アイコン 小米科技とシャープ  北京小米科技とは・・・

経営再建中のシャープが、低消費電力で高精細な液晶パネル「IGZO」を、中国のスマートフォン(高機能携帯電話)新興メーカー(2010年設立)、北京小米科技(シャオミ)から大量受注している。月産で100万台程度とみられる。
テレビより利益率の高いスマホなどの中小型パネルの安定受注により、業績は回復基調。平成25年4~12月までの第3四半期の連結決算で、最終利益が3年ぶりに黒字を確保し、100億円規模になる見通しと発表した。同社はこれまで通期で50億円の利益を予想していた。
北 京小米科技は親会社もなく設立されてまだ3年、通常の日本企業では取引する相手ではないが、シャープも瀬戸際。また、日本が失ってしまった「オーナーの開 発力・商売力」を中国企業は有してきており、経営者が守銭奴だけの発想ではなく、しっかりしていればその将来性にかけ、ある程度単価が安かろうが、積極的 に対応すべきだろう。
第3四半期の利益計上は、シャープは工場稼働率を上げれば利益が出る体質まで改善されてきた証明だろう。

<北京小米科技>中国のジョブスと呼ばれる雷軍氏
一方、北京小米科技は、中国のアップルと称せられ、ネット販売を主力に発売と同時にあっという間に完売させたりしているが、中国のジョブスと呼ばれる雷軍氏が代表を務めている。

小米ファンの存在は、雷軍氏は「米神」と呼ばれるほどカリスマ性に富んでいる。雷氏のミニブログ「新浪微博(ウェイボ)」は881万人(昨年9月時点)のフォロワーを持つ。そのファンを利用し、広告費用を一切かけず、ファンが購入者兼広告塔になり、売りさばいている。
同社は、1999元という低価格戦略で、サムスンの新機種GALAXY Note3とiPhone5Sを真っ向から迎え撃っている。

小米は2010年の創業から僅か3年。これまで1年で1機種しか発売せず、しかも中国大陸市場でしか販売していないにもかかわらず急成長、2012年の販売台数は719万台。 これは台湾のHTCの中国大陸販売台数の倍以上に当たる。2013年上半期の販売台数は703万台に達し、2013年第2四半期の中国市場シェアでは、アップルまで一気に抜き去っていた。

<CHINA DREAM>
雷軍氏は、低価格端末「紅米」も市場投入、2014年、「小米」スマホの年間販売台数は3,000万台に達すると予測されている。
雷軍氏の経営哲学は「自分が奉仕しているのは誰なのか」、消費者は単なる数字ではなく、生身の人間だということを技術者にもわからせるという。
製造は、アップル同様OEMメーカーへ、でも価格はiPhoneの半分にと、ハイスペック低価格戦術が創業開始間近にして大成功している。
それを裏付けるように、「小米」スマホのサプライチェーンには、クアルコム、サムスン、LG、大立光など、アップルOEMメーカーが並んでいる。
第一線のスマホの部品スペックと比較しても、「小米」スマホの設計は引けを取っていない。「小米」スマホは、中国ブランドに対する「模造品、パクリ商品」というこれまでのイメージを完全に覆している。
2012年の営業収入は126億5千万元(約2,024億円)、納税額19億元(約300億円)に達している。
2013年の上半期の営業収入は132億7千万元(約2123億円)と、昨年1年をはるかに上回っている。2013年期は莫大な増収増益になったようだ。

雷軍氏は「2年後(2015年)、営業収入1000億元(1兆6000億円)の大台を狙う」と豪語している。
これが現実になれば、小米は5年でゼロから1000億元という奇跡を成し遂げることになる。

<経費の削ぎ落とし>
小米はソフトとアプリケーションの開発しかせず、ハード設計と生産はすべてアウトソーシングしているため、高額なハード研究開発費が要らない。
「小米は携帯電話メーカーではなく、ネットワーク会社だ」とポジショニング、多くの携帯電話が通信契約とセットで売られる中でも、雷軍氏はそれに倣わなかった
オンライン・コミュニティ・マーケティングと小米サイト直販なら、マーケティング経費を節約できるだけでなく、実販売チャネルのコストも不要になる。
この点が小米の強み。小米とHTCの財務諸表を比較すると、2社の粗利率はそれほど違わないが、小米の営業経費は極めて少ない。純利益はここから生まれている。
ただ、販売台数が膨大になっており、メンテナンスやアフターサービス体制を追い付かせないと顧客離れを引き起こす可能性も持つ。

昨年の中国におけるスマホの出荷台数が3億5,400万台に達したと予測されている。ちなみに米国の出荷台数は1億3900万台。調査会社のカナリスは今年の中国の出荷台数が4億2,200万台に増えるとみている。

<新たなる展開も視野に>
小米は昨年、海外進出を見据え、グーグルのアンドロイド事業で幹部を務めていたヒューゴ・バラ氏を採用。バラ氏は、小米がシンガポールに進出する予定であることを明らかにしている。
雷軍オーナーは、小米をネットワーク会社と位置づけ、商売のあり方としてはAMAZONを参考にしており、新たなる商品が小米のネットワークに登場してくる可能性が高い。既に電気自動車の販売を計画しており、米テスラモーターズのEV車を販売するのではといわれている。

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スマートフォン各社の世界市場シェア(2013年第3四半期、カナリス調べ)

[ 2014年1月30日 ]
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