アイコン ILC誘致に立ちはだかる日本学術会議 北上も背振も夢と消えるか

ILC=国際リニアコライダーの誘致では、福岡県と佐賀県が連携して背振山地に、岩手県が物理研究者の多い東北大と連携して北上山地へ誘致合戦を繰り広げている。
と ころが、いろいろな分野の科学者で構成され、政府の諮問機関でもある日本学術会議が、限られた国の科学予算をILCで使用すれば、ほかの研究に使用する資 金が減額されたり、使用できなくなる畏れが出てくると思ったのか「費用負担など未確定部分が多く、数年かけて判断すべきだ」という誘致判断を先送りすると いう慎重な見解を大筋でまとめた。

この日本学術会議の見解は、誘致に乗り出すかどうか検討している国の判断にも影響を与える。
ILC=国際リニアコライダーは、2020年代半ばの完成を目指して計画が進められている最先端の巨大な実験施設で、国内に建設されれば大きな経済効果が見込まれる一方、8300億円とされる建設費の半額を負担しなければならない。
日本学術会議は国から諮問を受けて、この施設を誘致すべきかどうか、学術的な観点から検討を行ってきたが、6日の会合で、「費用負担や研究者の受け入れなど未確定の部分が多く、誘致を進めるかどうかはこれから数年かけて改めて判断すべきだ」と誘致に慎重な見解を大筋でまとめた。
国内の物理学研究者で作る会議が8月中にもどちらかに一本化する見通しだった。しかし、今回、国から諮問を受けた日本学術会議がILCに慎重な姿勢を示したことは、誘致に乗り出すかどうか検討している国の判断にも影響を与える。
以上。

ILCは、経済効果や費用負担ばかりに目がいくが、外国の物理学研究者や家族が赴任してくる国際交流施設でもあり、日本にこうした国際施設が少ないだけに、物理の分野だけでも国内施設のスーパーカミカンデや筑波のように、国際施設として積極的に誘致すべきではなかろうか。日本人が世界から孤立しないように。また、こうした施設を介して国際派の人間を養成するためにも。

第22期会議会員
平成23年(2011年)10月1日発令 ~ (現在)
会長:大西隆(土木工学・建築学)
副会長:武市正人 (情報学)、小林良彰 (政治学)、春日文子 (健康・生活科学)
第一部
部長:佐藤学(心理学・教育学)
副部長:大沢真理(経済学)
幹事:後藤弘子(法学)
幹事:丸井浩(哲学)
第二部
部長:山本正幸(基礎生物学)
副部長:生源寺眞一(農学)
幹事:須田年生(基礎医学)
幹事:長野哲雄(薬学)
第三部
部長:家泰弘(物理学)
副部長:荒川泰彦(総合工学)
幹事:巽和行(化学)
幹事:土井美和子(情報学)

 

[ 2013年8月 7日 ]
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