アイコン カンガルーケアで重度障害 自治医科大と日本国を提訴

カンガルーケア⇒早期母子接触 名の変えても解決せず、義務化を

 カンガルーケアはユニセフがいう30分以内にしなければ何故駄目なのか、赤ちゃん以外に知る由もないことを医師というだけで決定していいのか。それもカンガルーケア時の看護師や助産師のフォローもなく、カンガルーケアによる医療事件が続いている。
 
  埼玉県桶川市の両親らが17日、長男(1)が重度の脳障害になったのは、新生児を母親の胸に抱かせて母乳を吸わせる「カンガルーケア」で、助産師らが観察 を怠り放置したためとして、自治医科大と母乳育児を推奨する日本国に計約2億8千万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴した。
 訴状によると、母親(28)は昨年5月、自治医科大付属さいたま医療センターで、陣痛開始から約22時間後に長男を出産。その際、長男が濁った羊水を飲み込むことで生じる呼吸障害が疑われたが、病院側は約40分間、カンガルーケアを行わせ、呼吸管理や観察をしなかったとしている。
 
カンガルーケア⇒早期母子接触 名の変えても解決せず、注意点ではなく義務化を・・・
日本周産期・新生児医学会など専門医らで作る8つの団体は、生まれたばかりの赤ちゃんを母親が胸で抱くケアの最中に赤ちゃんの呼吸が止まるなどのトラブルが起きていることについて、「カンガルーケア」という名称が母親などに誤った安全な印象を与えているとして、「早期母子接触」と呼んでいくことを決めた。
「カンガルーケア」は、医療スタッフの安全管理のもとで集中治療室に入っている未熟児を母親が胸で抱くケアとして始まり、皮膚が触れあうことで赤ちゃんの状態が安定したり、母親と子どもの絆を深めたりする効果があるとされている。
 
その後、生まれたばかりの赤ちゃんにも効果があるとして、出産直後に分べん室で広く行われているが、ケアの最中に赤ちゃんの呼吸が止まり、死亡するトラブルも起きている。
これについて団体は、生まれたばかりの赤ちゃんは、母親の胎内と環境が変わり、そもそも呼吸などが不安定で、ケアを行うかどうかにかかわらず、注意が必要だと指摘した。
 
そのうえで「カンガルーケア」という名称が母親などに誤った安全な印象を与えているとして、「早期母子接触」と呼ぶと決めたことを明らかにした。
そして、関係する全国の医療機関に対して、
ケアを行う際の注意点として、
赤ちゃんに呼吸の状態を確認するモニターをつけるなどして、急変に備えた体制を取ることや、
効果と危険性について母親などに説明し同意を得たうえで行うよう呼びかけた。
 
<コメント>
カンガルーケアの呼称を変えてもカンガルーケアに妄信的な産科医や助産師がいる以上、こうした医者らに対して義務化などの一定の制約を設ける必要がある。
 長崎の死亡事件では、まさか自分の産科医院でこうしたことが起こるとは思いもしなかったと医者が認めている。こうしたことから、看護師もカンガルーケアを行っている母子に注意点なども話さず、母子を放置して別の場所へ移動していて、赤ちゃんの容態が急変しての事件であった。産後フラフラになっている母親に、過度の要求はすべきではない。
 
カンガルーケアを母親に勧誘する場合は、効果と危険性について母親などに説明し同意を得たうえで行うことを義務化し、赤ちゃんに呼吸の状態を確認するモニターをつけるなどの管理体制を義務化させる必要がある。また、いつでも赤ちゃんの容態をチェックできるように近くに看護師がいることが必要だ(モニターに頼りすぎれば、モニター室(控室)を離れた場合に対応が遅れる。看護師がいっぱいいる大病院ばかりではない)。
 
そうでもしなければ、長崎での事件はどこの産科でも発生する可能性を秘めている。名称を変えても問題は何一つ解決するものではない。
頭でっかちのこうした学会は、こうした対策もあまりに遅きに失しているといえよう。
 
カンガルーケアの危険性
問題の根源はユニセフ10ヶ条
(WHOとユニセフが1991年に共同宣言)
Ten steps to successful breast-feeding
1.母乳育児推進の方針を文章にして、全ての医療関係職員に通知し、いつでも確認できるようにしましょう。
Have a written breast-feeding policy that is routinely communicated to all health care staff.
 
2.この方針を実施する上で必要な知識と技術を全ての関係職員に指導しましょう。
Train all health care staff in skills necessary to implement this policy.
 
3.全ての妊婦に母乳で育てるその方法を教えましょう。
Inform all pregnant women about the benefits and management of breast-feeding.
 
4分娩30分以内に、赤ちゃんに母乳をあげられるようにしましょう。
Help mothers initiate breast-feeding within a half-hour of birth.
 
5.母乳の飲ませ方をお母さんに実地に教えましょう。また、もしお母さんから赤ちゃんを離して収容しなければならない場合にも、お母さんに母乳分泌の維持方法を教えましょう。
Show mothers how to breast-feed, and how to maintain lactation even if they should be separated from their infants.
 
6医学的に必要でない限り、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう。
Give newborn infants no food or drink other than breast milk, unless medically indicated.
 
7.お母さんと赤ちゃんが一緒にいられるように、終日母子同室を実施しましょう。
Practise rooming-in-allow mothers and infants to remain together - 24 hours a day.
 
8.赤ちゃんが欲しがるときはいつでもお母さんが母乳を飲ませてあげられるようにしましょう。
Encourage breast-feeding on demand
 
9.母乳で育てている赤ちゃんに、ゴムの乳首やおしやぶりを与えないようにしましょう。
Give no artificial teats or pacifiers (also called dummies or soothers) to breast-feeding infants.
 
10.母乳で育てているお母さんのための支援グループ作りを助け、お母さんが退院するときにそれらのグループを紹介しましょう。
Foster the establishment of breast-feeding support groups and refer mothers to them on discharge from the hospital or clinic.
 
福岡の久保田医師は、第4条と6条について問題を指摘している。
日本ではこの20年、発達障害が驚異的に増加。発達障害は遺伝性疾患と考えられているためか周産期側からの調査研究は全く行われていない。
 
発達障害の原因解明において注目すべき点は、厚労省がWHO/UNICEFユニセフの「母乳育児を成功させるための10カ条」を後援し始めて2~3年後から発達障害が急激に増加している事である。その増加傾向は、米国でも同様である。
 
第4条(カンガルーケア)と第6条(完全母乳)の保育管理の中に潜む何かが発達障害の急激な増加に関連している可能性があると考えられる。
 
寒い分娩室で臍帯が切断され栄養摂取が未だ出来ない赤ちゃんにとって、最も注意すべき点は、カンガルーケアをいかに早く長時間するかではなく、出生直後からの体温下降をいかに防ぎ、いかに早く児を恒温状態に安定させるかが新生児管理の基本である
何故ならば、生命維持の安全を司る人間の自律神経は恒温状態でしか本来の機能を発揮する事が出来ないからであるとしている。
 
[ 2012年10月18日 ]
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