アイコン 微細藻類「バイノス」/セシウム99%除去 山梨大医の志村浩己准教授ら

筑波大学発ベンチャー企業の日本バイオマス研究所(千葉県柏市)は、北里 研究所や山梨大学、東邦大学などと組んで、独自に発見した微細藻類「バイノス」を使い、ストロンチウムやセシウムなどの放射性物質を吸着するペースト(の り状物質)を開発したと昨年11月発表していたが、その吸着力を向上させ、放射性ヨウ素やセシウムを99%取り除くことに山梨大医学部の志村浩己准教授ら の研究チームが成功した。

東電福島第1原発周辺の除染で使われている鉱物(ゼオライト等)の20分の1の容積で同量の放射性物質を除去できるといい、吸収した藻は圧縮できることから、除染作業のコストカットにもつながると期待される。

ペーストは、放射性物質で汚染された建物や構造物に塗料と同じ要領で塗布し、乾燥させて剥がす。剥がしたものは、付属の遮蔽(しゃへい)容器に入れて保管する。

製造はカネカがバイノスを培養し、アルギン酸メーカーのキミカ(東京都中央区)がアルギン酸ナトリウムなどを混ぜてペースト状にする。

<ユニチカも開発している>
ユニチカ子会社のユニチカトレーディングは9月11日、特殊な顔料を染め込んだ繊維などで、水中に溶けた放射性セシウムを吸着する技術を独立行政法人の産業技術総合研究所と共同開発したと発表した。「CsCATCHER(シーエスキャッチャー)」の商標名で実用化し、東日本大震災の被災地などで、焼却炉の灰や農業用水の除染などに役立てたい考えだ。濃度1.0ppm(ppmは100万分の1)のセシウム水溶液に浸すと、24時間で99.9%のセシウムを吸着する能力があるという。

着々とセシウム包囲網が、日本の研究者たちによって開発されている。

[ 2012年9月13日 ]
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