アイコン 韓国原発の現状 冬迎え電力危機的状況「韓国の原発一覧表」付 ブラックアウト

韓国当局は11月9日、霊光原子力発電所3号機(全羅南道)の制御棒用導管に微細なひびが見つかったと明らかにした。当局によると、3日午後5時ごろ、3号 機の計画整備作業中に導管84本のうち6本でひびが発見された。ただ、穴が開いた訳ではないため外部への漏出はなく、安全性に問題はないという。ひとまず 導管の補強のため溶接をした後、全導管の交換を検討する方針。

定検中の3号機の整備は、11月23日まで予定されていたが、ひびが見つかったことにより延長される見通し。
 
<揺らぐ信頼性・・・部品品質証明書偽造>
1、霊光原発では11月5日、部品供給業者による品質保証書偽造が発覚し、5・6号機の運転が停止されたばかりである。3・5・6号機の停止で300万KWhが減じることになる。当偽造問題は、原発部品納入業者8社が、2003年から今年にかけ、外国機関発行の品質保証書を偽造し、偽造され納入された部品は、ヒューズやスイッチなどの消耗品の237品目・7,682個の部品。このうち136品目・5,233個が実際に原発に使用され、主に霊光原発5・6号機に納入されていたため、当原発を停止して部品交換にあたっている。
霊光原発5号機では、10月2日午前10時45分ごろ、蒸気発電機の水位低下が起こり発電を停止していた。同5号機は2002年5月の商業運転開始後17回の事故を起こしていた。
 
2、新古里原発1号機(釜山市機張郡)も10月2日、制御系統の故障のため発電を停止した。新古里原発1号機は、韓国初の改良型の韓国標準型原発で、2011年2月28日に商業運転を開始したばかりであった。
 
3、月城原発1号機(設備容量67万9千キロワット)(慶尚北道)も10月29日、故障で発電を止めている。
 
4、蔚珍4号機は9月、定検中、蒸気発生器の欠陥が見つかり修理し、10月末再稼動させている。
 
5、古里1号機は既に定年を迎え稼動継続させたものの本年3月停止した。夏場の電力不足が懸念され再度稼動させる意向である。(その後の状態不知)
 
6、月城1号機(1983年稼動)は、11月20日で設計寿命が終わり、再稼動するためには、原子力安全委員会の承認が必要。
 
7、蔚珍6号機と古里3号機は定検中、当局の承認を受けて11月再稼動する予定。
 
<夏場の電力状況と冬場のブラックアウト危機>
韓国電力当局が需給安定のために目標値とする予備電力は500万キロワット以上。非常措置に入るのは400万キロワット以下。しかし本年6月には8日間、予備電力が500万キロワットを下回った。7日には344万キロワットまで落ち、初めて非常段階である「関心」段階が発令されたりしていた。
暖房で需要増がピークとなる冬場を迎え、電力当局は、相次ぐ原発停止に電力危機を不安を募らせている。
 
<それ以前の原発事故>判明分のみ
1、2011年12月14日、古里原発3号機が、タービン発電機に過電圧がかかり、発電機を保護するための保護リレーが作動し、突然停止した。タービンバルブ作動器の部品のマニフォールドを交換した際、新規製品の代わりにA社の中古品を使用しているという情報が寄せられていた。
 
2、2011年12月13日、蔚珍1号機が、蒸気を冷却して水に変換させる復水器で異常が発生し、稼動を停止した。
 
<韓国当局の見解>
韓国の原発の故障は判明分だけでも2001~2010年に91件発生。数万個の部品が使われる特性上仕方のない部分があるというのが当局の見解。
 
<原発輸出促進>
韓国は自国開発の原発を輸出の重要項目に掲げ、一部成約に至ったものの、大元のメーカーから技術のパクリを主張され、輸出が現在頓挫状態にある。
 
<北朝鮮問題>
 分散していない韓国の原発へ北朝鮮がミサイルを撃ち込めば、韓国経済は殆ど終わる危険性を孕み、万が一のトップ同士の意思疎通と最低限でも友好外交が必要。
 
韓国の原子力発電所
原子炉
種類
発電容量(MWe)
稼働開始(予定)年
古里5機+2機=7機+計画3機 対馬海峡北部
古里1号機
加圧水型原子炉
587
1978
古里2号機
加圧水型原子炉
650
1983
古里3号機
加圧水型原子炉
950
1985
古里4号機
加圧水型原子炉
950
1986
新古里1号機
OPR-1000
1,000
2011
新古里2号機
OPR-1000
1,000
2011 (試験運転中)
新古里3号機
APR-1400
1,400
2013 (試験運転中)
月城4機+2機=6機   古里北東100キロ竹島寄り
月城1号機
CANDU
679
1983
月城2号機
CANDU
700
1997
月城3号機
CANDU炉U
700
1998
月城4号機
CANDU
700
1999
新月城1号機
OPR-1000
1,000
2012 (試験運転中)
新月城2号機
OPR-1000
1,000
2013 (試験運転中)
霊光6機  朝鮮半島南部黄海側
霊光1号機
加圧水型原子炉
950
1986
霊光2号機
加圧水型原子炉
950
1987
霊光3号機
System 80
1,000
1995
霊光4号機
System 80
1,000
1996
霊光5号機
韓国標準型原子炉
1,000
2002
霊光6号機
韓国標準型原子炉
1,000
2002
蔚珍6機 +計画4機  朝鮮半島中部日本海側
蔚珍1号機
加圧水型原子炉
950
1988
蔚珍2号機
加圧水型原子炉
950
1989
蔚珍3号機
韓国標準型原子炉
1,000
1998
蔚珍4号機
韓国標準型原子炉
1,000
1999
蔚珍5号機
韓国標準型原子炉
1,000
2004
蔚珍6号機
韓国標準型原子炉
1,000
2005
新蔚珍1号機
APR-1400
1,400
2015 (計画)
新蔚珍2号機
APR-1400
1,400
2016 (計画)
新蔚珍3号機
APR-1400
1,400
2020 (計画)
新蔚珍4号機
APR-1400
1,400
2021 (計画)
新古里4号機
APR-1400
1,400
2014 (建設中)
新古里5号機
APR-1400
1,400
2018 (計画)
新古里6号機
APR-1400
1,400
2019 (計画)
 
 
 
 
稼動中発電容量
21機
18,716
定検や故障停止含
試験運転中
4機
4,400
 
建設中+計画
7機
9,800
 
・稼動原子炉:総電力消費量の45%を賄う。稼働率93.4%。最近問題多発。
 
[ 2012年11月12日 ]
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