アイコン 大林組/省エネシールド工法開発3割電力減、掘進25%向上 三菱重工メカと共同

大林組は、三菱重工メカトロシステムズと共同で、電力消費量を約30%抑えるとともに、掘進速度の約25%向上させた世界初の「省エネシールド工法」を開発した。
超大断面シールド機のカッターヘッド内周部と外周部がそれぞれ独立して駆動する二重カッター方式により、成功。今後は、東京外かく環状道路やリニア中央新幹線などをターゲットに技術提案していく。

シールド機の大口径化や高速掘進のニーズが高まる一方、電力の供給不足を背景にシールド工法の省力化も求められている。掘削面のカッターヘッドを駆動させる消費電力はシールド機全体の約70%を占めているため、省エネシールド工法では、独立したカッターヘッド内周部と外周部の各回転速度を変化させることで、これまで内周部の周速度から設定していた外周部の回転数を抑え、駆動に要する電力を大幅に低減する。

従来の単一駆動方式では、内周部と外周部で極端な周速度の差が生じ、外周部に比べて速度の遅い内周部付近で土砂の流動性が低下していたが、省エネシールド工法は、内周部と外周部の周速度を同程度に合わせられるため、流動性が低下せず、内周部カッタービットへの負担が軽減するという。
 また、内周部カッターヘッドの大きさを外径の20-30%程度にすることで、先端カッターを小型化。カッターヘッド中心部の開口率が上がるため、掘削土砂をマシン内部に容易に取り込め、カッターへの土砂付着を防ぐ。内周部カッターヘッドは、油圧ジャッキで前後に300-400mm可動する構造で、掘進時は内周部の先行掘削により芯抜き効果を発現してカッタートルクを軽減。これらの新機構で高速掘削を実現する。
 消費電力の低減に加え、高速施工による工期短縮も期待できるため、コスト競争力の向上にも寄与できるとし、大林組は、大断面シールドトンネル工事で積極的に技術提案していくとしている。

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[ 2013年6月 5日 ]
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