アイコン JNC(株) 勝手に仕入れを値下げして勧告受ける/公取委

公正取引委員会は6日、JNC(株)( 化学工業製品の製造業、東京都千代田区大手町二丁目2番1号、代表:森田美智男)に対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法第4条第1項第 3号の規定に違反する行為が認められたので、下請法第7条第2項の規定に基づき,同社に対し勧告を行った。

違反事実の概要
(1) JNCは,液晶パネルの製造業者に販売する液晶材料の原材料の製造を資本金の額が3億円以下の事業者に委託している(当該事業者を以下「下請事業者」という。)。
(2)ア JNCは,下請事業者に対し,液晶材料の原材料の単価の引下げを要請した。この要請に応じた下請事業者について,JNCは,単価の引下げの合意日前に発注した液晶材料の原材料について引下げ後の単価を遡って適用することにより,下請事業者に責任がないのに,当該下請事業者の給付に対し支払うべき下請代金の額から,引下げ前の単価を適用した額と引下げ後の単価を適用した額との差額を減じていた。
 イ JNCは,前記アにより,平成23年6月から平成24年6月までの間に,下請事業者2名について,総額3,08万9268円を減じていた。
(3) 本件について,JNCは,次の対応を採っている。
 ア 前記(2)アの行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること及び今後,同号の規定に違反する行為を行わないことを,平成24年7月23日開催の取締役会の決議により確認した。
 イ 下請事業者に対し,平成24年7月31日及び平成25年2月20日,減額した金額を返還した。

3 勧告の概要
(1) JNCは,次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
 ア 前記2の(2)アの行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること及び今後,同号の規定に違反する行為を行わないことを取締役会の決議により確認したこと
 イ 減額した金額を下請事業者に支払ったこと
(2) JNCは,今後,下請法第4条第1項第3号の規定に違反する行為を行うことがないよう,自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じるとともに,その内容を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
(3) JNCは,次の事項を取引先下請事業者に通知すること。
 ア 前記2の(2)アの行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること及び今後,同号の規定に違反する行為を行わないことを取締役会の決議により確認したこと
 イ 減額した金額を下請事業者に支払ったこと
 ウ 前記(1)及び(2)に基づいて採った措置

 

[ 2013年6月10日 ]
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