アイコン 大惨事の笹子トンネル12年前から打音検査せず 仙岩トンネル5年に一度実施

9名が死亡し大惨事となった山梨県の中央自動車道笹子トンネル の天井板崩落事故で、中日本高速道路が、天井板をつり下げていた金具をトンネル最上部で固定するアンカーボルトについて、ハンマーでたたいて劣化を調べる 「打音検査」は2000年を最後に行っていなかったことが5日分かった。
同事故ではアンカーボルトが抜け落ちており、ボルトの固定用の接着剤が劣化していた可能性もある。また、一部金属(ボルト)の腐食も見られるものもあるという。

<同年完成の仙岩トンネルの2007年検査で165枚ヒビで取替え>

一方、笹子トンネルと同じ年に完成した仙北市と岩手県の境にある「仙岩トンネル」は、5年に1度作業員がつり天井の上にあがって点検を行っているが、前回・平成19年の点検では天井板165枚でひび割れなどの不具合が見つかり翌年、新しいものに交換したという。
その仙岩トンネルも今回、緊急点検が行われている。仙岩トンネルは、国道46号線の仙北市と岩手県雫石町の境にあるトンネル。仙岩トンネルは1975年(昭和50年)に完成した全長2,544メートル、上下あわせて2車線のトンネルでコンクリート製の天井板約1万3,000枚がトンネルの上部から金具でつり下げられている。
4日は作業員6人がつり天井の上にあがって、板をつり下げている金具をハンマーでたたいて異常がないか確認したり、天井に打ち込んでいるボルトがゆるんでいないか手で触って点検している。緊急点検は今月7日の朝まで行われる予定。

<笹子トンネル>
笹子トンネルは、1975年(昭和50年)完成、昭和52年12月20日供用開始。中央自動車道の山梨県大月市の大月JCTと同県甲州市の勝沼IC間にあるトンネル。全長:下り4,717m、上り4,784m(上下線ともに2車線)、尚、トンネル内の換気は横流換気方式という近年ではあまり見られていない方式で、排気ガスが充満しないよう勾配は2度以内とされる。
 
2000年に行われたとする打音検査において、仙岩トンネルのように天井板などのヒビなど発覚していたのであろうか。安全神話に基づき、なおざりな打音検査しかしていなかった可能性もある。当時、仙岩トンネルのように笹子トンネルでも天井板のヒビが発覚していれば、その後、5年に一度必ず、打音検査していたはずであるが・・・。

仙岩トンネルで5年に1回、必ず打音検査が実施されているのに、どうして、笹子トンネルは2000年以降12年間も打音検査が行われていないのだろうか。
国交省は、建設するときは、建設基準法により品質管理基準には煩いが、完成すれば関係ないとしているところに今回の大惨事の問題が潜んでいるといえる。
行政や役所は、法律や条例でしか動かず、老朽化構築物において、行政が動くには法制化が必要となる。国は、利益を追い求める株式会社などの所有者・管理者に法律に基づき強制的に定期検査を実行させない限り、同じような大惨事が必ずまた起きる。
今回の大惨事は、老朽化トンネルに対して、法制化や安全指針を講じらなかった国交省=国にも問題があると思われる。

大惨事の原因で考えられるもの
1、 ボルトの金属疲労
2、 ボルトを固定した接着剤の劣化(37年前の接着剤と現在の接着剤ではその品質・耐久性につき雲泥の差がある)
3、 接着剤の劣化はコンクリに含む塩分等に反応して劣化が進んだ可能性もある。
4、 地震や何らかの原因で生じた天井板のヒビが通行車両の空気圧で拡大、今回それが割れ、連結しているほかの天井板も支えきれず、連鎖的に130メートルの大崩落となった。
5、 他の天井板が連結で支えきれないほどの劣化が、他の天井板の固定トメ金具でも同時進行的に生じていた。

[ 2012年12月 6日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサード リンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索