鹿島／北海道新幹線津軽蓬田トンネル ＳＥＮＳ工法で地上到達に成功
鹿島は、国内で２例目となる「ＳＥＮＳ（センス）工法」を鉄道・運輸機構発注の北海道新幹線・津軽蓬田トンネルで工事を進めてきたが、２０１２年１０月、ＳＥＮＳ工法では初めての地上到達に成功した。
津軽蓬田トンネルは全長６，１９０ｍ、シールド外径１１．３ｍの大断面トンネルで、２００９年１１月から掘進を開始し、３５ヶ月の掘進で到達した。そして、ＳＥＮＳ工法では日本初となる地上発進・地上到達を成功させた。
＜ＳＥＮＳ工法とは＞
ＳＥＮＳ工法とは、シールド工法の安定性と施工性、ＮＡＴＭ工法の経済性を併せ持っ工法。密閉型のシールドマシンにより切羽の安定性を図りながら掘進を進め、並行してマシンのテール部で一次覆工となる場所打ちコンクリートを打設、一次支保材として地山を保持しながらトンネルを構築する。一次覆工の安定を計測により確認したのち、ＮＡＴＭ工法と同様に、漏水処理工と二次覆工を施工してトンネルを完成させる。
ＳＥＮＳ工法とは、シールド工法の安定性と施工性、ＮＡＴＭ工法の経済性を併せ持っ工法。密閉型のシールドマシンにより切羽の安定性を図りながら掘進を進め、並行してマシンのテール部で一次覆工となる場所打ちコンクリートを打設、一次支保材として地山を保持しながらトンネルを構築する。一次覆工の安定を計測により確認したのち、ＮＡＴＭ工法と同様に、漏水処理工と二次覆工を施工してトンネルを完成させる。
シールド工法と比較して、セグメントが不要となるためコストを低減することができるが、場所打ちコンクリートにて一次覆工を行うため、高度な施工管理が要求される。工期的にはＮＡＴＭ工法の倍以上のスピードで施工することができ、本工事では６，０００ｍ以上のトンネルを約３５ヶ月というスピードで掘進を行うことができた。推進機構や内型枠の改善を行い、最大では３６７．５ｍの速度で掘進した月度もあった。
＜国内初となる大断面シールドマシンの地上発進・地上到達＞
同トンネル工事では、大断面シールドマシンとして国内初となる小土被り（５ｍ、掘削外径比０．４Ｄ）の地上到達を行った。
同トンネル工事では、大断面シールドマシンとして国内初となる小土被り（５ｍ、掘削外径比０．４Ｄ）の地上到達を行った。
地上到達工法は、立坑や開削などに必要とされる施工ヤードを最小限におさえることができるほか、工期短縮、コストダウンが可能な一方、シールドマシンを安定させる拘束力（外荷重や地盤反力）が小さいため、小土被り区間での姿勢制御や地盤変状抑制といった課題を検証・解決する必要があった。
今回の工事では、コンクリート盛土と仮設の押え盛土、背面地山に対するロックボルト引き抜き抵抗力により、マシンの安定性を確保した。地上到達の際は小土被りとなるため、地表面の測定を２０箇所以上に亘って常時計測し、地表面の隆起・沈下などの変位を高精度に制御して、無事に地上到達を成功させた。
＜今後の展開＞
津軽蓬田トンネルでは、土被り90mに及ぶ大深度施工や、土被り5mでの河川横断など多様な条件下での施工を行った。常に土被りと地下水位が変化する中で、コンクリートの品質や切羽の安定性を常に高精度に管理する必要があった。また、通常のシールド工法における掘進推力に、ＳＥＮＳ工法ではコンクリート打設圧力が加わる事で、掘進時のバランス管理や地山への影響低減の難しさが増す。小土被りとなった発進時や到達時が特にその管理が厳しくなるが、的確な管理手法により今回無事に到達することが出来た。
今回、SENS工法で国内初となる地上発進と地上到達を成功させたことで得られた知見を基に、SENS工法の確立を進めると共に、都市部への大規模トンネル工事や地盤の悪い山岳トンネル工事などへ、地上発進・地上到達工法を適用できるように更に技術開発に取り組んでいく方針であるとしている。
＜工事概要＞
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工事名
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北海道新幹線津軽蓬田トンネル他1・他2工事
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工事場所
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新幹線新青森駅と奥津軽駅の間の津軽蓬田地区
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発注者
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鉄道建設・運輸施設整備支援機構青森新幹線建設局
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設計者
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鉄道建設・運輸施設整備支援機構青森新幹線建設局
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工期
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2008年2月～2014年9月（80ヶ月）
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施工者
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鹿島・鉄建・梅林・田中組特定建設工事共同企業体
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工事概要
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シールド外径11.3m、延長6,190m
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地上到達したシールドマシン
[ 2012年11月 7日 ]
モバイル向けＵＲＬ http://n-seikei.jp/mobile/
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