アイコン 中国の大気汚染危機的状況 北京の半数以上PM2.5が10倍以上

中国大気汚染ここ数日、中国中東部の広い範囲が霧やもやに包まれ、深刻な大気汚染が続いている。中国環境観測総合ステーションにある全国都市大気汚染リアルタイム表示システムによ
ると、1月12日は、北京、河北、山東など各地で汚染が深刻なレベルに達しており、PM2.5の数値が過去最大値に迫っている。
  大気汚染の主な原因は、車の排ガスや工場の煙などから出る直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質「PM2.5」。 北京では12日、この物質の観測値が1立方メートル当たり75マイクログラム以下としている基準を市内全域で超え、半数の観測点で基準の10倍近くまで上 昇。900マイクログラムを突破したところもあったと報道されている。

広範囲にわたる霧やもやの天気は、道路や空の交通にも影響を及ぼしており、北京、天津、河北、河南、江西など各地の高速道路が一時通行止めとなっている。
 北京市では大気汚染に対する緊急汚染警報レベルをこれまでの最高イェローをオレンジにして発動した。また、対策として、
①石炭ボイラー、自動車排気ガス、工場など大気汚染の主要な発生源への検査頻度の強化②地面を掘り下げる土木工事の規模縮小
③建築取り壊し工事の一時停止
④道路清掃の回数増加
⑤主要な汚染物排出源における生産負荷の軽減および汚染除去施設の稼働率アップ、排出量の15%カットなど5項目の強制措置が含まれているという。

<中国企業に規制履行能力なし>
 成金饅頭となった中国人は米の大型RV車をこよなく愛し、またポルシェや米国の大型高級車が飛ぶように売れている。中国当局はこうした事態を想定していたのか、燃費や大量排ガスの大型RV車の購入を控えるよう国民に要請していたが、掛け声ばかりでは誰も聞く耳など持たない。
中国では、中小が乱立する鉄鋼及び加工場にしろ、レアアースの違法精練工場にしろ、工場汚染は付物。川も湖も変色したまま汚染物質だらけ、煤煙も汚染物質だらけである。
赤ちゃん用の粉ミルクの生産工場が量を増やすために安価なメラミン粉末(毒)を入れるお国柄であり、環境Gメンなどが取り締まっても、地元官僚と癒着した工場経営者が相手にしないのが現実だ。

中国の冬は特に偏西風が吹き、砂漠地帯の砂塵を巻き上げ、北京などを例年襲う。しかも経済成長とともに煤煙を上げる生産工場も増加、健康を害する硫黄酸化物などの浮遊物質も大量に伴い北京などを襲い続けている。

<日本では>
なお、日本では業界寄りの当時の自民党政権により、排ガス規制が欧米より大幅に遅れ、大気汚染に怒った石原都知事(当時)などが、条例でトラックの排ガス基準を設定、都心乗り入れを禁止したため、急速に東京都心でも空気が浄化された。また、東京大気汚染公害訴訟における和解において対策に言及されたことを受け、中央環境審議会において検討が進められた結果、全国一律、年平均値15μg/m³以下かつ1日平均値35μg/m³以下とする環境基準が2009年9月9日に定められた。しかし、首都高速近隣などではまだ問題を抱えているとされる。

中国での大気汚染は、オリンピック前に工場稼動をストップさせたり、車の乗り入れを大幅規制したため、オリンピック期間中は一時的に青空が広がった。しかし、それ以前もそれ以後もスモッグは恒例となっている。国が懸命に大気汚染抑制の装置の取り付けを呼び掛けても、守銭奴と化かした工場側が金のかかることなどするはずもなく、行政当局に対する賄賂により規制も行き届かないのが現実となっている。

[ 2013年1月14日 ]
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