アイコン シティグループ/ハゲタカ格付のムーディーズにカンカン

シティグループは、ムーディーズの格付け見直しについて以下のステートメントを発表いたしました。
シティは、ムーディーズの銀行業界に対する分析に全く同意できず、当社はシティの格付けの引下げは恣意的であり、完全に根拠を欠くものだと考えます。
ムーディーズの分析は後ろ向きであり、当社の過去数年にわたるビジネスの再編、当社経営基盤の強み及び多様性、並びにリスク管理、資本水準及び流動性の強化を評価していません。

当社は、金融危機後、全社的に健全性を向上させました。2012年第1四半期末現在、シティは4,200億ドル以上の余剰流動性を現金及び政府証券の形で有しています。この余剰流動性は様々なストレステストや流動性モデルに基づいたものであり、2015年まで適用されない指標ではあるものの、バーゼルIIIの流動性カバレッジ比率の要件である125%を超えています。また、厳しい経営環境の中でも当社は一貫して利益を上げており、一方で、非中核資産の圧縮を続けた結果、シティ・ホールディングスの資産は2008年当時の4分の1となっています。2012年第1四半期末時点で、シティ・ホールディングスの資産はシティ全体の資産のわずか11%である2,090億ドルにまで圧縮されています。

このような取り組みによりシティの財務基盤は改善されています。バーゼルIのTier1 資本比率は14.2%、Tier1普通資本比率はバーゼルIの下では12.5%であり、バーゼルIIIの下では7.2%*になると推計されており、シティは世界でも最も盤石な資本を有している銀行のひとつです。
また、2010年10月に発表しその後も数度にわたり確認しているように、バーゼルIIIが完全に適用された場合、その比率の推計は、2012年末までに8%を超えると予想しています。
この推計は、資本還元の計画を勘案したものであって、シティがバランスシートの強化より株主還元の増加を優先させているとの言い分には根拠がありません。シティは金融危機以降、資本基盤の強化と維持に必要なあらゆる措置を講じてまいりました。
(*2012年6月7日に、連邦準備制度理事会がバーゼルIIIのルールを提案しました。当社は同提案がこの比率に影響を与えるかどうか精査しております。)

ムーディーズが格付け見直しをすることについては、市場で十分に予測されたことであり、事情に通じたカウンターパーティは、すでに本日の格付け見直しをクレジット分析に織り込み済みであると考えています。
これらの理由により、シティの資金調達及び流動性又はその業務に対する影響は重大ではないと予測しております。

一般的に投資家及びお客様は、過去数年にわたりクレジット分析の手法をより精緻にしており、格付け、特に単独の格付機関による格付けのみに基づいてクレジットを決定することはないと確信しております。
シティは、このような進展を評価しており、ドッド・フランク法にあるように今後もこのトレンドが推奨されるべきだと考えています。
一方で、当社は、信用に関する判断に際して歴史的にムーディーズの格付けを基準にしているお客様及び投資家はムーディーズの決定に影響を受けるであろうことも認識しております。
当社は、投資家及びお客様は独自の判断をされるべきで、判断基準が不透明な格付けに頼るべきではないと考えます。
現在、シティは、投資家及びお客様が格付機関の判断に左右されずに独自の決定をできるような、格付機関に替わる分析手法が複数存在していると認識しています。

当社自身が、お客様やカウンターパーティのクレジット分析をする金融仲介業務を展開していることから、当社としてはムーディーズがヨーロッパの銀行と比較してアメリカの銀行により不当に厳しい判断をしていることを遺憾に思います。
最後に、シティは、アメリカの金融システムは、金融危機前と比較すると脆弱になっているのではなくむしろ強化されていると信じています。
立法機関、監督当局及び金融機関が取ってきた措置により、金融機関の安定性や危機への対応力は大幅に改善されました。ムーディーズはこの点を全く勘案していません。
としている。

他の格下げ米銀行について、ロイターは次の通り記載している
<モルガン・スタンレー>
ムーディーズは当初、最大3段階の格下げがあり得るとしていたが、それに比べると良い内容となった。ただ格付けには、当社が過去数年間進めてきた戦略的な行動が、完全には反映されていない。ムーディーズも認めている三菱UFJフィナンシャル・グループとの長期の提携や、業界トップクラスの資本・流動性は、当社が変革に向けて動いてきたことを示している。当社はリスクを落としたバランスシート、安定した資金調達源、多様な事業構成、強力なリーダーシップで、顧客と株主に貢献することが十分可能だ。

<ゴールドマン・サックス>
当社は、力強い信用力、機関投資家を重視した他社にはない魅力的な高収益業務の事業構成を通じて、引き続き株主・債権者・顧客に貢献できる。

 

[ 2012年6月25日 ]
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