アイコン 今年度設備投資計画10.3%増の中身は維持・補修 雇用につながらず

 製造会社にとって、国内内需が改善されたわけでもなく、内需型は回復を待つばかりで、また、輸出型は、長期展望から、海外の販売地へ工場を移転もしくは工場新設するという対応を採る日本企業となっていることが浮き彫りとなっている。
 日本企業は特にリーマン・ショック前の景気回復過程で、バブル時代の設備更新やして新規設備投資していることから、まだかなりのかじょうせいさんせつびを有しているともいえる。
 こうしたなか日本政策投資銀行が、資本金10億円以上の大企業を対象に毎年この時期に行っている、今年度(4~3月の設備投資計画が明らかになった。調査対象は約3200社、回答率68%。

その結果、大企業が今年度に計画している国内での設備投資は、昨年度実績を10.3%上回っているものの、製造業の投資の中身は、現在ある設備の維持や補修が最も多いという調査結果がまとまった。

(1)非製造業では22年ぶりに二桁増:消費マインドの改善や消費形態の変化に伴い、設備投資は商業施設だけでなく物流施設など関連分野への広がりがみられる

(2)製造業では維持・補修が最大の投資動機に:今回初めて「維持・補修」が「能力増強」を逆転し、製造業の最大の投資動機となっている

(3)設備投資マインドに前向きな兆し:設備投資増額の理由として、3割程度の企業が中長期的な期待収益率の改善を挙げており、企業の投資環境に関わる認識に変化がみられつつある
としている。

新規設備投資が増加すれば、新規雇用も上向くが、まだ、アベノミクス経済が始まって半年、製造の輸出企業にとっては円安効果を満喫していようが、内需型は少々個人消費が伸びているといっても限定的、輸入原料の値上がりなど、コストアップで今後収益が損なわれる可能性を秘めており、みき分けられるまで、新規設備投資どころではないのが実情だろう。
円安効果を満喫する製造輸出企業は、日本の工場の設備はまだ新しく、日本で設備投資をする気などさらさらない。円安効果での利益を海外工場進出資金にあてがうばかりが実情。

リーマン・ショック以降、設備も極端に古くはなく、従来からある設備の「維持・補修」が25.6%と、初めて最も多くなった一方、昨年度まで最も割合が大きかった「能力増強」は23.6%となり、雇用の拡大にもつながる生産を増やすための投資の割合は年々減っているのが実情だ。

日本政策投資銀行は「収益改善への期待を背景に、これまで先延ばししていた設備の補修などを再開する動きが幅広い業種で増えている。ただ、企業が手持資金でできる範囲での投資が多く、金融機関から資金を借りて積極的に投資する動きは限定的だ」と話しているという。
大手企業にとって、リーマン・ショック以前から貯め込んだ内部留保金があり、そのとおりだろう。

[ 2013年8月 6日 ]
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