アイコン 世界初のLNG商品取引所開設へ/経産省主導

経産省は、高値での取り引きが続いているLNG=液化天然ガスについて価格の安定を図ろうと、再来年度をめどに世界で初めてとなるLNGの先物市場を東京商品取引所に創設することで調整に入ることになった。

LNG=液化天然ガスは、原発の停止に伴って輸入が急増しているうえ、取引価格は中東などの産出国が高止まりしている原油価格に連動させて決めているため、貿易赤字や電気料金の値上げの要因にもなっている。

こうした状況に経産省はLNGの価格について実際の需給の状況に見合った新たな指標を作ろうと、官民の協議会を設けてLNGの取引市場に関する検討を進めてきた。
その結果、再来年度=平成26年度をめどに世界で初めてとなるLNGの先物市場を2月、新たに発足した「東京商品取引所」に創設するとしている。

また、取引参加者を増やすため、アメリカやシンガポールの商品取引所でもLNGの先物商品の上場を検討するとしている。
経産省は、近く東京商品取引所との間で具体的な調整を進める方針で、日本に次いでLNGの消費が多い韓国や台湾などにも取り引きへの参加を働きかけるとともに、将来的には価格が比較的安いアメリカのシェールガスも取り引きに加え、LNGの価格の安定につなげたいとしている。
以上。

今の世で安定取引の美名の下に、馬鹿みたいに高値で購入している電力業界(高く買っても消費者が支払うため痛くも痒くもない)に痺れを切らした経産省が動き出したのであろう。しかし、メジャーが米議会へのロビー活動により、米国が創設に圧力を強めてくるものと見られる。

米国でシェールガスの輸出が解禁されようとしているが、自由貿易を標榜する米国が何で今頃と思う。LNGの産出は中近東とシベリアなどであり、特に日本が輸入する中近東は石油メジャーが、膨大の投資の下に開発している。メジャーの殆どはアメリカとイギリスであり、特にアメリカは、膨大な輸入を予定していたLNGが、自国でシェールガスが産出され、輸入が激減している。そのため、その分も含め日本から巻き上げさせるため、シェールガスの輸出を禁じているのだ。輸出解禁までにいっぱい儲けなさいばかりに。

ロイターによれば、シベリア産LNGは、欧州も中国もパイプラインを敷き、10ドル前後で購入していると報じている。一方、日本の電力会社は、今時、安定供給という美名の下で平気で高値買いするため、ジャパンプレミアムまで乗っけられ、通常15ドル前後のところ18ドル前後で購入している。
原子力行政も電力会社の地域独占も電力業界のためだけに存在し、その高い高いコストで購入し、その分を国民から巻き上げるシステムとなっている。国民は常に国・電力会社のシモベである。
当商品取引所が旨くいくよう祈るばかりであるが、逆にオイルマネーを扱う巨大ハゲタカが、取引所をおもちゃにする可能性もある。
 

[ 2013年3月29日 ]
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