中国政府は、４００兆円ともいわれる超巨額のシャドーバンキング問題を抱え、不動産市場を落ち着かせるための新たな全国的な対策実施を見合わせている。
２０１３年６月の金融パニックから中央政府により厳格化しているとされる貿易輸出でも、シャドーバンキングによるものと見られる資金調達の架空貿易の横行が再度見られてもいる。そうした資金が、中央政府の不動産市場への貸出抑制策の裏側で、大きく動いており、住宅価格は上がり続けている。
　中央政府による不動産市場向け貸し出し抑制策や地方政府や市当局による不動産市場の抑制策が機能していないことを物語っている。
ただ、州都を中心とする少なくとも10都市が昨年11月以降、不動産対策を強化。深圳、上海、広州の各市は２軒目の住宅購入に対する頭金の要件を引き上げた。　

こうした状況に、中国政府は、今年、大都市は間違いなく不動産抑制策を一層強化することになる。ただ、これまでの上昇抑制策が効をまったく奏しておらず、手探り状態での政策が続いている。当然、バブル崩壊だけは回避したい中途半端な政策となっている。
中国政府は、これまで抑制策として、２軒目購入における優遇税制や優遇金利の撤廃および頭金要件引き上げなどしてきたが、中国国民はこれに対して、偽装離婚することで、優遇の恩恵を受け続け、購入拡大が継続する要因の一つともなっている。
かなりの購入が、一攫千金を夢見た投機目的での購入であり、一般国民の手には届かない価格となっており、家賃も高騰、上海などでは、若者の多くが賃貸のタコ部屋生活を余儀なくされている。

中国のマンション販売は、ガワだけの販売であり、内装は全部購入者が工事を行うシステム、そのため、投機目的で購入したマンションは、内装されず、建物全体がお化け状態となっているビルも多いとされている。
この有様では、バブル崩壊しか不動産価格の沈静化はできないと思われる。
下記資料は中国国家統計局の発表分であり、各主要都市の平均値、場所によっては年間５割以上上昇しているところもある。