アイコン 大阪市立大/Kyoto Heart Study 等の論文等の調査報告について

1.調査委員会の目的京都府立医科大学が実施した製薬会社ノバルティスファーマ株式会社(以下、ノバルティス社)の高血圧治療薬バルサルタン(ディオバン)の効果を調べた臨床研究の論文について、ノバルティス社の元社員がノバルティス社の身分を明示せず非常勤講師(無給)としての大阪市立大学の肩書を使用していたことが本年3 月下旬のマスコミ報道で表面化し、本学としても事実関係を調査する必要があると考え、5 23 日に医学研究科内に調査委員会が設置されたところである。

本調査委員会は主に本学の肩書が使用された事実関係や本学に非常勤講師として採用された経緯などについて調査することとした。
2.調査方法
本委員会は、事実経過の調査のため、学内外の文書や資料の収集を行うとともに、元社員の所属していた産業医学教室の教授と准教授のヒアリング及びノバルティス社からのヒアリングを行った。また、元社員がどのような経緯で大阪市立大学所属の研究者として論文中に記載されることに至ったかを明らかにする目的で、バルサルタンを用いた11 臨床研究論文(資料1)のそれぞれのcorresponding authorに対し質問書を送付して、corresponding author 全員からの回答を得た。さらに、事実経過の確認のためには、元社員本人のヒアリングは必須であると考え、本人に再三連絡を取ったが、本人からの応答がなかった。
7 月下旬にノバルティス社を通じて本人がヒアリングに応じる用意があるとの連絡があり、8 月初旬にヒアリングを行った。
 
3.事実経過
1)元社員が大阪市立大学の肩書を使用した論文について
元社員は京都府立医科大学の論文以外にも本学の肩書を使用していたとの報道があったので、ノバルティス社のバルサルタンを用いた臨床研究で元社員が本学の肩書で参加していた論文について検索した。その結果は、資料1 のとおりである。この中の幾つかの論文においては本学の組織には存在しない「Clinical Epidemiology(臨床疫学)」という表記がある。
2)本学の当該臨床研究への関わりについて
今般問題となっているバルサルタンの臨床研究について、元社員が所属していた産業医学教室では、当教室の研究領域は、産業医学の分野が中心であり、医師主導臨床試験は行っていないと述べている。また元社員も、バルサルタンの臨床試験を当教室では行っていないと主張している。さらに、本学倫理委員会の資料を遡って確認したところ、当該臨床研究にかかる申請は見当たらないところから、本学は当該臨床研究には一切関わっていない。
3)元社員を非常勤講師に委嘱した経緯及び勤務実態について
元社員を非常勤講師に委嘱した経緯については、産業医学教室としては、当時、元社員が統計分析に深い知識を持っており、この分野では数少ない専門家であると認識していたが、誰を介して元社員を紹介され、どういった状況で最初に非常勤講師を依頼したかについては、10 年以上も前の事であるので覚えていないとのことであった。
元社員の説明では、以前から親交のあった本学の教員を通じて産業医学教室の教員を紹介され、元社員が統計分析に造詣が深いということで、非常勤講師の委嘱を要請されたとのことである。
元社員の非常勤講師としての委嘱期間は産業医学教室のヒアリング及び学内資料から平成14 4 1日から平成25 3 31 日と確認された。
この間の勤務実態については、資料で確認できた講義等については平成18 11 9 日の医学研究セミナーの一回のみである。そのほか、大学院生に対してゼミ等で数回指導した実績がある。
4)ノバルティス社からの状況説明について
ノバルティス社からのヒアリングでは、社のホームページで今回の件について公表している報告の範囲以上の説明はなかったが、「当時の上司の中には、元社員のこれら研究のかかわりを認識し支援していた者がいたことが判明している。彼らは企業の社員であっても、保有する研究者としての肩書の立場で臨床研究を支援するならば、利益相反の問題は生じないと信じていた。」、「一方で元社員のこれら研究への関与内容は、現在のノバルティスの行動規範や医師主導臨床研究の基本原則に鑑みれば不適切なものだった。」、「元社員は当時大阪市立大学の非常勤講師であり、臨床研究に関わる活動と会社の業務を隔てる手立てを講ずれば、臨床研究に携わることができると誤って理解していた。元社員だけでなく、上司や研究者においても同様の誤解をしていた人たちがいたと考える。」との内容を公表しており、ヒアリングにおいても元社員が本学の肩書を使用していたことについてはノバルティス社としても認識していたとしている。
 
4.バルサルタンを対象とした臨床研究論文のcorresponding author への質問に対する回答
本調査委員会は、ノバルティス社のバルサルタンを対象とした臨床研究論文において、ノバルティス社の元社員がどのような経緯で大阪市立大学所属の研究者として論文中に記載されることに至ったかを明らかにする目的で、バルサルタンを用いた11 臨床研究論文のそれぞれのcorresponding author に対し、平成25 6 19 日に質問書を送付して、それぞれのcorresponding author からの見解を求めた。
 
<捏造データを発表した臨床試験大学病院への質問>
京都府立医科大学、東京慈恵会医科大学、千葉大学、名古屋大学、滋賀医科大学が実施した医師主導臨床試験の論文(9 論文)9 論文のすべてのcorresponding author から質問書に対する回答を得た。うちcorresponding authorが同一の2論文については1つの回答書のみであったので、回答書数は8 である。
各質問事項への回答
(1) 「元社員の所属が『大阪市立大学』と記載されていたのは、本人の申告によるものですか。
“いいえ”の場合は、本学所属と記載した理由を記入してください。」
はい 5
いいえ 3
「いいえ」と回答した3 名のうち2 名の corresponding author はその理由として、「本研究事務局のメンバーは、元社員の所属は大阪市立大学と考えており、すでに出版されていた論文でも元社員の所属が大阪市立大学となっていたため『大阪市立大学』と記載しました」と回答した。また他の1 名の corresponding author はその理由として、「元社員から研究開始前にあいさつをうけた時、名刺にはノバルティス社とともに大阪市立大学非常勤講師とあったと思う。所属については academic positionを採用したと思う。当時利益相反のことについては認識を欠いていました」と回答している。
 
(2)元社員の所属が『臨床疫学』と記載されていますが、そのような組織は本学に存在しません。このように記載したのは、元社員本人の申告によるものですか。“いいえ”の場合は、記載した理由を記入してください。」この問いは、元社員の所属を「大阪市立大学の臨床疫学」と記載した4論文のcorrespondingauthor にのみ質問した。
はい 2
いいえ 2
「いいえ」と回答した2 名の corresponding author はいずれも「Jikei Heart Studyが掲載されたLancet の論文において、元社員の所属が Clinical Epidemiology, Osaka City University Graduate School となっていましたので、それにならって記載しました」と回答している。
 
(3) 「元社員がノバルティス社の社員であることを承知していましたか。“はい”の場合は、同社社員であることを記載しなかった理由についても記入してください。」
はい 3
いいえ 5
「はい」と回答した3 名の corresponding author から得られたノバルティス社社員であることを記載しなかった理由は、「元社員がノバルティス社の社員であることを研究当初は知らなかったが、あとからその事実を知った。所属の記載は主論文と同様にした」、「元社員の希望によるもの」、「大阪市立大学非常勤講師として疑いをもつことはなく、ノバルティス社員であることの強い意識はなかった」などであった。「いいえ」の5回答書のうち、3回答書には「ノバルティス社の関係者であろうとは感じていたが、主たる所属は大阪市大と信じていた」とか「当初は大阪市立大学非常
勤講師という認識でしたが、研究遂行過程でノバルティス社の社員であることはメールなどで認識していた」などのコメントが付記されていた。
これらをあわせると、大部分の corresponding author は元社員がノバルティス社の社員であることに気づいていたと考えられる。
今回の調査において、corresponding author から送付されてきた元社員が持参したという名刺によれば、「大阪市立大学大学院医学研究科 都市医学大講座 非常勤講師」という肩書が名刺のトップに大きく表記されていた。しかし、同名刺には「ノバルティスファーマ株式会社学術企画IIgroup グループマネージャー」という肩書の記載もあった。この点からも、これらの医師主導臨床試験において、corresponding authorである研究責任者らは、元社員をノバルティス社の社員であると知ることができる状況であったと考えられる。
 
(4) 「臨床研究の実施にあたっては、元社員の所属機関の承認を得る必要がありました(臨床研究に関する倫理指針参照)。にもかかわらず、当時、本学医学部倫理委員会への承認申請がなされなかった理由を記入してください。」「元社員の所属機関への承認申請が必要であるとの認識が欠如していた」、「所属機関への承認申請は元社員本人がすべき、あるいはしたものと理解していた」、「元社員が全く問題がないと述べたから」、「当初は、統計のアドバイスを受けた程度なので、元社員の所属機関に承認を得るまでもないと考えていた。しかし論文執筆の際には、他の論文でも統計解析者として元社員の名前が記載されていたので、それと同じように記載し、また方法の欄にも統計解析場所として、大阪市立大学名を記載した」などの5回答であった。
 
大阪市立大学医学部では、これらの医師主導臨床試験の統計解析などは全く実施されていなかったにもかかわらず、研究責任者の corresponding author らが論文中に「大阪市立大学でデータ解析が実施された」などと虚偽の記載をしたり、また大阪市立大学医学部への承認申請や確認なども一切行われていなかったという点で、きわめて杜撰な研究プロセスであったと言わざるを得ない。
 
2、バルサルタンに関するデータを記載している臨床研究で、元社員を共著者として記載していた2論文について
(1)「元社員の所属が『大阪市立大学』と記載されていたのは、元社員本人の申告によるものですか。“いいえ”の場合は、本学所属と記載した理由を記入してください。」
はい   2
いいえ  0
(2) 「元社員がノバルティス社の社員であることを承知していましたか。“はい”の場合は、同社社員であることを記載しなかった理由についても記入してください。」
はい  2
いいえ 0
corresponding author の2名からは、「元社員には解析方法のアドバイスや統計学的な助言を受けていたので共著者とした」との回答で、また「元社員が大阪市立大学非常勤講師の身分を有していたことから、肩書表示は、企業職より大学職とすることが適切であると判断した。」とか「元社員は大学では統計について研究されていると聞いていたので、身分は大阪市大の所属で記載した」などの回答であった。
 
<元社員の事情聴取>
調査委員会は、早くからノバルティス社に対し元社員からの事情聴取に協力するよう要請した。これに対し、ノバルティス社は「元社員はすでに当社を退職し、本人が調査に応じられないとの意向を示しているので、会社としてはこれ以上協力できない」と回答し、元社員からの事情聴取は実現しなかった。しかし、7 月下旬にノバルティス社から元社員との面談を準備するとの連絡があり元社員との面談が実現した。元社員との面談は本医学部・医学研究科の建物内で、約2 時間にわたって行われた。面談にはノバルティス社の代理人弁護士1名がオブザーバーとして同席した。
各委員からの質問に対し、元社員は以下のように述べた。
1)元社員によれば、産業医学教室から依頼されて平成14 年4 月に非常勤講師になり、平成25 年3 月まで毎年非常勤講師を更新し続けてきた。講義に関しては平成18 年度医学研究セミナーの1 回のみであったが、年数回程度大学院生や教員に対し主に統計学に関する相談にのってきた。
 
2)元社員は、2007 年の Jikei Heart Study の Lancet 論文については、出版前に論文原稿を見せられたことは一切ないと述べた。また Lancet 論文の出版後に、「方法」に記載されていた「試験実施グル―プや資金提供者とは独立した大阪市立大学統計解析グループがデータ解析を行った」の箇所や、論文末尾の Statistics analysis organisation に「大阪市立大学臨床疫学(Clinical epidemiology, Osaka CityUniversity Graduate School)」として自分の名前が記載されていることに対し、「事実と異なるのでこの記載は困ります」と筆頭著者に抗議をしたが、筆頭著者は無言であったと述べた。
 
3)元社員は、2009 年に出版された Kyoto Heart Study のデザイン論文についても、論文末尾のStatistical analysis organization に Department of Preventive Medicine and Environmental Health,Osaka City University Medical School の所属として自分の名前が記載されていることを知って、筆頭著者に「削除してほしい」と何回も依頼したが、筆頭著者からは最終的には「あきらめてほしいと言われた」と述べた。
 
4)元社員は、SMART、Nagoya Heart Study、VART の各論文についても、論文原稿を事前に見せてもらったことはなかったと述べた。さらに、これらの各論文末尾の統計解析の項にも、大阪市立大学の所属として自分の名前の記載があったが、「抗議をしてももはやしょうがないだろう」と考え、訂正や削除を求めることはしなかったとも述べた。
 
5)「ノバルティスファーマ株式会社学術企画ⅡGroup グループマネージャー」の記載とともに、トッ
プに「大阪市立大学大学院医学研究科都市医学大講座 非常勤講師」と表記した名刺を持参して、5大学の研究指導者の教授に面会したことの事実関係を質問したところ、元社員は、この名刺を持参したのは事実であり、「軽率だった」と述べた。しかし、その時も、自分自身はノバルティスの社員の業務として大学教授に面会したという認識だったとも述べた。__
 
 
6)元社員は、「5大学の研究指導者である各教授とは、それぞれの研究の開始以前から面識があり、各大学の教授は、自分がノバルティス社の社員であることは認識していたはずである」と述べた。
 
7)元社員は、「大阪市立大学の肩書で論文に名前が記載されることについては、自分の意思ではなかった」と述べた。
 
8)元社員は、現在ふり返って考えるに、「『大阪市立大学の所属』を用いることは、各論文の著者にとってもノバルティス社にとっても都合がよかったのだと思う。そしてノバルティス社は、『大阪市立大学の所属』を用いることを黙認していたと思う」と述べた。さらに元社員は、「自分自身としても『大阪市立大学の非常勤講師』の身分があるので便利だという気持ちがあったのだと思う」とも述べた。
 
付記
1.「元社員の上記2)の主張が事実であるかどうか」について、Jikei Heart Study のLancet 論文(2007年)の筆頭著者に、8 月中旬に電話で問い合わせをした。当該筆頭著者は「そのような内容を元社員から聞かされた覚えはなく、もし聞いていれば自分としては無視することはなかったと思う」と答えた。
また、「歩きながらとか周りが騒がしい場所とかで元社員が小さい声で言ったため聞こえなかったというようなことがあったかもしれないが、10 年前のことなので、記憶している限りではそのようなことはない」とも述べた。
2.「元社員の上記3)の主張が事実であるかどうか」について、Kyoto Heart Study のデザイン論文(2009年)の筆頭著者に、8 月中旬に電話で問い合わせをしたところ、当該筆頭著者からは電話での返答に加えて、メールでの回答を得た。当該筆頭著者は、「当初、論文の投稿段階では『統計解析者』として元社員の名前を明記していた。しかし、論文が当該雑誌に受理された後に、元社員より『削除の依頼』があった。そのため、出版社宛に元社員の名前の削除を依頼し、最終proof で削除が完了していることを確認した。しかし、出版社側の判断によるものか理由はよくわからないが、その後実際の出版原稿には、元社員の名前の記載が復活していることを知った。元社員には『だめだった(そのまま掲載された)』ということを伝えたが、『あきらめてほしい』とは言っていない」と回答した。
 
6.提言
以上の事実関係を踏まえて調査委員会として以下の事項を提言する。
1)ノバルティス社は元社員がこれらの医師主導臨床研究に関わっていたことを研究開始当初より把握していたにもかかわらず、これを黙認し、支援していたと思われる。ノバルティス社の「社員であっても保有する研究者(大阪市立大学非常勤講師)の立場で臨床研究を支援するならば、利益相反(COI)の問題を生じない」との解釈によるものである。さらにノバルティス社は、研究が開始された平成13 年から平成16 年当時には医師主導臨床研究におけるCOI の規定が明確でなかったことを黙認の理由に挙げているが、ノバルティス社のいう当時の社会通念をもってしても、自社製品に関連する研究への元社員の参加の正当性は到底認められないものと考える。さらに、ノバルティス社は問題発覚当初は研究への元社員の関与を否定していたにもかかわらず、後にデータ関与に関わっていたことを認めるなど、誠実さに欠ける対応を行ってきた。京都府立医科大学並びに東京慈恵会医科大学の調査委員会からも、元社員がデータ解析に関わっており、ノバルティス社に有利な結果となるよう解析データが操作された疑いが強いとの調査結果が報告されている。これらの点からみて、ノバルティス社は自社の利益を優先するあまり、元社員の臨床研究への参加、データ解析への関与を会社ぐるみで支援していたものと判断せざるを得ない。ノバルティス社のこの様な企業姿勢は社会的に許されるものではなく、大阪市立大学としてノバルティス社に対し強く抗議するとともに、大阪市立大学への正式な謝罪を求めるべきであると考える。
 
2)元社員は平成14 年に大阪市立大学非常勤講師(産業医学)に採用されるや、この肩書を利用して、長く自社製品の研究に関わってきた。非常勤講師という立場で、会社の業務と一線を画すれば、COI に反しないという元社員自身の誤った思い込みによるものである。これらの研究において、大阪市立大学に実在しない講座が所属として表記され、あるいは、あたかも大阪市立大学医学部において統計解析が行われたかのような表記がなされている点は極めて遺憾である。元社員は一年ごとの非常勤講師更新の際に研究業績の報告を行っているが、その際にも、すでに自身の名前が自社製品に関する研究論文に記載されていることを知りながら、その事実を大阪市立大学に一切報告していない。意図的に不利なことを隠して非常勤講師の更新を行っていたと判断せざるを得ず、極めて悪質と考える。元社員のこの様な態度に対し、強く抗議するとともに、正式な謝罪を求めるべきであると考える。
 
3)研究責任者や論文執筆者の多くは元社員がノバルティス社の社員であることを認識していたにもかかわらず、大阪市立大学非常勤講師の肩書で研究に参加させ、論文中に元社員の名前と大阪市立大学の肩書を記載していた。また、元社員が研究に関わっていることやその所属について、さらには大阪市立大学で解析が行われるという論文表記について、大阪市立大学の承認を得ようとする行為はなされておらず、大阪市立大学への確認さえも一切行われていない。
加えて、大阪市立大学医学部でのデータ解析は一切行われていないにもかかわらず、研究の方法欄に「大阪市立大学でデータ解析が実施された」などの虚偽の記載をした論文もあった。元社員の所属表記等は、先に出た論文の表記をそのまま引用するなど極めて杜撰であり、論文作成過程において作業が正確に行われていれば、このような重大事に至らなかったのではないかと推察する。大阪市立大学としては論文執筆者に対しても強く抗議するとともに、5 大学の医師主導臨床研究の各研究責任者には大阪市立大学への正式な謝罪を求めるべきであると考える。
また、大阪市立大学医学部は一連の臨床研究には全く関与しておらず、許可なしに非常勤講師の肩書を利用されたものであるが、この原因の一端に、非常勤講師の委嘱妥当性を審査する委員会での調査に限界があったため、学生指導の実態を十分に把握しないまま、10 年以上も非常勤講師を委嘱し続けていたことがあると思われる。従って、今後非常勤講師の委嘱のあり方について、早急にガバナンスの強化と透明性の確保など見直しを図り、再発防止に努めるよう本調査委員会として提言する。
 
(ただ、大阪市立大学は、下記の国際医学誌に提出した論文に対して、訂正を求める手立ては取っていない。また、主たる提出大学なり、教授らの名前も掲載していない。)
 
論文発表ジャーナル誌名, 発行年、論文記載箇所、記載内容、所属名、氏名の有無
1、Journal of Renin AngiotensinAldosterone System 2012年 共著者 Department of Preventive Medicine and Environmental Health, Osaka City University Medical School, Japan、氏名有
 
2、Nephrol Dial Transplant 2011 共著者 Department of Preventive Medicine and Environmental Health, Osaka City University Medical School, Osaka, Japan、氏名有
 
3、J Hum Hypertens  2012 Acknowledgements Clinical Epidemiology, Osaka City University Graduate School 氏名有
 
4、Hypertens Res 2011年 Acknowledgements Clinical Epidemiology, Osaka City University Graduate School 氏名有
 
5、J Cardiol 2010年 Appendix Department of Preventive Medicine and Environmental Health, Osaka City University Medical School, Osaka, Japan、氏名有
 
6、J Hypertens 2010年 Acknowledgements Osaka City University Graduate School, Japan 氏名有
 
7、Lancet 2007年 Statistics analysis organisation Clinical epidemiology, Osaka City University Graduate School、氏名有
 
8、Cardiovasc Drugs Ther 2004年 Organization Clinical Epidemiology in the Graduate School of Osaka City University、氏名無
 
9、Diabetes Care 2007年 APPENDIX Osaka City University 氏名有
 
10、Hypertens Res 2008年 Appendix Osaka City University 氏名有
 
11、J Hum Hypertens 2009 Appendix Department of Preventive Medicine and Environmental Health, Osaka City University Medical School, Osaka, Japan 氏名有
 
なお、7番目のLancet誌の分は、慈恵医大分であり、Lancet誌に掲載された文面を、そのまま別途、京都大学由井医師の問題指摘論文とともに掲載している。
 
また、大阪市大に対する元社員(=非常勤講師)の説明は、事前にノバルティスの弁護士と検討を重ね尽くし、ノバルティスに可能な限り火の粉がかからないようにあらゆる逃げの言葉で埋め尽くされている。主導したのは、ノバルティスの幹部連中だったことは逃れようもない。
 
 橋下市長が所管する大阪市大は、当該の非常勤講師を、何故、偽証罪などで告発しないのだろうか。
 
[ 2013年8月23日 ]
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