アイコン 100円ショップのおしゃぶりや調理用具から発がん性物質ホルムアルデヒト検出

100円ショップなどで売られたシリコンゴム製の調理用品や乳児用おしゃぶりの一部から、化学物質のホルムアルデヒドが溶け出していたことが、東京都豊島 区の調査でわかった。ホルムアルデヒドは発がん性が指摘され、調理用品や食器から検出されてはならないと食品衛生法などで定められている。

豊島区生活産業課は「濃度を調べていないので、危険と断定はできないが、問題提起で公表した。しかるべき機関で早急に分析してほしい」としている。
アメリカやカナダでは過去、中国製玩具などから発がん性物質や有機溶剤が検出され、輸入禁止措置が取られたりしていたが、日本は産業育成に力を入れるばかりに、検査体制(官庁のコスト削減で人減らし)は殆ど確立しておらず、ノーズローでこうした製品が輸入されている。

利益を追求する販売者・輸入業者にこうした問題を投げかけるのは無意味である。 また、今回検査したのは、生活用品のごく一部の電子レンジ用蒸し器やオーブン用ケーキ型、乳児用おしゃぶりなどシリコンゴム製品などであり、検出されたのは氷山の一角といえる。

 豊島区消費生活センターが、昨年度の商品テスト結果を次の通り公表した。

1. テストの目的
最近、調理に使用されているシリコンゴム製品などを調べ、区内で販売されているそれらについて実態調査し、区民に情報提供します。
2. テスト品目:市販のシリコンゴム調理用製品など
3. テスト対象品:区内の販売店より購入
4. テスト実施期間:平成23年4月~平成24年2月
5. シリコンゴム、およびプラスチック製品の性質について

 

ゴム製品には、プラスチックと同様の添加剤(安定剤、改質剤などのほか、ゴム分子同士の強い結合を作る加硫剤、加硫促進剤が加えられます。

そのためゴムには、プラスチックより化学物質が多量に含まれている可能性があります。これらの溶出を低く抑えるため、無機化合物の溶出総量(蒸発残留物)、加硫剤由来の亜鉛、加硫促進剤由来のホルマリン、酸化防止剤の分解物であるフェノール、添加剤不純物のカドミウムと亜鉛が規制されています。

また、ゴムは、プラスチックに比べて溶出量が多いので、使用前に5分程度煮沸をすると溶出量が減少することが知られている。

6. テスト項目及び方法:アセチルアセトン法によるホルムアルデヒドなどの検出及び煮沸5分後同条件の抽出液の比較、および原産地の調査1)抽出液の作成:90℃の湯50ml中で、室温放置、120分後抽出2回行った。(テスト1,2)
2)テスト1、2:アセチルアセトン法によるホルムアルデヒドの検出

<方法>
① 抽出液5mLにアセチルアセトン試薬5mlを加え、水浴中で10分加熱する。

② 蒸留水5mLも同様にし、蒸留水より濃い黄色に呈色していれば、ホルムアルデヒドが溶出していたということになる。
3)テスト3:煮沸5分後同条件の抽出液でホルムアルデヒドの検出

<方法> テスト1、2 と同様に行う。
2(一部省略)
・調理用品:シリコン樹脂、ポリエチレン・ポリプロピレン、ポリプロピレン、スチロール樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、メタクリル樹脂

・乳児用品 シリコンゴム、イソプレンゴム、テックス、ポリウレタンフォーム

製造原産地表示は 中国29、日本4、ドイツ2であった。

8.まとめー
1) テスト1とテスト2は、同じ製品を90℃の湯50ml中で、室温放置、120分後抽出を繰り返し、1回目(テスト1)はかなりの製品に検出したものが多かったが、2回目(テスト2)では1検体も検出しなかった。ただし、2回目は、シリコン製品に絞った。

2) テスト3は、さらに同じ製品を煮沸5分後、90℃の湯50ml中で、室温放置、120分後の同条件の抽出液から検出した結果、1検体だけ陽性と判定された。2回目には検出されなかったのが、テスト3で1検体が検出された理由は、煮沸5分の加熱の影響であろうと考えられるが、繰り返しテストができなかったためと、溶出試験が簡易な定性試験のため、理由は断定できない。ただし、2回目同様、シリコン製品に限っている。

3) 以上の結果から、抽出を繰り返すと、ホルムアルデヒドが検出される頻度は明らかに減った。このような製品を使用開始する際には、各家庭でできることとしては、まずは、よく洗い、少なくとも5 分程度の煮沸が必要ではないかと思われるが、今回はあくまでも簡易な定性試験の結果で、定量試験もしなければ、この結果をして安全か、危険かどうかの断定はできない。しかるべき分析機関で、さらなる、早急で、詳細な分析結果の公開を望みたい。

4) 家庭用品としては新素材のシリコンゴム製品の調理器具、乳児用品をしらべてみた。1980年代に欧米では乳幼児が使う乳首やおしゃぶりについて一般のゴム製品より厳しい規格基準が設定され、日本でもそれに応じた規制がされたということだが、最近流行の調理器具についての情報が、少ないのが気になるところだ。

[ 2012年8月10日 ]
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