アイコン 九州の老朽化トンネル数410本、全体946本(市町村管理除)

九州の沖縄県と市町村を除くトンネル管理数は946本あり、30年以上経過した老朽化トンネルは410本に上ることが報道により判明した。43.3%が老朽化している。
天井崩壊死亡事故を起こした笹子トンネルのような天井式トンネルは国道2号の関門トンネル、九州道の加久藤トンネル、同じく九州道の肥後トンネルの3本で、既に緊急検査体制に入っている。

 
<新幹線トンネル剥離事故>
1、平成11627日、山陽新幹線の福岡トンネル(福岡県久山町、全長:約8.5k)で発生した覆工コンクリート推定200㎏の剥離事故
 
2、平成11109日、北九州市八幡東区のJR山陽新幹線小倉博多間の北九州トンネル(全長:11.7k)内で、コンクリートの塊五個(重さ計約226㎏)が落ちているのが、始業前の点検で見つかった。調査の結果、コンクリート壁の一部が崩落したものだった。
 
3、平成11年8月、JR西日本が「山陽新幹線トンネル内で鉄筋を腐食させるコンクリート塩分が基準値の10倍以上」、「山陽新幹線の高架橋で、93パーセントの鉄筋で腐食が進んでいる」、「山陽新幹線の高架橋や橋りょう、トンネル外壁の計25ヶ所で、内部亀裂が発生している」と発表した。
 
4、平成11108日、群馬県の北陸新幹線一ノ瀬トンネルで、コンクリート塊(重さ約200グラム)が落下した。
 
こうした新幹線のトンネルでも明らかなようにトンネルは決して安全ではなく、老朽化すればするほど、内部に入っている鉄筋の腐食やコンクリの劣化が進行し、大掛かりな改修工事も必要になってくる。
神戸大地震での高速道の崩壊や福岡都市高速でも、粗雑工事により橋脚に箒やゴミなどが埋め込まれていたことが発覚している。粗雑工事はコンクリで密閉すれば、問題が生じない限り発覚もしないが、老朽化はトンネルの安全の劣化を意味し、全体の検査や改修工事が必要になってくる。
特に高度成長期に建設されたトンネルでは、上記3のように、よく塩分を落としていない海砂が使用され、コンクリの劣化進行を早めたり、内部の鉄筋を腐食させ、腐食時に膨張してコンクリにヒビが入り、危険なトンネルになっている可能性がある。
新幹線の北九州トンネルや福岡トンネルで200kgのコンクリの塊が落下した事故、もしも道路のトンネルで、通行中の車両に直撃したら一たまりもない。
 
今回の大惨事の笹子トンネルでは、ボルトを接着剤で固定していたというが、接着剤もトンネルが完成して37年も経過しており、劣化していたものと考えられる。もしもコンクリの塩分濃度が基準より、かなり高かったら、化学反応を起こして劣化したとも考えられる。早急にトンネルの状態を調べる必要がある。
ネクスコ中部では天井型トンネルで、笹子トンネルだけ打音検査をしていなかったと報じられている。事故が発生する場合は、こうした手抜きにより生じることがよくある。
 
九州のトンネル管理者別トンネル数
管理者
トンネル数
30年以上経過トンネル数
大幅改修工事計画
国管理
108
53
なし
福岡県
31
20
なし
福岡市
4
1
なし
北九州市
44
10
策定中
佐賀県
15
5
なし
長崎県
127
39
策定中
熊本県
153
66
なし
熊本市
1
0
なし
大分県
250
144
なし
宮崎県
124
50
なし
鹿児島県
89
22
なし
合計
946
410
 
 
[ 2012年12月 5日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサード リンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索