している側面が大きい。
一方、認知症対策により特化した成分であるアラキドン酸、フェルラ酸、α-GPC配合商品はまだ市場規模が小さいものの、潜在需要の高まりを背景に堅調である。
 今後も引き続きDHA配合商品が市場を牽引していくと考えられ、生活習慣病予防に加えて認知症予防・改善を訴求することで、更なる需要開拓が期待される。

認知症予防・改善を主に訴求する成分は、低い認知度が課題と言えるが、フェルラ酸は問題行動を抑制する効果があるとして医療ルートで実績を伸ばしており、今後も拡大していく見通しである。
2012年の市場は、前年比2.5%増の298.0億円が見込まれる。

【H・Bフーズの分類】
(1)健康志向食品:機能よりも味覚を重視した、一般加工食品との競合が予想される商品。
 ●明らか食品:一般加工食品と呼ばれる「通常の形態をした、日常的に食べられる食品」に機能成分を添加、強化して、商品の機能性を訴求する食品群を対象とした。
●ドリンク類:明らか食品のうち飲料分野に属するものは、(医薬品/新・医薬部外品のドリンク剤と区分するために)本調査では「ドリンク類」と呼称する。
(2)機能志向食品:味覚より機能を重視した、一般用医薬品との競合が予想される商品
 ●健康食品:(財)日本健康・栄養食品協会で定めるJHFA規格品に加え、規格外の健康食品でも違法性が明らかな成分を使用していないものも対象とした。
 ●シリーズサプリメント:健康食品のうちビタミン・ミネラル類などの各種アイテムを取り揃えた健康食品(剤型は医薬品形状が主体)を「シリーズサプリメント」と呼称した。


<調査対象>
 ■注目成分
 ミックスポリフェノール、ローズヒップポリフェノール、レスベラトロール、クエン酸、ラクトフェリン、葉酸、生姜、松樹皮エキス、ノニ、酵素、酵母、フコイダン、ナットウキナーゼ、ブドウ糖、シトルリン、α-リポ酸、ミドリムシ(ユーグレナ)、フコキサンチン、プラセンタ、L-カルニチン、たまねぎ、クマ笹エキス、メリロートエキス、サラシア、核酸、オリーブ、田七人参、コエンザイムQ10、ボダンボウフウ(長命草)、白インゲン豆抽出物
 ■新訴求効能
 スカルプケア、うつ予防、認知症予防・改善、きのこ由来免疫訴求作用、女性ホルモン・更年期対策、歯周病予防、男性ホルモン・性機能改善

<調査方法>
 富士経済専門調査員による調査対象企業及び関連企業・団体等へのヒアリング調査と各種公表データの補足。<調査期間>2012年3月~4月

[ 2012年6月13日 ]
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