アイコン 太陽光サンテックパワー株ピークの1% 1ドル割込 NY上場の危機 ランキング付

太陽光発電モジュールは、世界の各社の技術がどんぐりの背競べとなっており、また、世界景気が不況の中、生産は拡大し続け、完全に供給過多状態となり、価格は下落し続けている。

 
<供給過多は中国勢の台頭>
中国最大手の太陽電池・太陽光発電システムメーカーで生産量世界№1のサンテックパワーは、2005年150MW、2008年498MW、2009年704MW、2010年1572MW、2011年2220MWと生産拡大、同じく中国勢や台湾勢が拡大し続けた結果、世界中で供給過多状態に陥り、ドイツでは世界№6位のQセルズが破綻するという事態に至っている。
 
サンテックパワー(尚徳電力)は、8月15日、CFO(最高財務責任者)を務める金緯昇氏がCEO(最高経営責任者)に昇格し、前任CEOの施正栄氏は執行董事長兼最高戦略責任者に就任する人事を発表後、株価が下落を続け、25日は1株0.98ドルで取引を終えている。(ピーク時には、オーナーの施正栄博士は、世界の大富豪に選ばれたこともあるが、今やサンテックパワーは破綻のリスクさえ出てきている)
 
<サンテックの時価総額はピークの1%>
同社の時価総額は大幅に縮小し、ピーク値の1%にとどまった。NY証券取引所の規定によると、30日連続で平均株価が1ドルを下回ると、取引所はその銘柄に対し上場廃止を要求する権力がある。サンテックパワーに再び上場廃止のリスクが出された。
 
サンテックパワーにとって8月は「ブラックマンスリー」となった。2週間前に担保債券詐欺に陥る可能性があるとして、株価が1ドルを初めて割り込んだ。
上場廃止を免れても、償還能力不足に面し、2013年3月に満期となる債務が破産・清算に追い込まれるリスクがある。米国投資機関MaximGroupのアナリストは尚徳電力の目標株価を0.5ドルからゼロに引下げた。

 2012年第1四半期の財務決算によると、同社の売上高は、前年同期比53%減の4億950万ドル、最終損益は12ヶ月連続で赤字となり、赤字額は1億3300万ドル、負債率は80%を超えた。(殆ど日本国内の液晶TV市場の様相)
2012年は施正栄氏が想像していた「低迷から脱出する1年」ではなく、「長期的に利益を生めない停滞の年」になった。

 これが、施正栄氏がCEOを退いた直接的な原因であるかもしれない。施正栄氏はより高い立場で会社の運命を再考する必要がある。だが同氏の権力が微塵も弱まっていないことから、市場では、これがスタンドプレーと解読された。

 サンテックパワーは、競争が激しく、価格が急落する苦境に陥った。海外に上場した中国の太陽電池企業10社以上が、第1四半期にいずれも欠損を出し、出荷量の最も多いサンテックパワーと生産能力最大の賽維LDK(シリコンチップメーカー)の粗利益率は、それぞれ0.59%と▲65.5%と大幅に落ち込んでいる。
アナリストは、「ソーラーパネルの需要が、供給に追いつくのは2013年下半期以降になるだろう」との見方を示している。
その原因は、「ローエンド技術における各社の格差は小さく、生産過剰状態において競合するのは管理とコスト制御だけ」である状態から抜け出せないことによる。
 
<設置開発プロジェクトが儲かる>
太陽電池産業の収益源は、今や、生産業者から設置する開発業者に移転し、後者は政府部門や地方公共団体から土地を取得し、プロジェクトに対する企画や開発を行い、生産業者から太陽電池セルなどを購入し、完成後にプロジェクト全体を発売したり、電気代補助金を取得したりしている。太陽電池部品メーカーの価格競争により、発電モジュールが安価に取得され、ドイツの複数の開発業者は、利益が大幅増となっているという逆転現象が生じている。
 
<市場規模と生産量>
世界全体の2010年の太陽電池セルの生産量は、PV NEWSの集計によれば2009年に比べて111%増加し、23.9GWpギガ・ワットピークとなった(値は調査会社によって異なり、例えばPhoton Internationalでは27.2GWpとしている)。
 
地域別シェアは中国と台湾が合わせて59%、欧州13%、日本9%、北米5%、その他14%である。世界全体の2010年の太陽光発電の導入量は、EPIAによる集計で16.6GWpと見られる。solarbuzz社による集計では18.2GW、額にして820億米ドル(約6.5兆円)であった。
参照:新華社など多数
2010太陽光発電セル製造ランキング
1
Suntech
中国
6.60%
2
Ja Solar
中国
6.10%
3
First Solar
米国
5.90%
4
英利(Yingli)
中国
4.70%
5
Trina Solar
中国
4.70%
6
Qセルズ(破綻)
ドイツ
3.90%
7
Gintech
台湾
3.30%
8
シャープ
日本
3.10%
9
Motech
台湾
3.00%
10
京セラ
日本
2.70%
 
 
 
44.00%
 
[ 2012年8月30日 ]
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