アイコン フーディーズ破産でジー・テイスト、ジー・ネットワークス、さかいへの影響は・・・ 

ジー・コミュニケーション傘下のジー・テイストは4日、間接的親会社である(株)フーディーズが、平成24年8月31日付で、負債額約80億円を抱え、東京地方裁判所において破産手続きの開始決定を受けたため、その影響を次の通り発表した。
(ジー・テイストやジー・ネットワークス・さかいの親会社であるジー・コミュニケーションの親会社が今回破産したフーディーズとなる)、(グループでは、外食産業のほか、がんばる塾などの塾や曰く付きのNOVA・イオスの事業を買収して、英会話学校を展開している。)

<ジー・テイスト親会社等の概要>
(1) 商号 株式会社フーディーズ
(2) 本店所在地 東京都豊島区南池袋1-12-7
(3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 久保田 恭章
(4) 事業内容 飲食店支援
(5) 資本金の額 1億3,762万5,000円
(6) 設立年月日 平成16年3月
(7) 純資産 ▲25億5,074万1,762円(債務超過)
(8) 総資産 54億7,751万8,000円
(9)大株主及び持株比率
久保田 恭章     (4,743株)92.22%
久保田企画合同会社(400株)  7.78%
(10)上場会社と当該会社の関係等
資本関係 : 議決権被所有割合44.38%(間接被所有割合)
人的関係 :当社と当該会社との間には記載すべき人的関係はない。
取引関係 :当社と当該会社との間には記載すべき取引関係はない。
 
(5)、(7)、(8)、(9)、(10)は平成24年3月31日現在の数値。
2. 負債総額(平成24年3月31日現在)
80億2,825万円
3. 親会社等に係る破産の影響、今後の見通し
(株)フーディーズは、当社の親会社である(株)ジー・コミュニケーションの親会社であり、当社の議決権割合の44.38%を間接的に所有しているが、当社における事業については、(株)フーディーズに依存した事業形態ではなく、(株)フーディーズより独立した経営を行っている。
 
資金面についても、(株)フーディーズからの資金調達はなく、また、影響を及ぼす取引も無いため、当社に及ぼす業績の影響は全くない。
 
4. 今後の見通し
業績等に与える影響はない。
 
5. 開示対象となる非上場の親会社等の変更の有無等
本件に伴う変更はない。
としている。
 
ジー・テイストは、寿司の「平禄寿司」(直営72店舗)「仙台平禄」「奥羽寿司製作所」「仙台下駄や」と居酒屋(直営123店舗)の「とりあえず吾平」「村さ来」「ちゃんこ江戸沢」「アントニオ猪木酒 場」「ぱたぱた家」「てんてけてん」「えん屋」「」の営業名称にてチェーン店経営をしている。また、同名称にて営業を行っているフランチャイズ加盟店への商品販売、教育事業は40校経営している(店舗数・学校数は平成24年3月末現在)。
 なお、ジー・テイストグループには、親会社として㈱フーディーズ及び㈱ジー・コミュニケーションがあり、㈱ジー・コミュニケーションの傘下に外食、教育事業(がんばる学園、NOVA、ジオス)を運営する複数の企業群が存在しており、ライセンス契約による店舗・教室運営をしている。
 また、ジー・テイストの兄弟会社に東証2部の㈱ジー・ネットワークスがあり、飲食店の「おむらいす亭」と「長崎ちゃんめん」経営や同じく英会話学習塾を経営している。業務提携はしているものの、資本関係はない。
 
なお、フーディーズ、ジー・コミュニケーション、ジー・ネットワークス、ジー・テイスト、さかいは平成22年9月に日本振興銀行が破綻してから、資金スポンサーがなくなったからか死んだかのように展開をやめ、守備体制に入り、店舗閉鎖、事業譲渡など後ろ向きの経営となっている。さりとて、次に示すとおりジー・ネットワークス、ジー・テイストの業績は悪いわけではない。
 
(株)ジー・コミュニケーションの系列企業
(株)ジー・テイスト
飲食・学習塾
上場
(株)ジー・ネットワークス
飲食・学習塾
上場
(株)さかい
飲食・学習塾
上場
(株)ジー・フード
飲食業
 
GEOS Language Centre Pte Ltd.
学習塾
シンガポール
GEOS Language Centre,Hong Kong Ltd.
学習塾
香港
GEOS Consulting Company Ltd.
学習塾
台湾
GEOS Language Centre (Thailand) Co., Ltd.
学習塾
タイ
 
<破綻したフーディーズの経歴>
(株)フーディーズの経歴
2005年5月
店舗流通ネット株式会社(現TRNコーポレーション株式会社)の連結子会社となる(被持ち株比率69.4%)
2005年6月
株式会社フーディーズに商号変更 本店を東京都豊島区南池袋へ移転
2006年2月
店舗流通ネット株式会社(現TRNコーポレーション株式会社)との資本提携見直しにより、同社の連結子会社化解消(被持ち株比率34.0%)
2007年4月
繁盛店支援スキーム「黒字ネット」の展開を開始
2007年11月
株式会社フーディーズから店舗運営事業部が株式会社ROSとして独立
2008年2月
株式会社テレウェイヴ(現株式会社SBR)の連結子会社となる(被持ち株比率50.8%)
2008年9月
総店舗数50店舗突破!※弊社が賃借権を有しない店舗も含む
2008年12月
中小企業飲食機構株式会社・中小企業保証機構株式会社へ株式会社テレウェイヴ(現株式会社SBR)から全株式を移動(前者の被持ち株比率30.6%、後者の被持株比率20.2%) 但し、株式会社テレウェイヴ(現株式会社SBR)とは事業面における友好的な関係及び相互発展に向けた連携は継続
2009年2月
店舗数の増加・人員の拡大に伴い、本店を東京都豊島区西池袋へ移転
2009年9月
総店舗数120店舗突破!※弊社が賃借権を有しない店舗も含む
2009年10月
株式会社ジー・コミュニケーションが発行する株式を取得(持ち株比率35.7%)
2010年1月
株式会社ジー・コミュニケーションが発行する株式を追加取得し子会社化(持ち株比率50.9%)
2010年9月
日本振興銀行経営破綻 傘下に中小企業ネットワークも空中分解
 
ジー・テイストの経歴
1997年4月
商号を平禄株式会社に変更(元禄寿司)
2001年4月
日本証券業協会に株式を店頭登録、後ジャスダックへ
2005年7月
㈱ジー・コミュニケーション(本社:名古屋市北区)と「資本業務提携契約」を締結、ジー・コミュニケーションの子会社となる。
2005年8月
㈱ゼクーの破産管財人より、営業の一部(郊外型居酒屋「とりあえず吾平」)を譲受け
2005年10月
商号を株式会社ジー・テイストに変更
2006年10月
㈱江戸沢(ちゃんこ江戸沢 ㈱グローバルアクト)を子会社化、後、ちゃんこ江戸沢を譲渡受ける
2010年4月
ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ市場(現 大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード))に上場
2010年7月
フード インクルーヴ株式会社を吸収合併
2010年9月
日本振興銀行経営破綻 傘下に中小企業ネットワークも空中分解
2011年9月
仙台市宮城野区に本社を移転
2011年10月
営業の一部(「益益」事業)を譲渡 
 
ジー・テイストの株主構成
ジー・テイストの株主構成 2012.3.31現在
株主名
住所
所有株式数
割合(%)
(千株)
㈱ジー・コミュニケーション
名古屋市北区萩野通1-8-1 
32,960
44.32
ジー・テイスト取引先持株会
仙台市宮城野区榴岡2-2-10
1,552
2.09
江川 春延
仙台市青葉区
729
0.98
松井 やよい
山形県酒田市
400
0.54
大阪証券金融株式会社
大阪市中央区北浜2-4-6
386
0.52
楽天証券株式会社
東京都品川区東品川4-12-3
328
0.44
佐藤 昌則
仙台市青葉区
260
0.35
加藤 浩之
三重県松阪市
210
0.28
冨田 邦守
東京都北区
207
0.28
紀岡 直樹
東京都杉並区
200
0.27
37,234
50.07
ジー・テイストの役員構成は、取締役6名のうち代表他4名がジー・コミュニケーション関係者(支配権)。
 
ジー・テイストの業績推移
非連結/百万円
2010年3月期
2011年3月期
2012年3月期
売上高
15,966
17,197
16,901
営業利益
263
-198
1,123
経常利益
401
-75
1,071
当期利益
292
-2,700
700
総資産
13,042
11,763
11,557
自己資本
6,345
4,038
5,039
資本金
1,274
1,634
1,785
有利子負債
4,385
4,248
3,204
自己資本比率
48.70%
34.30%
43.60%
ジー・テイストの経営状態は、粉飾でもしていない限り悪くない。有利子負債も前期約10億円減らしている。
 
<ジー・ネットワークス>
ジー・ネットワークスの株主構成 平成24年3月31日現在
株主名
住所
持株数
割合(%)
(千株)
㈱ジー・コミュニケーション
名古屋市北区萩野通1-8-1
10,802
45.8
パオ取引先持株会
山口県山陽小野田市大字西高泊字烏帽子岩沖676番地9の1
1,065
4.52
日本トラステイ・サービス信託銀行(信託口4)
東京都中央区晴海1丁目8番11号
300
1.27
山口銀行
山口県下関市竹崎町4丁目2番36号
270
1.14
日本生命保険相互会社
東京都千代田区丸の内1丁目6番6号
260
1.1
岡田 甲子男
東京都大田区
200
0.85
アリアケジャパン㈱
東京都渋谷区恵比寿南3丁目2-17
200
0.85
サントリービア&スピリッツ㈱
東京都港区台場2丁目3-3 
200
0.85
パオ従業員持株会
山口県山陽小野田市大字小野田バイパス
120
0.51
安田 幸正
山口県山陽小野田市
106
0.45
13,523
57.34
ジー・ネットワークスの取締役構成は、全4名の取締役のうち2名がジー・コミュニケーション関係者。
 
ジー・ネットワークスの業績推移
非連結/百万円
2010年3月期
2011年3月期
2012年3月期
売上高
7,804
7,348
7,521
営業利益
163
192
111
経常利益
207
219
101
当期利益
57
11
-465
総資産
5,320
5,245
4,652
自己資本
2,658
2,670
2,204
資本金
1,715
1,715
1,715
有利子負債
1,896
1,769
1,463
自己資本率
50.00%
50.90%
47.40%
ジー・ネットワークスの経営状態は、前期は外食事業における大型店舗で減損損失を特損計上したことにより最終赤字になっているが、業績は粉飾でもしていない限り悪くない。
なお、4日現在では、ジー・ネットワークスとフーディーズが、直接取引きがあったかどうかの表明はしていない。
 
()さかい
同社は、(株)フーディーズが、当社の親会社である(株)ジー・コミュニケーションの親会社であり、当社の議決権割合の48.77%を間接的に所有しているが、当社における事業については、(株)フーディーズに依存した事業形態ではなく、(株)フーディーズより独立した経営を行っている。資金面についても、(株)フーディーズからの資金調達はなく、また、影響を及ぼす取引も無いため、当社に及ぼす業績の影響は全くないと4日表明している。
(株)さかいの業績推移
非連結/百万円
2010年3月期
2011年3月期
2012年3月期
売上高
7,483
7,020
5,787
営業利益
133
89
-97
経常利益
121
118
-31
当期利益
-162
-263
-292
総資産
5,009
4,770
4,384
自己資本
1,977
1,814
1,521
資本金
1,745
1,795
1,795
有利子負債
2,128
1,885
1,855
自己資本比率
39.50%
38.00%
34.70%
・東海地盤に大阪カルビーという焼肉屋を展開、ただ、焼肉業界不振。
 
(株)さかいの株主構成  平成24年3月末現在
株主名
株主所在地
持株数   (千株)
割合(%)
㈱ジー・コミュニケーション
愛知県名古屋市北区萩野通1-8-1
11,423
48.39
アリアケジャパン㈱
東京都渋谷区恵比寿南3-2-17
435
1.84
資産管理サービス信託銀行(金銭信託課税口)
東京都中央区晴海1-8-12
423
1.79
㈱J・ART産業
岐阜県各務原市蘇原東島町4-61
401
1.7
㈱大光
岐阜県大垣市浅草2-66
308
1.3
㈱J・ART
岐阜県各務原市蘇原東島町4-61
115
0.49
㈱ファームランド
兵庫県佐用郡佐用町中島267
100
0.42
㈱トーア食産
福岡県糟屋郡粕屋町大字阿惠453-1
100
0.42
㈱松屋栄食品本舗
愛知県犬山市字落添20-1
61
0.26
出口 務
大阪府堺市南区
58
0.25
13,425
56.87
(株)さかいの取締役の構成は、全取締役4名全員がシー・コミュニケーション関係者。
以上。
 
これら上場3社の親会社である(株)ジー・コミュニケーションについては、同社の親会社が破産したフーディーズであるが、上場しておらず、表明の義務はない。
 
ということで、ジー・コミュニケーションの財務内容、特に借入関係がどうなっているか不明であり、また、フーディーズの借入などに対する保証債務や子会社上場3社などが親会社のジー・コミュニケーションの借り入れなどにつき、保証債務を負っている可能性も否定できず、同社子会社の上場会社3社などの与信については判断できない。(株)ジー・コミュニケーションの表明が待たれる。
 
なお、フーディーズの営業店舗については、破産管財人が早期に売却に走るものと思われる。
一括売却か、不採算店を外すかは破産管財人の裁量、時間が経過してしまえば、こうした営業権の売却も店舗の貸主が追い出すことも考えられ、時間が勝負となる。
ただ、厳格な破産管財人次第では売らないかもしれないため、購入希望者は破産管財人との早期交渉が望まれる。担保物権以外はすべて破産管財人次第である。(店舗がリースにかかっていることも考えられ、リース会社との調整も必要になるかも)
ジー・コミュニケーション関係者が購入すれば、まだジー・コミュニケーションに余力があるということにもなる。
[ 2012年9月 5日 ]
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