アイコン 北海道と東北電力/世界最大級の蓄電池実証実験へ 

経済産業省は31日、大型蓄電システム緊急実証事業の補助対象者を北海道電力+住友電工と東北電力に決定したと発表した。
当実証実験は、経産省が、北海道電力管内と東北電力管内の2ヶ所の変電所に蓄電池を設置する費用296億円を補助して行う。
 経産省では、電力会社の基幹系統の変電所に、大型蓄電池を設置・活用することで、どこまで再生可能エネルギーの導入可能量を拡大できるか徹底検証を行うとともに、グリッド全体を見渡した蓄電池の最適な制御・管理手法の技術を開発・確立する。

大型蓄電池を系統に導入する事業は、我が国で初めての取組みであり、系統における具体的な活用に向け、いち早く必要な技術・ノウハウを習得することを目指している。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、天候によって発電量が左右されることから、導入の拡大には安定的に電力を供給するための大型の蓄電池の開発が欠かせないとされている。
実験では、北海道電力管内では6万キロワットアワー、東北電力管内では2万キロワットアワーの電力を充電できる世界最大規模の蓄電池を設置し、完成後3年間、実際に充電したり電力を供給したりしながら技術的な課題を検証することにしている。

事業者
テーマ
種類
規模
設置場所
東北電力
周波数変動対策
リチウムイオン電池
2万kWh
西仙台変電所
北海道電力+住友電気工業
下げしろ対策+周波数変動対策
レドックスフロー電池
6万kWh
南早来変電所

1、実証テーマA:リチウムイオン電池を活用した、周波数変動対策
東北電力が、基幹系統の変電所(西仙台変電所)に世界最大級の大型蓄電池(リチウムイオン電池、2万kWh)を設置し、風力や太陽光発電の出力変動に対する周波数調整力としての性能を検証する。特に、火力発電と協調運用しながら、当該蓄電システムの寿命への影響を抑えつつ、調整力として最大限活用する運用方法等について検討する。東北電力は、本事業の成果を踏まえ、東北地域における調整力を一割程度増強し、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組む。

2、実証テーマB:レドックスフロー電池を活用した、マルチな需給変動対策
北海道電力と住友電気工業が共同で、基幹系統の変電所(南早来変電所)に世界最大級の大型蓄電池(レドックスフロー電池、6 万kWh)を設置し、風力や太陽光発電の出力変動に対する調整力としての性能検証、及び当該蓄電システムの最適な制御・管理技術の開発に取り組む。
レドックスフロー電池は、周波数変動対策のみならず、下げしろ対策や長期の需給変動対策としても活用でき、本事業の成果を踏まえ、一割程度の調整力の増強を目指す。北海道電力と住友電気工業は互いに協力し、両社のもつ技術・ノウハウを結集し、北海道地域における再生可能エネルギーの導入拡大に取り組むとしている。

[ 2013年8月 1日 ]
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