アイコン 石炭価格暴落 世界経済減速で 豪ニューカッスルでは3ヶ月間で26%下落

7月9日付の中国の南方都市報によると、経済の成長減速が鮮明化するつれ、内需激減により、今年に入ってから中国内石炭価格の主要指標である環渤海動力煤価格が急落しているという。
昨年年末時の1トン当たり863元から7月11日現在1トン当たり652元まで下落、下落率は約24%に達している。また、5月初めの1トン当たり785元から約10週間連続下落している。

石炭価格急落の主因は、国内経済成長の失速、生産活動が停滞し電力需要が大幅に落ち込んでいることにある。
生産活動水準を示す鉱工業生産指数の伸び率は、低下し続けており、4月には3年ぶりの低水準である9.3%増を付けた。5月には9.6%増と少し戻したが、いずれもこれまで続いてきた10%台を下回っている。

また、6月13日に開催された2012年全国夏季電力使用ピーク時に関し、今年1~5月の全国電力使用量は1兆9,600億キロワットに達し、前年同期比で5.8%増となった。
しかし、伸び率としては昨年同期の12.05%増から6.25%も低下している。
1~5月のサービス業をはじめとする第3産業と国民生活の電力使用量は、引き続き増加しているが、製造業をはじめとする第2産業の電力使用量の前年同期比の伸び率は3.8%増と、昨年同期の11.7%増から大幅に低下している。

第2産業の電力使用量の激減で、同期全国電力使用量の伸び率が、約6%押し下げられている。
電力使用量の大幅な減少で、電力会社の石炭在庫が急増しただけではなく、各地の石炭取り扱い港では石炭在庫も急増している。石炭の主要港(秦皇島港・唐山曹妃甸港・唐山京唐港区・天津港・広州港)だけでも2280万トンの在庫量があり、リーマンショック後の在庫水準を超えている。

石炭価格の急落で中国の石炭企業は、巨額な損失を被ることになった。今年初め国内の多くの石炭企業は、今年の石炭価格は依然として高水準に推移していくだろうと予測していた。そのため、石炭企業の多くは4月17日、18日に開催された中国国際石炭大会において、国内およびオーストラリアなどの主要石炭供給企業と石炭の仕入契約を締結した。
しかし、アジアの発電用石炭価格の指標であるオーストラリア・ニューカッスル港の石炭価格は、4月1トン当たり125ドルだったものが、6月末には約90ドルまで下落、下落率は実に26%に達している。
価格急落により、契約した中国の石炭企業は巨額な損失を被っている。
豪州に石炭産地を持つ三井松島産業も大変だぁ。

[ 2012年7月17日 ]
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