アイコン ソフトバンク/ケチが付いたスプリント買収、金額を上乗せ

ソフトバンクは、買収を提案しているアメリカ第3位の携帯電話会社「スプリント・ネクステル」の買収金額を15億ドル(日本円で約1500億円)上乗せして、総額216億ドルに増額することを決め、アメリカの衛星放送会社の買収提案に対抗する姿勢を打ち出した。
スプリント社は12日、双方からの買収の是非を問う株主窓外が開催される予定となっている。

これにより買収総額は、216億ドル(日本円で約1兆8000億円)となる。
スプリントの買収を巡っては、ソフトバンクがスプリント者買収で基本合意に達していたが、アメリカの衛星放送大手ディッシュ・ネットワークが、金額を吊り上げ、チャチャを入れたことから、ソフトバンクによる買収の雲行きがおかしくなっていた。
ソフトバンクによると、今回の増額決定で、スプリントの取締役会はソフトバンクの買収提案を支持する意向を示しているという。
スプリントがソフトバンクの提案を受け入れるかどうかは、今月予定されているスプリントの株主総会で最終的に決まるが、ソフトバンクは、スプリントの経営陣から支持を得たことで、買収は予定どおり実現する可能性が高まったとしている。
なお、ディッシュ・ネットワークは、お金と株式の組み合わせで総額255億ドルでの買収提案をしていた。
買収金額216億ドルといっても、昨年基本合意したときの為替は80円弱、今や98円。日本円換算では、当初より約4,000億円も高く購入することになる。

孫さんは買うと決めたからには徹底してスプリント社を購入するのだろう。しかし、スプリント社買収に失敗したら、第4位のTモバイルUSAを購入する予定で交渉に入っているとの報道もなされており、孫さんはアメリカシリコンバレーに108億円の邸宅もすでに購入しており、必ず橋頭堡を築きたいのであろう。それにスプリント社買収には、高速通信のLTE Advancedを展開しているクリアワイア社も付いてくることも魅力であろう。
ひょっとすると、抜け目のない孫さんのことだから、スプリント買収後にTモバイルUSAの買収も検討しているのかもしれない。もしも、両社を買収すれば一挙にアメリカ携帯通信会社のトップグループに躍り出ることができ、留学時代のアメリカに錦を飾れることになる。
一方、ディッシュ社は、スプリント社に買収を提案しながら、返す刀で実質スプリント傘下のクリアワイア社へも買収提案するなど、ハゲタカぶりばかりが目立ち、節操もない。ディッシュは畑違いからの買収であり、裏でハゲタカ達と組み、ソフトバンクの買収価格を吊り上げるのが最終目的なのかもしれない。
ハゲタカ達の株主が決定することになり、まだ予断は許されないが、スプリント社経営陣が支持していることで、買収の可能性はより高くなった。

アメリカの携帯電話会社
社名 契約口数/万口 備考
Verizon Wireless 11,120
Verizon CommunicationsとVodafone PLC(英)の合弁事業。
AT&T Mobility 10,520
親会社の合併により、Cingular Wirelessから改名した。2011年にT-Mobile USAの買収を発表するが、司法省の反訴で撤回。
Sprint Nextel 5,600
旧SprintPCSは、CDMA(1900MHz).旧Nextelは、iDEN(SMR)。WiMAXはClearWireと合弁。iDENは2013年6月にサービス停止予定。2012年10月にソフトバンクが買収を発表。ディッシュ・ネットワークも買収を発表して買収合戦となっている。
T-Mobile USA 4,300
ドイツテレコム(独)の子会社。W-CDMAのサービスを2008年に開始した。2013年5月MetroPCSと合併。LTEは2013年3月に一部地域でサービスイン。 

 

[ 2013年6月11日 ]
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