アイコン セシウムを97.3%除去する新材料開発/信州大遠藤守信教授ら

信州大の遠藤守信教授らの研究グループは22日、遠藤教授が開発した「炭素繊維カーボンナノチューブ(CNT)」を使い、放射性セシウムを効果的に吸着する新材料を開発したと発表した。
新材料で3回ろ過すれば放射性セシウムの97・3%が除去できる計算という。
グループは、放射性セシウムを含む焼却灰の処理や汚染水の除染に活用できるとしている。北海道大のグループとの共同研究で開発した。

主導した信大の鶴岡秀志特任教授(専門分野:ナノカーボンの安全性と社会受容(ナノカーボン,安全性,社会受容,放射線,固体物理)によると、新材料の試作品は厚さ1.5センチ。直径1~10マイクロメートル(1マイクロメートルは千分の1ミリ)の筒状の珪藻土にセシウム吸着能力が高い粉末状の「フェロシアン化鉄」を詰め、筒の外側を微細なCNTの網で覆ってスポンジに練り込んだ。
福島県内のプールから採取した汚染水を使って新材料の効果を検証。一般的な吸着材の鉱物ゼオライトは吸着率10~30%だが、ビーカーに新材料の試作品を10分間漬けた場合、セシウムの約70%を吸着する効果が確認できたとした。

鶴岡特任教授によると、フェロシアン化鉄は除染への活用に期待が高いものの、微細粒子状のため、どう実用化に結び付けるかが課題だったという。
新材料による吸着のメカニズムなどは「解析中」(遠藤特別特任教授)としている。信大工学部で記者会見した遠藤特別特任教授は、新材料は水中に投入して回収できることから 「池の水などに含まれるセシウムを激減できる」と説明した。セシウムを吸着した新材料は加熱すれば大きさが1万分の1になる性質があり、セシウムを含む焼却灰を水に溶かして新材料でろ過すれば、増え続ける焼却灰の保管問題の解決にもつながるとした。

放射性物質の取り扱いに詳しい東京大学大学院工学系研究科の寺井隆幸教授(原子力工学)は 「吸着性が高いだけでなく、セシウムが溶け出さないよう固定化できるので利用の幅が広がる」と話しているという。
以上:信濃毎日新聞

計算どおりに回収できたら、超優れものである。灰を水に溶かしても粒子だらけで、目詰まりなどをクリアーする必要があろう。また土壌を除染するにしても、膨大な量に対応できないだろう。
目下のところ、最優先で使用できるのは、原発爆発施設の汚染水、放射性物質を含む汚染水は日々増え続け、敷地内には汚染水の貯蔵タンクが立ち並んでいる。タンクの耐用年数も5年ともいわれており、まだ、タンク内の汚染水の除染は手付かず。保管中の汚染水は26万立方メートル(2013年2月段階)。貯蔵容量はあと6万立方メートルしかない。
東電は2015年までに70万立方メートル分のタンクが必要になるとして、今後増設を進める。
当「炭素繊維カーボンナノチューブ(CNT)」が、根本的に解決できる可能性もある。それも現在前工程で除染している部分に使用すれば、これまでと比較にならないほど、除染できる。
現在、汚染水は爆発原発に地下水が入り込み、冷却用とともに増加する一方、その処理にいち早く猿コジが売り付けたアレバ社製と米国キャリオン社製(←どんな会社かも不明)が稼動していたが、効率が悪すぎ1年も経たずに、東芝製の「サリー」が同じゼオライトを使用して除染している。除染処理した低濃度の大量汚染水が26万立方メートルに達しているという。

<遠藤守信教授>
信州大院工学博士、MIT客員研究員、電気電子物性工学
研究テーマ:ナノカーボンの生成と応用:新規ナノカーボンの生成とその構造物性解明、そしてリチウムイオン二次電池、キャパシタなどの環境負荷低減に貢献するグリーンイノベーションの実現に向けて研究展開している。
 

[ 2013年3月25日 ]
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