アイコン 老朽化橋梁に朗報/三井住友建設ら橋桁補修の電気防食工法開発

 三井住友建設と住友大阪セメントは共同で、コンクリート橋の主桁端部への適用に特化できる電気防食工法を開発した。
橋梁の主桁端部では伸縮装置からの漏水や凍結防止剤に含まれる塩化物イオンの影響により局所的に劣化が進行する事例が増えている。
ところが、これらの箇所は作業空間が極めて狭いため、有効な補修方法が確立されていない。 
今回開発した桁端電気防食工法は、陽極材と型枠を一体化する事により狭隘な場所でも電気防食工法を施工できるようにしたもので、実際の橋梁を模擬した試験体により、施工性、防食効果を確認した。

<実証試験>
本工法の防食効果、施工性を確認するため実際のRC中空床版橋の桁端部を模擬した供試体を作製し、試験施工を行った。
供試体は端部から200mmの範囲は塩化物イオン量が20kg/m3となるようにコンクリート中に塩分を混入し、桁端部の厳しい腐食環境を再現した。
試験施工では、ウォータージェット工法による狭隘部のはつり性能や陽極パネル(ECPパネル)の施工性を確認した。
電気防食を開始し鉄筋の腐食傾向を継続的に計測した結果、多量の塩分量を含むコンクリート中においても内部鉄筋は腐食傾向を示しておらず十分な防食効果があることが確認された。

<技術開発の背景>
 高度経済成長期に建設されたコンクリート橋は、供用開始後40~50年を経て老朽化しつつあり、適切な維持・管理が必要とされている。
特に橋梁の主桁端部では伸縮装置からの漏水や凍結防止剤に含まれる塩化物イオンの影響により鉄筋腐食に伴うコンクリートの浮き・はく離、ひび割れや鉄筋露出等の変状が多く報告されている。
損傷は局所的であるため初期の段階では橋梁全体の耐荷力等への影響は少ないものの、放置するならば支承近傍や桁端部のPC鋼材定着部の損傷へと進行することが予測され早期の対策が必要となっている。
ところが、これらの箇所は作業空間が極めて狭いため、有効な補修方法が確立されていなかった。
これらの課題を解決し、コンクリート橋の桁端部を効率的に補修し、橋梁の長寿命化を図るために「桁端電気防食工法」を開発した。

<今後の展開>
高度経済成長期に建設されたコンクリート橋は、供用開始後40~50年を経て老朽化しつつあり、適切な維持・管理が必要とされている。
特に橋梁の主桁端部では伸縮装置からの漏水や凍結防止剤に含まれる塩化物イオンの影響により局所的に劣化が進行する事例が増えている。
三井住友建設と住友大阪セメントでは、こうしたコンクリート橋の劣化に対して桁端電気防食工法の適用を積極的に提案し、橋梁長寿命化に貢献したいと考えている。

口先ばかりで、橋やトンネルの老朽化対策をなかなか打ち出さない国交省や地方公共団体。予算も限られるなか、東北の被災地を除き、あったら便利の新品の道路建設より、こうした道路の老朽化対策の工事が早急に求められる。
老朽化したトンネルは、すでに全国のあちこちで内壁のコンクリート片の落下が生じており、議員さんたちが大喜びのあったら便利の新設道路より、人の命や安全を最優先にした老朽化対策工事の最優先が望まれる。
あったら便利の道路や箱物を優先すれば、日本の借金はすぐさま2000兆円に達してしまおう。それ以前に、日本は国債が紙切れになり大恐慌になっていることだけは間違いない。

 

[ 2013年8月22日 ]
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