アイコン 大腸がん有無 血液検査で可能に 三重大病院の問山裕二助教らのチーム

三重大学とアメリカの研究機関による共同研究チームが大腸がんの組織から血液中に多く分泌される物質の特定に成功、血液検査による大腸がんの発見につながる研究として期待されている。
研究チームによると、この物質は大腸がんのがん組織から分泌されていて、従来の内視鏡の検査ではなく、患者に負担が少ない血液検査で大腸がんを発見できると期待されている。
この研究は、問山助教がアメリカのベイラーメディカルセンターへ留学中に発見したもので、「大腸がん」の早期発見に大きな期待が持たれている。

研究チームでは、大腸がん患者186人と大腸がんの兆候が見られる人43人、それに健康な人53人の、合わせて282人の日本人から大腸の粘膜や血液などを採取して成分の違いを比較した。
その結果、血液に含まれる「microRNA-21」という物質が、大腸がん患者では健康な人と比べ5倍から6倍多く検出されることがわかったという。

従来、大腸がんを発見するためには、便鮮血検査(便内の血液を見る検査)が用いられることが一般的であったが、病気以外の因子が影響して血液が混じることも多く、精度に問題を抱えた検査方法だった。(特に直腸がん検査は、以前はお尻の穴に指を突っ込まれ、ぐりぐりかき回されるという悲惨な検査方法であった。)
しかし、今回発表された検査方法は、血液を調べることで、大腸がんやその前段階の大腸腺腫(ポリープ)の患者を高確率で見つけ出すことが可能になるという。
この検査方法が確立されることで、極めて早期の段階で大腸腺腫(ポリープ)を診断でき、大腸がんによる死亡者数を減らすことが期待されている。
今後は、ベイラーメディカルセンターが中心となり、アメリカ国内での治験が予定されているという。
当研究成果は7月1日、三重大学病院の問山裕二助教(消化管・小児外科学講座:楠正人教授)たちの研究成果が、アメリカのJournal of National Cancer Instituteに掲載された。

 

[ 2013年7月 5日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサード リンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索