アイコン (株)さとうベネック/再生なるか(2)

さとうベネックは工事再開について、できるだけ早く再開したいとしている。9月中の再開もあり得るとする。既に九州地方整備局からは、「立て直せるのであれば続けてほしい」と言質を取っているとしている。 

九州地方整備局は、当然着手金を支払っており、工事が若干遅れても諸般の事情から、工事を早期に着手してもらいたいのが願ったり適ったりである。官庁工事で は、なかには中間金も既に貰った案件もあるかとも思われる。そうした中で、九州地方整備局や発注官庁は、さとうべネックが民事再生の申請であり、当然再開 してくれるものと思っている。

さとうベネックも、資金繰りと工事体制が整えば、早期に再開したいのが本音であろう。

しかし、同社代表は経営を退くとしており、今の同社に工事体制が取れるのか疑念せざるを得ない。
しかも現行工事が終われば、次の官庁工事の受注は、再建計画が債権者により承認された後、再審査を受けた上で、入札の再認可が下りることになっている(通常、民事再生申立てから10ヶ月後あたり)。これまでの受注内容(受注残額、工事期間など)や民間工事も含め経営資金を賄う工事代金の入金があるのかどうかも、さとうべネック側は債権者に対して説明責任が求められる。
確固たる利益が取れる官庁の土木工事も同社は6月プロパーの担当取締役を首にしており、それまでに至る事業戦略さえ見えてこなかったことも事実である。

今後、民事再生下で、経営や事業戦略をどう構築していくのかも、社長の席を退任すると表明している現代表であり見えてこない。工事再開、官庁工事の早期入札が同社の命運を分けることもあり、早期にスポンサー問題を決着させ、民事再生も早期に終結させる必要がある。こうしたことが、今の時点ではまったく見えてこないのも事実である。

さとうベネックの工事再開については、現行の協力業者の存在が必要条件ではないが、さとうベネックの工事レベルの新たなる協力業者が見つかるかと言えば至難の業になるとも思われる。
そのためにも、業務に精通したスポンサー探しが必要となってくる。当然、今後の資金繰りについては、これからの工事に従事する協力業者に対し、保証されるものでなくてはならなく、途中で民事再生を止めましたでは、被害者を増加させるばかりとなる。
資金繰りや債権債務も12日の説明会で説明された6月時点から何もかも急変しており、既に試算表は8月時点の分が完成していると思われ、工事再開時点では、事前に8月時点で再度協力業者に説明する必要があると思われる。

続く。

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[ 2012年9月19日 ]
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