この「コンクリート打重ね品質管理システム」を用いることにより、コンクリートの種類や配合、外気温などの現場固有の養生環境の変化に対応した、より適切な打重ね部の品質管理を行うことが可能になりました。
今後、コンクリート構造物の品質確保・向上を図るために、本システムを組み込んだ高機能のICTコンクリート打設管理システムを積極的に現場へ展開していく予定。

■システムの特長
（１）許容打重ね時間の予測
　様々な条件の下で、コンクリートの電気伝導率がピークを示す時間と、コールドジョイント発生限界の目安とされる貫入抵抗値を示す時間との関係を明らかにした。蓄積した電気伝導率の変化とコンクリート凝結の進行との関係のデータベースを基に、打設毎のコンクリートに対して許容打重ね時間を予測し、現場固有の様々な条件の下でもコールドジョイント等のコンクリート打重ね部の不具合の発生を、今までにない高い精度で未然に防ぐことが可能となった。
（２）コンクリートや現場養生環境の変化に対応
　打設したコンクリートに開発したセンサを挿入し、電気伝導率を連続して測定。コンクリート標準示方書等に示される許容時間による一義的な打重ね時間管理では反映することができなかった、コンクリートの種類や配合、外気温などの現場固有の養生環境の変化に対応して許容打重ね時間を予測することが可能となり、より適切な打重ね部の品質管理を可能とした。
※「コンクリート打重ね品質管理システム」は特許出願中。