アイコン 北陸銀行に業務改善命令/北陸財務局

本年7月17日、米国議会において、HSBC銀行のマネーロンダリングの疑いに、北陸銀行が関係銀行として名指しされていた。
北陸財務局は12月7日、北陸銀行に対して、業務改善命令を発した。
同行では、業務改善命令の第一項目に、デリバティブを始めとする金融商品の販売等に係る業務運営の適切性を確保するため、経営管理態勢、内部管理態勢及び法令等遵守態勢の充実・強化を図ると記載している。

しかし、マネーロンダリングに利用されたとされるTC(トラベラーズチェック)は、デリバティブ取引でもなんでもない。
ということで、今回の業務改善命令は、同行で、デリバティブ取引につき問題があったようで、10月1日から12月末日までの3ヶ月間、一部の為替デリバティブ取引について新規取扱を一時的に中止しているとするとしている。
 総額約3億ドルに及ぶマネーロンダリングのTC疑惑については、今回は不問に附されているようだ。しかし、グローバルな金融の世界において、米国議会でも問題となっている事案であり、このまま放置することもできまい。

<マネーロンダリングに関する記事と報道>
JC-NETでは2012年7月18日記事で、英金融大手HSBCは17日、米議会上院小委員会の公聴会に出席し、犯罪組織のマネーロンダリング(資金洗浄)に対して十分な措置を取ってこなかったと答弁して陳謝した。
HSBCは、
過去メキシコ支店が、米国での違法薬物売上金も含まれる70億ドルを送金。
2支店が7年間、イラン関連取引を2万5000件実施。
4年近くにわたり、明らかに疑わしい米ドル建て旅行者用小切手2億9000万ドル以上を北陸銀行向けに決済。ロシア人の中古車ビジネスに絡む犯罪を後押し。
などの問題点が挙げられている。

<他の関連ネット記事>
 米上院の国土安全保障・政府問題委員会の常設調査委員会が17日まとめた報告書で、英大手銀行HSBCが国際的なマネーロンダリング(資金洗浄)に関与した舞台裏が生々しくあぶり出された。同行のテロや麻薬取引への関与が濃厚になり、関係先はメキシコや中東の現地法人に加えて日本の北陸銀行にも及んでいる。

 HSBCに持ち込まれていた大量のTCは、ロシア系企業が北陸銀に持ち込んだ後、米国HSBCの手元に送られてきた。総額は11万ドル(約870万円)相当と多額。200枚を超える連番、署名は乱雑で判読不能。不審に思った調査委は追及を進めた。

北陸銀に入れるTCが、1日50万ドル超と異常な水準になることも珍しくない。「トカレンコ」という名の謎の中心人物も浮かんだ。

トカレンコ氏は、ロシアの銀行が発行したTCを日本の地銀に入れて「洗浄」した現金をロシアに還流させたのか。誰でも銀行窓口で購入でき、追跡が難しいTCは、洗浄に悪用されやすい。ロシアをテロ資金の温床とみる調査委は「(危険信号の)赤旗」を振った。
 調査委の情報開示の要請は、HSBCの東京支店を通じて北陸銀に伝えられた。
だが、北陸銀は顧客情報秘匿のため、TCの顧客が中古車販売に関わる業者であるといった部分的な情報しか伝えてこない。

 業を煮やした調査委は、北陸銀に直接接触したが納得のゆく回答はない。「なぜロシアでの中古車事業にドルを用い、北陸銀の情報がこうも乏しいのか」(調査委)、HSBCの協力姿勢も煮え切らない。「日本の狭い地域金融界での悪評がたつ」。
調査委は、HSBC担当者の言葉を引き合いに、なれ合いともとれるHSBCの態度に疑問を投げかける。

 報告書は、北陸銀の資金洗浄への関与や作為について慎重に判断を留保しつつも、対策の不備や情報開示に強い批判をにじませている。北陸銀が処理したTCは、総額3億ドル(約246億円/82円換算)と巨額で疑念がつきまとう。

米上院にとってHSBCの案件がより深刻だったのは、麻薬取引とイランなど中東テロ活動への関与疑惑が濃厚なこと。HSBCのメキシコ現法(HBMX)は07~08年の2年間に70億ドルを米国HSBCに送金していた。
調査委は、同国での麻薬取引や犯罪、資金洗浄の可能性が高いことを踏まえ、犯罪組織がHBMXを使って、ドルを米本土に移す「洗浄」をしていたのではないかと指摘。
 中東を巡っても調査委は、HSBCとサウジアラビアの最大手銀行アルラジとの緊密な関係を問題視している。
報告書は、同行の所有者の何人かは国際テロ組織アルカイダとのつながりを指摘した。
 強力な調査権限を持つ米上院は、今回の報告書でこれらのほかにも広範な関与事例を公表している。米からみればHSBCは、資金洗浄のための世界的なドル供給のハブ(中継拠点)ともいえる構図が浮かぶ。米議会の「虎の尾」を踏んだ格好となった。と報じられていた。

[ 2012年12月10日 ]
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