アイコン 健康 整形美人の「加工肉」を「肉」と表記させてよいのか 食材偽装問題

阪急阪神ホテルズ関連の一流ホテルに端を発した未曾有の偽装食材事件、一流ホテルや一流レストランでも調理人の世界に経営陣からコスト圧力がかかり、一流シェフが本末転倒の食材をお客に対して提供していた。
と ころで、ブランド牛としてメニューに掲載していた牛肉料理が実は豪州産のオージービーフ、それも柔らかく偽装するため、筋などを取り払いバラバラにした食 べやすい肉部分を取り出し、小麦や大豆・卵・乳成分を含むツナギにより、整形美人化した加工肉を使用していたことが判明している。
それに対して、ホテルやレストラン業界は、メニューにブランド肉名や和牛などの表記を止め、整形美人化した加工肉を「肉」として表記して提供するという。

ここで問題となるのは、整形美人化する加工肉には、いろいろなものが入り込む余地が大きい点である。それもホテルで整形美人の肉を造るのではなく、肉の加工業者が製造している。

中国では赤ちゃん用の粉ミルクメーカーが、増量するため超安価で人体に有毒である白いメラミンの粉末を混入させた重大事件があった。

今回の問題では、加工肉を増量するため、何が入っているか不明な肉が登場する余地が大きい。
当然、日本の場合は、食材として認められている成分を使用しようが、実質少量の肉でも、海外産のそれも安い肉質部分で120グラムや150グラムのビーフステーキ肉が、簡単にお客に提供できるようになる。味などは今や合成していくらでも偽装できる世の中だ。
こうしたことから、単なる「肉」表示に変更することでは、なんら解決しないどころか、さらに複雑にしてしまう可能性が高い。

加工肉は加工肉として、肉成分が何%と成分表示させ、ツナギや増量剤に何を用いているのか、それに健康に問題ありとされるソルビン酸などの保存剤は、甘味料は何を使用しているのか、表示させる必要がある。また、アレルギー表示も当然必要だ。
それほど、整形美人化した加工肉を「肉」とだけ表記させることには問題ありなのだ。

宮崎牛は、但馬牛は、伊万里牛は、松坂牛は霜降りたっぷり、ほんとに柔らか、美味しい美味しいと食した一流ホテルやステーキレストラン、実は偽物でしたでは、お客にも汗水流し研究を重ねている生産者に対して、言語道断だとしか言いようがない。
今回の問題は、日本の牛肉は偽装されていると世界中からレッテルを貼られ、TPPで少しだけ生き残れる可能性のあるブランド牛にも水を差す大問題なのだ。日本一となった宮崎牛も「もう~」と泣いている。

また、産地偽装問題は、それ以前の詐欺事件だ。
宮崎地鶏で有名な宮崎市の一流ホテルで食する地鶏料理が、実はブラジル産の鶏肉でしたでは、それなりのお金を支払い、宮崎地鶏を食べに来たお客さんに対して、100歩譲っても許されるものではなかろう。
海老の問題は、単に価格が高いことに起因している。漁獲が安定せず高い車海老より安い冷凍物のブラックタイガーに化け、南アジアの養殖場の多くで病原菌が発生、そのブラックタイガーも高騰して、同じ理由で産量が減っているものの、まださらに安いバナメイ海老に変わっただけであり、産地偽装問題と同じ問題だ。
エビの高騰については、食材偽装事件発覚以前の2013年10月 7日に当JC-NETで取り上げていた。
http://n-seikei.jp/2013/10/post-18177.html

<2013年10月31日、英BBC中国語サイト>
猫肉をウサギ肉と称してレストランに卸していた中国江蘇省淮安市のヤミ組織が摘発された。
人民日報によると、10月30日午前4時半ごろ、かねてからマークしていた組織の拠点に警官隊が突入。現地公安局や動物衛生監督所、工商局の合同捜索で、60匹以上の生きたネコと、加工処理された猫肉30kgを押収した。
これらのネコは、野良猫や飼い猫を専門に捕まえる業者から、1匹10数元(約200円)で仕入れているという。ヤミ組織の加工拠点は1年以上前から淮安市淮陰区に存在した。
そこへトラックが猫の入ったケース100箱ほどを2~3日おきに運び込んでいた。
一部の生きた猫は広東省と広西チワン族自治区で販売 、ケースの中で死んでしまった猫は皮をはぎ、ウサギ肉としてレストランやマーケットに販売していたという。
猫肉を食べる習慣は、主に広東省に集中し、毎年400万匹のネコが食材として消費されているという。
ニャンコが可愛そう。

ニャンコの肉が肉料理として日本の一流レストランの食材に使用される可能性は、牛肉を肉と称することにより決して0ではない。
牛肉で価格が高いのは、牛に運動させない日本の牛、その次が穀物を食べさせるアメリカ牛、アメリカ牛より安いのが放牧して肉質が硬くなる豪州牛、それより安いのは、アルゼンチン・ウルグアイなどの牛だ。健康的な牛の順番は逆になるが・・・。
もっと安い牛肉が日本にもある。乳牛で乳が出なくなった高齢牛。その肉をバラバラにして柔らかく、味や食感も含め偽装することぐらい、中国人に依頼しなくても簡単にできる。加工肉の「肉」表示の安易な導入は、こうしたことが起こりうる。
農水省は、今回の信用を100%損なった日本の一流ホテル・レストランの偽装食材事件を受け、スーパー等で販売される肉や魚同様、表示を統一すべきだ。ただ、現在の表示法でも、加工肉、加工魚や盛り合わせ肉、盛り合わせ魚などは、生と冷凍、産地等記載せずに済む抜け穴もある。

アメリカでは昨夏FDAより、韓国産の貝類から人由来のウンコ成分が検出され、韓国から輸入されている貝類全部、生・加工・缶詰に至るまで販売禁止措置が取られた。それほど輸出国名は必要なのだ。

[ 2013年11月11日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサード リンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索