アイコン 唐津市の日本水産子会社の金子産業で2人死亡 廃棄物処理タンク内の硫化水素

9月18日午後6時半ごろ、佐賀県唐津市中瀬通の水産加工会社「金子産業」の高さ3メートルの廃棄物処理タンク内で、男性作業員2人が倒れているのを社員が見つけた。
佐賀県警や唐津市消防本部によると、2人は意識不明の状態で病院に運ばれたが死亡が確認された。
 タンク内で有毒な硫化水素が検知され、付近は一時立ち入り禁止となった。
 消防や金子産業によると、2人は48歳の社員と68歳の契約社員で、廃棄物の処理担当者という。タンクでは加工した魚の廃棄物などを貯蔵していた。2人は底にたまった汚水に浮いた状態で発見された。
以上、報道されている。
タンクは縦5メートル、横4メートル、高さ3メートルの大きさで、魚を加工する際に出る廃棄物や汚水を溜めていた。
まったく同じ死亡事件が本年5月30日、佐世保市で起きていた。水産加工会社の「昌丸」(本社:唐津市)の佐世保営業所の廃棄物処理タンク内で3人が、水産廃棄物から発生する硫化水素で倒れ、うち1名が死亡した事件があったばかりであった。
同じ水産加工会社での死亡事件の教訓が、まったく生かされなかった。

<金子産業について>
 金子産業は、元長崎県知事で現在参議院議員の金子原ニ郎の父親の故金子岩三氏(元衆議院議員、元農林水産大臣)が起した会社である。
父親の金子岩三氏が引退するに当たり、政治に関して、選挙地盤を次男の金子原ニ郎に引継がせ、現業の水産事業は、長男の金子源吉に引き継がせていた。
ところが、金子源吉はバブル時代、養殖事業やホテル等不動産事業で大きな投資を行い失敗、主力銀行の親和銀行が乗り込み、10数社あった金子漁業グループは、形の上では、親和銀行から派遣された者達が経営権を掌握して、親和銀行がグループ企業の債務カットなど行っていた。しかし、実態は金子源吉はオーナーとして君臨していた。
親和銀行が実質破綻して福銀傘下となるや、兄弟そろって動き(金子原ニ郎が長崎県知事時代)、福銀は、金子グループに対し、水産庁に産業活力再生特別措置法の適用申請をさせ、不良債権処理の最終処理を行った。
その最終処理において、売上高114億円の金子産業を昨年4月、日本水産が購入した。父親が水産業を家業として営みながら農林水産大臣であったことから、日本水産とのかかわりも深く、金子原ニ郎は大学卒業してから、日本水産に就職していた。
金子産業は現在、日本水産が完全子会社にしているが、金子産業を買収する前の社長であった高月守氏(金子氏の息がかかった親和銀行OB)が会長として在籍している。
天下の日本水産たるものが、他社案件ながら佐世保で5月起きたばかりの水産加工場の廃棄物タンクでの硫化水素による死亡事件を、子会社で発生させるとは、まだ金子産業については、日本水産の管理が十分なされていないようだ。
まだ、一動きあるのか社名も金子産業のままにしており、日本水産も困ったものである。

商号
金子産業株式会社(金子漁業から分離)
創業
明治38年(1905)
設立
昭和62年(1987)
 
平成24年4月、日本水産が株取得
資本金
9千万円
代表者
代表取締役 笹生 勝則
従業員数
280
事業内容
水産食品事業
(水産物の加工・販売)
魚類養殖事業
(魚類の養殖)マグロ・トラフグ
冷凍冷蔵事業
(水産物等の冷蔵保管・凍結)
飼料事業
(養魚用配合飼料の製造・販売)
石油販売事業
(石油の販売)
所在地
847-0192 佐賀県唐津市中瀬通1番地8
 
[ 2013年9月19日 ]
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