【再掲】サクラダ/大丈夫か???継続企業の前提に関する重要事象あり
-- これは2011年2月24日の記事を再掲載したものです。--
サクラダ/大丈夫か???継続企業の前提に関する重要事象あり (2011/2/24)
橋梁工事の名門であったサクラダは、広島の事故以来、その精彩は全くなくなり、その後疑惑のデパート森電機から支援を受け、投資事業へ走るなど、更に信用を低下させた。
筆 頭株主であった肝心の川岸工業は、同社の27.10%の株を所有していたが、サクラダはクオンツで馴染みの朝生隆一氏関係社を引受先として増資、株の水増 し状態を作り上げ(増資株は市場で既に売却)、川岸工業の株数は14,508千株のままでありながら、持株比率は8.37%まで下落している。これでは川 岸工業の支援の期待は望まれようもなく、自立した再建しかなくなっている。
営業は、減少続ける官庁依存型で苦戦、12月の第3四半期で債務超過に陥り、監査法人から継続企業の前提に関する重要事象があると表明されたままとなっていた。
その対策として同社は、3月31日を譲渡日に本社工場を売却すると発表、27億60百万円の売却益を計上して、債務超過を消し込む予定である。
会社遺産である本社工場を売却するとは・・・、当然金融機関に対して担保提供しており、財務内容は格段に改善されるが、キャッシュフローベースの改善を見ることはない。今後の業績次第では非常に厳しいものとなってくることが予想される。
<継続企業の前提に関する重要事象等の概要>
同社は、当第3四半期累計期間においても、完成工事高の減少により、8億17百万円の営業損失、9億38百万円の経常損失および17億4百万円の四半期純損失を計上し、1億3百万円の債務超過となっている。
当状況により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。土同社はこれらの状況を打開するため、入札結果の徹底した分析と、第3四半期までに技
術 提案部門の組織強化を行った。さらに直近では営業部門の組織体制の見直しを図り、全社総力を挙げて受注活動に取り組んでいる。これらの対策の結果、第4四 半期に入札が予定されている大型工事の、総合評価方式における技術評価点は、着実に向上している。今後も営業・技術提案部署を中心に全社員の英知を結集 し、第4四半期中の受注獲得に向けて邁進する。
これに加え財務基盤の強化策として、平成22年12月15日付け「固定資産の譲渡及び特別利益の計 上に関するお知らせ」のとおり、市川本社工場の譲渡契約に伴い、当期末に予定しております所有権移転手続きの完了による譲渡益の計上等により、第4四半期 中に債務超過は解消される見込みである。また、譲渡代金の中から借入金の返済に充当することにより、当社が抱える多額の有利子負債を大幅に圧縮することが でき、財務体質の改善を図ることが可能となる。さらに、工場譲渡後の移転先としては、千葉県内を候補地として具体的に検討を進めており、移転先に同社が保 有する八街置場の機能を集約し生産の効率化を実現することにより、より一層のコスト削減に資するものと期待している。
しかしながら、受注獲得に向けた諸施策の効果として技術評価点の向上している工事は、第4四半期以降に開札を迎えることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。
同社としては、当該不確実性を出来るだけ速やかに払拭できるよう全社を挙げて鋭意努力するとしている。
<譲渡資産の内容>
市川本社工場:千葉県市川市二俣新町21 番地
土地 62,225.33 ㎡(公簿面積、18,823.19坪)、建物 23,475.44 ㎡(延床面積)
岸壁設備 519.113 ㎡、7,390 4,630 2,760
購入先:㈱ナベカヰ(東京都江東区亀戸2丁目、解体業大手)
譲渡価格:73億90百万円
帳簿価格:46億30百万円
売却益 : 27億60百万円
連結/百万円
|
売上高
|
営業利益
|
経常利益
|
当期利益
|
10年3月期第3四半期
|
7,510
|
324
|
211
|
88
|
11年3月期第3四半期
|
4,378
|
-817
|
-938
|
-1,704
|
前第3四半期比
|
58.3%
|
|
|
|
11年3月期通期予想
|
6,110
|
-1,030
|
-1,220
|
1,360
|
10年3月期実績
|
10,910
|
529
|
374
|
198
|
09年3月期実績(連)
|
9,970
|
310
|
80
|
-1,330
|
08年3月期実績(連)
|
8,767
|
192
|
-56
|
-2,023
|
通期予想/前期比
|
56.0%
|
|
|
|
11年3月期第3四半期
|
総資産
|
純資産
|
自己資本
|
自己資本率
|
|
11,004
|
-103
|
-103
|
-0.9%
|
(平成22年3月31日現在)
|
||
氏名又は名称
|
所有株式数
|
持株率
|
川岸工業株式会社
|
14,508
|
8.37
|
日本証券金融株式会社
|
3,010
|
1.73
|
サクラダ取引先持株会
|
2,918
|
1.68
|
株式会社みずほ銀行
|
1,440
|
0.83
|
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口4)
|
1,243
|
0.71
|
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口6)
|
1,158
|
0.66
|
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口3)
|
1,155
|
0.66
|
丹羽 勝久
|
1,041
|
0.6
|
中尾 江里
|
1,026
|
0.59
|
表原 弘
|
1,002
|
0.57
|
計
|
28,501
|
16.46
|
(株)サクラダ/破産開始決定
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
コメント