アイコン 8月の鉱工業生産 前月比▲0.7%減 前年比▲0.2%減

今の日本は、自動車産業だけが好調を維持しているのみ。その自動車産業もこの間、海外 への工場進出を加速させた。ただ、サプライチェーンの一個連帯を引き連れての進出だが、日本から現地工場へ送られている部品もあるため、まだ救われてい る。リーマン・ショック前までは花形産業であった家電業界や半導体・電子部品・スマホなど携帯端末はすでに場外となっている。ほか日本が強い分野は、ロ ボットなど生産機械であるが、世界の工場基地と自負する中国も含め世界不況の只中で、輸出数量が伸びない状況となっている。円安で利益は稼げるものの、数 量増には結びついておらず、円安持続と世界景気の回復を待つのみとなっている。
ただ、海運業界はバルチック指数が大幅に上がってきており、連れて倉庫業の投資も盛んになりつつある。そのため、輸送・搬送機器分野は輸出含め堅調となってきている。

1億2千万人を要する内需は、一部金持ちが株高で消費に動いているものの低賃金の非正規雇用ばかりが増加し、税金・社会保険が上がり、電気代が上がり、燃料費が上がり、全体では首が回らなくなってきている。日銀の円たれ流し政策が不動産開発に寄与してくれば、建設投資が活発化し、建設関連・消費関連にはプラスに寄与するものと見られるが、消費税増税前の駆込需要との相殺もあり、来年は不明な点も多い。また、日銀願望のデフレ解消も、円高による燃料及び原材料の高騰でのインフレ圧力が強まっている。

<生産>
 8月の生産は、前月比▲0.7%の低下と2か月ぶりの低下(前年同月比は▲0.2%の低下)となり、指数水準は97.2(季節調整済)となった。 生産の低下に寄与した業種は、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業(除.医薬品)、輸送機械工業等であった。品目別にみると、普通乗用車、モス型半導体集積回路(メモリ)、反応用機器の順に低下に寄与している。

<出荷>
 8月の出荷は、前月比0.4%の上昇と2か月連続の上昇(前年同月比は▲0.8%の低下)となり、指数水準は96.0(季節調整済)となった。 出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、金属製品工業等であった。

<在庫>
 8月の在庫は、前月比▲0.1%の低下と0.0をプラスとみれば3か月ぶりの低下、マイナスとみれば2か月ぶりの低下(前年同月比は▲3.2%の低下)となり、指数水準は108.6(季節調整済)となった。 在庫の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、化学工業(除.医薬品)、はん用・生産用・業務用機械工業等であった。
 8月の在庫率は、前月比1.6%の上昇と2か月ぶりの上昇(前年同月比は▲2.7%の低下)となり、指数水準は112.3(季節調整済)となった。

鉱工業指数 平成22年:100
 
季節調整済
原指数
 
8月指数
前月比
8月異数
前年比
生産
97.2
-0.7
92.5
-0.2
出荷
96.0
0.4
91.8
-0.8
在庫
108.6
-0.1
109.8
-3.2
在庫率
112.3
1.6
117.5
-2.7
 
[ 2013年9月30日 ]
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