アイコン まだ10年の京都太鼓山風力発電所の6基のうち5基金属疲労亀裂 JFE

京都府伊根町の太鼓山風力発電所で、今年3月、巨大な風車が落下したことについて、京都府の専門家会議は、金属疲労により風車を支える柱に亀裂ができ、広がって折れたのが原因だとする検証結果をまとめた。
伊根町の「太鼓山風力発電所」では、今年3月、発電機の支柱が折れて重さ45tの巨大な風車が落下した。
発電所を運営する京都府が設けた専門家会議は、原因についての検証結果をまとめた。
それによると、鋼鉄製の支柱は、風車が溶接されていた地上46メートルの部分のすぐ下でほぼ水平に折れていた。
折れた断面を調べると、はじめに金属疲労により、約6メートルある支柱の周りのうち1メートルほどに亀裂ができ、それが広がって折れたことが分かったという。

また、ほかの5基の発電機のうち4基でも亀裂が見つかり、このうち1基では亀裂が支柱の周りの約3分の1に及び、風車が落下するおそれがあるため、京都府は取り急ぎ風車を外すことにした。
京都府は、残る発電機について補修が可能かどうか、検討する。

JFEは納品した風力発電機の検査を終えたのであろうか。人身事故が生じるおそれもあり、心配だ。まだだったら、設置した発電所側がJFEに調査させる必要がある。

三菱重工によると、風力発電設備の耐用年数は20年とし、最低20年は使用できる設計になっているとしている。
京都府は、メーカーに対して、5基の修復を無料でさせるのであろうか。保険の問題も生じてくるが・・・。

<2013年3月13日のJC-NET記事>
京都府は2013年3月13日、丹後森林スイス村にある太鼓山風力発電所(同府伊根町)に設置したオランダLagerway製の風力発電機の鉄柱が折れ、重さ約45トンの風車が地上約46メートルから落下したと発表した。けが人はなかった。
 京都府によると、壊れたのは6基ある風力発電機のうちの3号機。12日午後7時半ごろ、3号機の不具合を知らせる警報が管理事務所で鳴り、13日朝、点検作業で現地に向かった業者が落ちている風車を発見した。
落下したのは、長さ約25メートルでグラスファイバー製の羽根が3枚ついた風車部分。風向きによって風車の向きを変えるための装置と鉄柱の接続箇所から数センチ下で破断した。原因は金属疲労と見られている。
 なお、風力発電部分はオランダLagerway製であるが、躯体部分のメーカーや工事会社などは不明。しかし、オランダLagerway社が工事指揮したとみられるものの、Lagerway社の日本代理店はJFE。実施工事はJFEとみられる。
別紙のとおり、Lagerway社製の風力発電機は全国21ヶ所に118基設置されている(2005年10月現在)。
 
当時、電力自由化の名の下、国の補助金行政により日本中にブンブン丸の風力発電所が設置された。そのため安全面が疎かにされた面があったかもしれない。10年くらいで金属疲労により首根っこが折れ、頭が落ちるとは、設計ミスとしか考えようがない。

<太鼓山風力発電所概要>
名 称   :太鼓山風力発電所(京都府与謝郡伊根町字野村小字太鼓山地内)
運用開始年月:平成13年11月
設置台数  :6基
最大出力  :4,500kW(750kW×6基)
年間発電量 :8,549MWh(計画)
総事業費  :約15億円
運 営   :京都府の公益外郭団体が運営

<風力発電機>
メーカー:オランダのLagerway製
性能 :カットイン風速3m/s カットアウト風速25m/s 耐風速60m/s(ブレードは70m/s)
ローター:直径50.5m 発電回転数13~33rpm
ブレード:枚数3枚 重量2.4t/枚 材質GFRE(グラスファイバー製)
タワー :ハブ高さ50m 重量63t/基 材質SS400(鋼製)
ナセル :重量38t/基 寸法W5.6m×L3.3m×H6.5m 材質SS400、GFRE
風向制御方法:強制ヨー(羽根が風に対向するよう制御)
出力制御方法:ピッチ制御(羽根角度を制御)
発電機   :型式三相交流同期発電機 定格出力750kW極数84極

Lagerway製の設置は、
江差ウィンドパワー(株) 28基
幌延風力発電(株) 28基
〔株〕青山高原ウインドファーム 20基
(株)シーテック(WP久居榊原) 4基
などとなっている。

[ 2013年8月27日 ]
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