アイコン 中国の銀行 韓国で金集め

中国系銀行は最近、市中の浮動資金が、高金利の資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)で韓国の浮動資金をかき集めている。
 中国系銀行は、韓国で調達した資金を人民元に換え、大半を本国に送金している。これは中国本土での預貸率規制などで、中国国内で貸出財源が不足しているためと推定される。

  韓国預託決済院と韓国の格付会社3社によると、中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、交通銀行の4行は11月、ソウル支店を通じ、合計で1兆2,000 億ウォン(約1,200億円/0.10円)の新規預金を集めた。これは10月(5,538億ウォン)の2倍以上、今年6月(276億ウォン)の44倍に達 する額。

ABCP商品で資金集め


 中国系銀行が韓国国内で多額の浮動資金を集めているのは、韓国の証券会社が、人民元定期預金を担保とするABCP商品を開発し、積極的に販売していることによる。
今年9月、東部証券は市中銀行の1年物定期預金(年3.3%)より金利が、0.5ポイント高いABCP商品を発売。
東部証券が、中国銀行に人民元定期預金口座を開設、それを担保にしたABCPを設定し、顧客に販売する形式。顧客の資金は、人民元定期預金に預けられる。
投資家が、ABCP商品を買う理由は、為替先物市場でヘッジを行い、為替変動リスクを取り除いたため。
 今年6月末に1元=190ウォンまで、元高が進んだ人民元相場は、最近174ウォンまで元安が進み、人民元への投資は、為替差損を懸念せざるを得ない状況となっている。

 ABCP商品を販売した証券会社は、手数料収入を得る。顧客は大半が大企業や金融機関で、証券会社の特定金銭信託、一任型資産管理口座などを通じ、ABCP商品を購入する。

東部証券の担当者は「低金利時代にプラスアルファの収益を期待でき、投資家が殺到した」と説明している。
 最初ABCP商品を扱っていたのは、中国銀行と東部証券程度だったが、人民元建てABCP商品に対する人気の高まりを受け、11月からは交通銀行と韓国の証券業界6~7社が、6000億ウォン(約588億円)規模の人民元定期預金担保ABCP商品を販売するなど、取扱金融機関が増えている。
こうした流れを受け、11月末現在で韓国の人民元預金残高は、前月末に比べ154%増の41億7,000万ドル(約4,295億円/103円)に達している。
以上、韓国紙より

以前、中国当局の金融引き締めに対して、香港との偽装輸出証明で香港から大量の資金を調達していた中国の金融機関であるが、それを当局が取り締まったため、中国の金融機関で資金不足に陥る事件があった。今度は資金調達先の矛先が韓国へ向かっているようだ。

韓国は経常収支が増加する一方であり財務基盤が強く、世界の通貨に対してウォン高となっている。中国経済が回復しなければ、更に元に対してウォン高になる恐れも高い。
韓国の経済地盤は、国内経済の状況に関係なく、GDPの半分以上を稼ぎ出す輸出企業によって健全極まりない状況だ。それでも国内経済が悪化しているのは、政権の経済政策力不足によるものである。

 

[ 2013年12月10日 ]
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