アイコン 熾烈流通戦争 セブン&アイ イトーヨーカドーの15~20店舗を閉鎖へ  

セブン&アイ・ホールディングスは15日、傘下のイトーヨーカドーが手掛ける国内の総合スーパー173店舗のうち約1割を閉鎖する検討に入った。

赤字の不採算店を閉鎖し、スーパー事業の業績立て直しを急ぐ。3年以内に土浦店(茨城県土浦市)をはじめ地方の中型店を中心に15~20店舗を閉める方向で調整する。
 
国民の消費関連の購買高は、減少することはあれ、増加しない状況下、これまで、中小の商店や商店街・マーケットや小規模な地元密着スーパーなどを駆逐しながら、スーパーの店舗数は拡大し続けてきた。
商店や商店街で、叡智もなく無抵抗であったところは殆ど淘汰され消滅、商店街はシャッター通りと化かし、今やスーパー間でさえ、生きるか死ぬかの熾烈な戦いとなっている。
 
大手資本による大量出店と市場における寡占化はあるものの、消費者ニーズに応えられない店舗は、大手資本の店舗でさえ、今回のイトーヨーカドーのように今では例外なく淘汰されている。
かって、ダイエーやニチイが、新興勢力のイトーヨーカドーとイオンに敗退したように。
 
大手資本のイトーヨーカドーやイオンにしても不採算の大型商業施設さえ閉鎖しており、地域経済や地域住民に与える影響は大きなものとなっている。
 
日本は、不況が長引くなか、家計の可処分所得が、市町村民の増税や健康保険料・年金掛金などの増税や増加により長期にわたり減少し続けている。その結果、デフレ経済は進行し続け、そのニーズを損なったスーパーは、大手スーパーといえども、地域によっては整理淘汰され閉鎖へ追い込まれている。
県単位で見ても器が同じか減じる中、スーパーの店舗数はあいも変わらず増加している。当然の結果といえる。
 
今回のイトーヨーカドーの店舗閉鎖も、出店当時は、地元の数多くの商店や商店街を駆逐してきたように、また、市場原理により、イトーヨーカドーの店舗も、その後出店してきたスーパーにより駆逐されようとしているものである。
なお、イオンでもショッピングセンター(GMS)以上を前2月期で3店舗、スーパー(SM)で20店舗閉鎖(新規開店はGMS5、SM55、期末店舗数416店舗)している。
 
こうして見ると、限られた消費者小売市場における市場の奪い合いは、今後も経済不況、減少し続ける可処分所得、少子化の影響を受けて市場規模が細るなか、更に熾烈な戦いを強いられることは誰にも疑いようのないものである。
韓国では、地元商店街を守るため、大型スーパーに対して強制的に休店日を設けさせ、両立をはかる動きもあるが、時代の流れに逆らっても所詮無理なこと。ましてやアメリカとのFTA締結により、今後、アメリカの大店に関する法律が韓国にも適用されることになる。
佐世保市では、イオンが超大型のショッピングセンターを開設しようとしたが、市議会が認めず、計画が破綻して、佐世保市のアーケード街を守っている。
しかし、これも日本がもしもTPPを締結すれば、こうした地元の承認という制度そのものが問題視され、廃止され、佐世保駅のアーケード通りは、シャッター通りに化かすことになる。西友は、世界№1の小売業者である米国のウォルマート傘下である。(注、アメリカでは市街地から一定以上離れた所にしか大店立地を認めていない州もある)
全国・九州管内大型小売店販売額推移/百万円
 
年度:4月~翌3月
平成21年度
平成22年度
平成23年度
全 国
大店全売上高
19,567,502
19,578,521
19,700,818
 
   全店前年度比
-5.3
-1.5
0.1
   既存店前年度比
-6.4
-2.0
-0.9
   店舗数
4,676
4,958
5,034
   1店舗あたり売上高
4,185
3,949
3,914
九 州
全売上高
1,518,812
1,536,566
1,563,639
 
  全店前年度比
-5.2
-1.3
1.0
  既存店前年度比
-5.8
-2.4
-2.0
  店舗数
406
445
454
 百貨店全売上高(九州)
564,176
544,142
559,903
   全店前年度比
-9.8
-3.6
2.9
   既存店前年度比
-7.1
-3.6
-2.3
   店舗数
26
26
25
   1店舗あたり売上高
21,699
20,929
22,396
 スーパー全売上高(九州)
954,636
992,424
1,003,736
   全店前年度比
-2.3
0.1
0.0
   既存店前年度比
-5.0
-1.6
-1.7
   店舗数
380
419
429
   1店舗あたり売上高
2,512
2,369
2,340
        大店法による大店とは:売場面積1,000平方メートル以上の店舗。
        通常スーパーの売上高は1店舗あたりは10億円前後(タイヨー
92店舗で平均14億22百万円、マルキョウで97店舗平均9億37百万円)。
・平成22年度の小売業の売上高135兆66百万円(平成9年148兆円)、但しドラッグストア売上高不明(統計数値に記載されていない)
参考資料:経済産業省、九州経済産業局の統計資料
 
[ 2012年7月17日 ]
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