アイコン 長崎市/高級クロマグロ稚魚の安定生産に向けた研究施設完成

高級マグロとして知られるクロマグロの減少が懸念される中、独立行政法人水産総合研究 センター(FRA)は、陸上水槽でのクロマグロ親魚からの計画的かつ安定的な採卵技術の開発を目指すため、水産庁の施設整備費補助金を受け平成23年度か ら長崎県にある西海区水産研究所(長崎市多以良町)において、「まぐろ飼育研究施設」を建設してきた。この度、海水の搬入と循環試験を終了し、無事竣工の 運びとなった。

現在、人工的に養成したクロマグロ親魚からの採卵は、FRA を含む日本の数箇所において海面生簀で行われているが、水温や日照などの自然環境条件が海域や年により変動するため、親魚の成熟状況や採卵成績は不安定なのが現状となっている。今後、農林水産技術会議委託プロジェクト研究において、本施設で水温や光などの環境条件を制御することにより、養成親魚からの計画的かつ安定的な採卵技術の開発を目指すとしている。

クロマグロは、長崎県内をはじめ、西日本各地で養殖されているが、ヨコワと呼ばれる天然の幼魚を捕獲して育てる方法がほとんどで、養殖場の拡大で、資源の減少が懸念されている。このため、水産総合研究センターなどは、天然の幼魚に頼らず、クロマグロを卵から育てる完全養殖の商業化に向けた技術の確立を目指して、クロマグロとしては世界初となる陸上の産卵試験棟を活用することにしている。

試験棟には、水温や日照時間を制御して、産卵に適した環境を人工的に作り出すことができる水槽が2つ設けられ、クロマグロの完全養殖に欠かせない卵の安定確保を目指す。
 センターでは、今月中にクロマグロを鹿児島県の施設から搬入、およそ2年後の産卵に向けて本格的な研究を始める方針、平成28年度までに年間10万匹のクロマグロを養殖できる技術を確立する計画である。

まぐろ飼育研究施設

[ 2013年6月 5日 ]
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