アイコン 低コストで温度差発電 初の海中実験へ ジャパンマリンユナイテッドと佐賀大

ジャパンマリンユナイテッド(株)(本社:東京都港区芝五丁目36番 7号)は5日、国立大学法人 佐賀大学と共同で、佐賀大学による「海洋温度差発電」を活用した世界で初めての浮体式の没水型海洋温度差発電を開発し、 2013年9月2日に、一般財団法人日本海事協会(NK)よりAIP(Approval In Principle:概念承認)を取得したと発表した。
 これまでの海洋温度差発電では、米国のOTEC-Internationalが、2011年に10MW級のスパー型OTECでABSの認証を受けているが、没水型では世界初めての船級協会の認証となる。
 実海域で実績をもつ没水型は、世界唯一、一般財団法人マリノフォーラム21における5年間のプロジェクトで使用した海洋肥沃化装置「拓海」のみ。
「拓海」は当プロジェクトにおいて、期間中、台風による5回の直撃を受けたものの、日量10万トンの海洋深層水を汲み上げた実績を持つ。

今回、これらの実績をもとに、同社は佐賀大学と共同して、10MW級海洋温度差発電の概念設計を行った。
 佐賀大学は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「海洋エネルギー技術研究開発/次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」事業において『海洋温度差発電』の研究開発を (株)神戸製鋼所と共同で行っている。
この事業では、2020年以降の事業化時に、発電コスト20円/kWh以下を実現するため、新しい熱交換器および熱サイクルの要素技術を開発している。
 2012年度に、海洋温度差発電の関連企業の協力を得て、1MW陸上型および10MW浮体型の基本設計を行った結果、10MW浮体型では浮体等の開発とともにコスト削減が進むと、量産時の発電コストが20円/kWh程度になる可能性を示した。
 今後、これまでの成果を活かし、国内および海外で進められる海洋温度差発電の実証を目指す。特に米国、フランス、インドネシア等においては、日本の技術優位性が高まるものと期待されている。
「海洋温度差発電」は、海の浅いところにある温かい海水で液体のアンモニアを蒸発させ、その蒸気でタービンを回して発電したあと、深い海から汲み上げた冷たい海水で蒸気を冷やして繰り返し発電する仕組み。天候に左右されず安定して発電できることから、新たな再生可能エネルギーとして注目されている。

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[ 2013年9月11日 ]
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