アイコン リチャードジノリ(イタリア)/破産

1735年創業のイタリアの老舗陶磁器メーカー「リチャードジノリ」が7日、裁判所の破産宣告を受け倒産した。多額の負債に加え、金融危機で経営が悪化。身売り交渉も進展しなかった。

ANSA通信によると、同社は昨年7月末に陶磁器の生産を停止。従業員325人の扱いは未定としている。
 リチャードジノリの陶磁器は独特のデザインで日本でも人気が高く、全額出資子会社「リチャードジノリ・アジアパシフィック」(東京)が輸入・販売を手掛けている米食器メーカーのレノックスグループが買収案を提示していたが、リチャードジノリ側が拒否したのか、裁判所が時間切れとしたのか破産が確定した。

<リチャードジノリ(RICHARD-GINORI)の歴史>
1735年にトスカーナ大公国のカルロ・ジノリ侯爵が自領であるドッチア(フィレンツェ県、セスト・フィオレンティーノの一部)に磁器窯を開き創業。当時マヨリカ陶器全盛のイタリアにおいて、マイセンやウィーン窯に対抗すべく、鉱物学に造詣が深かったジノリ侯爵は自ら原料土を捜したり、ペーストの生成や発色等の磁器の研究を行い、イタリア初の白磁を完成させた。開窯当初はマイセンのような豪華で精緻な芸術作品に力が注がれていた。
1896年、ミラノのリチャード製陶社と合併して、現在のリチャードジノリとなる。1956年、ラヴェーノのイタリア陶磁器会社と合併し、イタリア最大の陶磁器メーカーとなった。
ジノリ最古の代表作である「ベッキオホワイト」は不変の定番として親しまれている。また、1760年頃にトスカーナのとある貴族の為に造られた「イタリアンフルーツ」は現在でも新鮮さに満ちあふれ、不朽の名作として愛される。
また「オリエントエクスプレス」はオリエント急行の車内で使用されている食器で、ブルーの車体と同じ色のデザインに「VSOE」のエンブレムがアレンジされているなどしていた。
欧州もハゲタカ経済の沈没の後遺症が昨年から悪化し、取り分けイタリアはスサンな状況で、昨年11月は、全体では11.1%の失業率ながら、15歳~24歳の失業率は37.1%と20年前の統計開始以来最大となっている。
11月のユーロ圏の失業率は、一昨年11月の10.6%から悪化し続け、昨年11月の失業率は11.8%となっており、昨年7月から毎月0.1ポイントづつ悪化し続けている。
これでは、リチャードジノリの陶磁器の販売も一部の大金持ちに限られ、売上不振で破綻してしまったのだろう。

 

[ 2013年1月 9日 ]
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