アイコン 車載ネットナビシステム「コネクテッドカー」と個人プライバシー情報  

車載ナビにインターネットが接続された「コネクテッドカー」、使用者にとって便利だが、一方で、プライバシーが筒抜けになっており、プライバシー情報の守秘義務だけでは収まらなくなっている。 フォードの営業責任者が先々週、「自動車メーカーは、ネットを通じてドライバーの行動を把握できる」と示唆したことで論争に火がついた。さらに、フォードの上級副社長が、今月開催された家電米見本市で「われわれは法を破った人をすべて把握している。あなた方が法律違反をすれば分かる。当社の車にはGPSがついているから、あなた方が何をしているか分かる。ところで、われわれはそのデータを誰にも提供しない」と語り、問題 ・・・続きへ

 フランケン議員が引用した先週の米会計検査院(GAO)の報告書によると、フォードを含む調査対象メーカーの10社すべてが顧客の位置情報を収集し、共有している。
幅広い産業分野の企業が、モバイル機器を通じて生み出される情報を収集・利用していることに警戒感が強まる中、どの車がどの程度ドライバーの情報を探っているかも疑問視されるようになっている。
 GAOの報告書はさらに、自動車メーカーが顧客に示した情報収集の理由が、あまりにも「おおざっぱ」で、「無制限に情報を収集・利用できる可能性がある」と指摘した。

こうした議会の動きに対して、米フォード・モーターやその他の自動車メーカーは、インターネットに常時接続する「コネクテッドカー」をめぐるこうした懸念への対応を急いでいる。
 コネクテッドカーとプライバシーをめぐる議論は、 その後フォードは、顧客の同意を得ずに個々の顧客を追跡することはないと明言した。

 今や車にはGPS情報のほかにも、消費者の行動についての情報の供給源になるようなアプリケーションが詰め込まれ始めている。
 自動車メーカーには、ドライバーの情報の収集を全面禁止にするような規制を回避したい強力な動機がある。メーカーは車から得た情報で不具合や安全問題の兆候を早期に突き止め、費用のかかるリコール(回収・無償修理)の規模を抑えることができそうだ。
 米電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズなど、一部メーカーは、Wi-Fi接続を通じて不具合を修正することさえできる。

 ドイツの高級自動車メーカー3社は、今週の北米国際自動車ショーで、メーカー側は車を高速無線ネットに接続させて通信能力を向上させることで、車が盗まれた際の位置の掌握など、顧客情報を入手しやすくなると認めた。
 
 BMWは、2014年モデルからインフォテインメントシステムに「全消去」ボタンを付け、それまでに車載システムに蓄積された全情報をドライバーが消去できるようにする。
 独ダイムラーの高級車ブランド、メルセデス・ベンツでは、ドイツは企業の個人情報収集に関する法規制が米国より厳しいこともあり、プライバシー問題を気に掛けているとしている。
 独フォルクスワーゲンの高級車部門アウディは製品に4Gワイヤレス接続機能を装備し始めている。一部のアウディ車はカーナビに「グーグル・アース」を利用する。アウディ米国法人のスコット・キーオ社長は、グーグルの地図情報は保存されないと話した。

 メール含むネット上の個人情報は、グーグルでもヤフーでも、米諜報機関NSAに対して情報提供していたことが判明しており、「コネクテッドカー」での個人情報は、メーカーを含むネット業者に集約され、情報が外部に利用されない保障はどこにもないのが現実となっている。
例え、BMWが「コネクテッドカー」に「全消去」ボタンを設けたところで、納得性は僅かなものだろう。
今でもネット上では、利用者が預かり知らぬところで、利用者の情報が克明に記録され、かってに利用されている。
利用制限をしたところで、それを検証する機関がなければ、情報は勝手に善意にも悪意にも利用され、ネットを介している以上、華為のように公的にバックドアでも仕掛けたら、何も対応することもできないのが現実だ。

[ 2014年1月20日 ]
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