アイコン 家電量販店戦争再編 ヤマダがベストを買収へ/割当増資引受50%以上に

家電量販最大手のヤマダ電機が、業界8位のベスト電器を買収する方針を固めたことが12日、明らかになった。
近くベストが実施する第三者割当増資をヤマダが引き受け、発行済み株式の過半数以上を持ち子会社とする。
ヤマダとベスト電器の売上高の合計は2兆円を超え、2位のビックカメラ=コジマ連合を大きく引き離す。薄型テレビの不振で家電量販業界が縮小傾向にあるなか、販売力を高めて生き残りをかける。
ヤマダは、ベスト電器株の7・5%を持つ第2位株主。保有分と、ベスト電器による第三者割当増資の引き受け分を合わせ、出資比率を50%以上に高める。

ベスト電器はヤマダの連結子会社となった後も上場を維持し、店名も変更せずに営業を続ける。
 ベスト電器は家電業界8位で、昨年3月の家電エコポイント制度の終了や、同7月の地上デジタル放送への移行に伴う駆け込み需要の反動で業績が低迷していた。
今回の増資で調達した資金を、不採算店の閉鎖などリストラに充てるほか、ヤマダとの協業では、スケールメリットが効果的な仕入れを共同化してメーカーとの取引条件を改善するほか、物流網を効率化するなどの取り組みを進める。

 家電量販業界は薄型テレビの不振で業績の低迷が続いており、5位だったビックカメラが6月、7位だったコジマを子会社化し、合計の売上高が1兆円を超える2位に浮上するなど、合従連衡の機運が高まっていた。

ビックは現在、ベストに15%を出資する筆頭株主で業務提携しているが、ヤマダによるベスト買収で出資比率は低下、提携は解消に向かう見通し。
以上サンケイが報じている。

バブル末期日本一の売上高を誇ったベスト電器であるが、北田体制を継承した有薗体制の経営のツケは大きく、ビックカメラの支援を受け再建途上にあるものの、取り巻く環境も悪く、厳しい状態が続いている。
今回の動きに、ビックカメラにしても先般コジマを抱え込み、田舎のベスト電器を完全に丸抱えするには、これまでの支援の中で限界も生じていたものと思われる。
その間隙を縫い、ヤマダ電機はベスト電器を傘下にすることを長年の執念で決定したようだ。

ベスト電機については今後連載していく。
 

ベスト電器の業績推移
連結/百万円
2010年2月期
2011年2月期
2012年2月期
売上高
345,619
340,969
261,705
営業利益
-5,230
6,862
2,535
経常利益
-5,698
5,854
2,009
当期利益
-37,448
1,057
589
総資産
158,337
141,494
125,567
自己資本
42,502
43,798
44,351
資本金
31,832
31,832
31,832
有利子負債
51,755
39,440
32,534
自己資本率
26.80%
31.00%
35.30%
 
ヤマダ電機の業績推移
連結/百万円
2010年3月期
2011年3月期
2012年3月期
売上高
2,016,140
2,153,259
1,835,454
営業利益
87,303
122,764
88,978
経常利益
101,586
137,847
102,225
当期利益
55,947
70,754
58,265
総資産
899,612
929,010
937,841
自己資本
404,849
469,014
519,678
資本金
71,058
71,058
71,058
有利子負債
230,852
197,158
189,422
自己資本率
45.00%
50.50%
55.40%
 
[ 2012年7月12日 ]
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