アイコン 愛知県警 暴力団対策警部に対する脅迫電話事件 かけた人物らを逮捕

愛知県警による全国規模の一連の個人情報漏えい逮捕事件の発火点となった2010年7~8月に起きた愛知県警暴力団対策課の捜査警部に対する脅迫電話事件。
それも警部の私用の携帯電話や自宅電話へ家族に対する脅迫電話がかけられたことから、愛知県警は携帯電話番号の情報漏えいのルート解明に総動員を掛け、これまで捜査してきた。

まず逮捕されたのが、当該警部の携帯電話番号の情報取得に利用された岡山市内にあったソフトバンク店の元店長と携帯電話番号を調べるように依頼した広島市の探偵業者であった。
その後、芋づる式に、現役警官や元警官の探偵、司法書士、ハローワーク職員、探偵調査会社役員、携帯電話各社の販売店の売り子(=販売員)などが次々に逮捕され、逮捕者は実に約30人に上っている。また、逮捕地域も関東・中部・近畿・中国・四国に及んでいる。

これまでに、携帯電話会社の販売店から当該の警察官の携帯・自宅電話番号が流出し、家族構成名などは東京の司法書士が職権で取得していたことが判明していた。
一連の捜査で、携帯や自宅の電話番号のほか、車両番号の所有者情報を元長野県警の探偵に依頼され情報提供していた長野県警の現役警察官や職業履歴情報等を横流ししていた横浜のハローワーク職員など、探偵や司法書士、携帯電話販売店員以外にも公務携わる人物たちも逮捕された。

<脅迫者逮捕>
1月5日、愛知県警捜査4課(全国の県警4課は通称暴力団対策課)などは、県警の警察官に脅迫電話をかけたとして、脅迫容疑で名古屋市昭和区福原町、風俗店グループの実質的経営者佐藤義徳容疑者(55)、世田谷区の無職の山口修容疑者(37)ら3人を逮捕した。佐藤容疑者ら2人は容疑を否認し、残る1人は認めているという。

逮捕容疑は2010年7~8月、名古屋市内や長野県内から県警組織犯罪対策課に所属する男性警部(48)の携帯電話や自宅に5回にわたり電話をかけ、娘の名前を挙げて「かわいくないの。どうなっても知らないよ」などと脅した疑いがもたれている。
愛知県警は、当時、風俗店が暴力団の資金源になっていると見て捜査を進めており、捜査妨害・阻止のためにこうした脅迫電話をかけたものと見ている。

<今後ほか>
携帯電話番号の漏洩要因の一つに、携帯電話の販売店を安易に増加させてきた携帯電話会社にある。岡山市の当該のソフトバンク店は東京の携帯電話販売代理店が出店した店舗、逮捕された店長さえ派遣社員であったという。低賃金の派遣社員、派遣ゆえに責任感が希薄にならざるを得ない。当然、携帯電話の情報漏えいに対価が付きもので1件5,000円とも1万円ともいわれ(末端価格は5万円~10万円)、その誘惑に負けてしまった結果であった。そうしたことがあってもソフトバンクは公式に何も発表しなかったが、ドコモ店員なども逮捕され、総務省から携帯の元締め3社はお叱りを受けている。
こうした愛知県警の全国規模における捜査は、山口組のドンを輩出している名古屋にあり、警察庁長官に就任していた愛知県出身の警察官のドン(当時の安藤長官)の山口組撲滅作戦に呼応した捜査の動きの中で生じたものであった。
今回の事件を踏まえ、警察トップが交代したものの引き継がれ、愛知県警は個人情報漏洩ルートの一網打尽をすべく、全国へ駒を進めたのであった。

今回の逮捕で、一連の捜査そのものを終了させるかは不明であるが、警察は県単位の管轄であり、縄張り意識も極端に強く、こうしたことから愛知県警としては、他県や検察との連携を除き県外の捜査は終了するものと思われる。

逮捕履歴情報、携帯・自宅電話番号情報、家族情報、車両所有者情報、職歴情報、保険加入情報、保険金支払情報、金融機関・消費者金融の借入情報など個人や会社に関する本来秘密にすべき情報が、今や官民問わず、お金でいとも簡単に取得できる世の中である。

愛知県警は今回、こうした業務に携わり情報漏えいする全国の者たちに対し、警鐘を鳴らしたものと思われる。また、リスクが上昇しこうした情報取得相場も当然高くなったと思われる。
 

[ 2013年1月 7日 ]
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