アイコン 中国がEU太陽光発電製品の政府補助金をWTO提訴

中国政府は6日、EU=ヨーロッパ連合の加盟各国が太陽光発電に関連する製品を対象に補助金を支給し、輸入品に対する競争力を不当に高めているとして、WTO=世界貿易機関に提訴した。
中国政府は、EU加盟各国で生産される太陽光発電設備の主要部品などを対象に、WTOのルールに反して政府から補助金が支給されて輸入品に対する競争力が不当に高められているとしている。
その結果、中国は、製品の輸出が深刻な打撃を受け、正当な利益が損ねられているとして、5日、WTOに提訴した。

太陽光発電を巡っては、EU側が本年9月、中国製の太陽光パネルについて、価格を不当に引き下げて輸出したダンピングの疑いがあるとして調査に乗り出したことを明らかにしており、今回の中国側の措置は、これに対抗したものだという見方も出ている。
中国は、これまで安い労働力を武器に製品を組み立てて輸出し、成長を続けてきたが、最近では人件費が高騰するなか、より付加価値の高い製品の輸出を拡大することで収益を確保しようという企業が増えており、太陽光発電をはじめとするハイテク分野での経済摩擦が今後更に激しくなることも予想されている。

中国はリーマン・ショック前後から、膨大な資金を供給して、豪州太陽光発電事業会社を買収するなどして、生産設備を巨大化させ、太陽光発電製品の製造を行ってきた。低価格を武器に世界市場へ輸出、瞬く間に市場を支配した。それまで生産上位を占めていた欧米日の企業は、大幅にランクを落としたり、破綻したり、殆どの太陽光発電関係企業は、窮地に立たされている。

その背景には、リーマン・ショツクで不況に陥り、その後も暫く続けられた太陽光発電設置に関わる先進各国政府の補助金も財政負担から打ち切られ、急速に世界市場が縮小、中国製品の大量乱造により完全に生産過多状態となっている。中国の太陽光発電の普及率は低く、製品の殆どが欧米日諸国への輸出に回されてきていた。
生産設備過剰状態となった中国の太陽光発電製品生産会社は、その主力を太陽光発電製品にしているため、他の事業への転換もないまま、売れずに経営が窮地に追い込まれ、中国政府へ泣きついているのが現状である。

需給バランスを考えず、倒産(国家管理になるだけ)を屁とも思わず、製品を作り続けるならば、世界市場はありとあらゆるものが、中国製品に取って代わるものとなる。中国の生産コストが上がったとしても、内陸部や若年者の雇用により、価格競争力はまだまだ類を見ない。
 

2010太陽光発電セル製造ランキング

1

Suntech

中国

6.60%

2

Ja Solar

中国

6.10%

3

First Solar

米国

5.90%

4

英利(Yingli)

中国

4.70%

5

Trina Solar

中国

4.70%

6

Qセルズ(倒産)

ドイツ

3.90%

7

Gintech

台湾

3.30%

8

シャープ

日本

3.10%

9

Motech

台湾

3.00%

10

京セラ

日本

2.70%

 

 

 

44.00%

 

[ 2012年11月 7日 ]
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