アイコン FRB金融緩和縮小 新興国リスク高まり円高へ

31日の取引で新興国市場からの資金流出が再び強まり、アジア、欧州、中南米の新興国の通貨・株式・債券が売られた。その資金の一部は日本へ向かい、円が買われ円高に。

各国中銀は不安解消に向け措置を導入したものの、多くの国が抱える政治・経済リスクに対する懸念は払しょくしきれていない。
新興国のぜい弱な通貨、高金利、成長低迷、資本流出が連鎖する負の循環に陥っており、こうした負の循環を断ち切るには、新興国の資産が大きく値下がりするしかない。
FRBによる緩和縮小に伴う世界的な流動性低下により、経常赤字や政治リスクなど新興国が独自に抱えている問題が悪化している。
今 回の新興国不安の背景には、中国の景気減速懸念が指摘され、中国人民銀行(中央銀行)による何らかの景気刺激策が望まれている。ただ、なかなかコントロー ルの効かないシャドーバキング問題(6兆ドル/ブルームバーグ)も抱え、大都市部ではまだ不動産バブルが続き、開発を主導し膨らんだ地方政府債務の 対応に苦慮し、保八すら放棄して先は見えない。(保八・・・8%の経済成長がなければ流入し続ける労働者の雇用を維持できないという以前の国家政策)

世界的な株安と新興国為替で売りが広がっている。
31日の新興国通貨の動きなどは、
ロシアルーブルは対ドルで1%下落し5年ぶりの安値。1ヶ月間に6.5%下落している
ハンガリーフォリントは対ユーロで1.5%下落。同国の国債利回りは短期債から長期債にわたるまで20ベーシスポイント(bp)上昇。
ポーランドズロチは対ユーロで1%安。10年債利回りは10bp上昇し、4ヶ月半ぶり高水準。
トルコリラと南アフリカランドは同約1%安。1ヶ月間に4.8%下落。
南アフリカの国債利回りは、追加利上げ観測が出ていることで2011年半ば以来の水準に上昇したものの、通貨ランドは1ヶ月間で5.7%下落。
アルゼンチンペソは1ヶ月間で18.7%下落。2013年のプライマリーバランス(基礎的財政収支)は前年比5倍増の225億ペソ(約2880億円)の赤字、過去21年間で最大の赤字となった。
チリペソは、1%超下落。
ブラジルレアルは0.5%安、
メキシコペソは0.3%安。メキシコ中銀は31日、主要政策金利を過去最低の3.50%に据え置くことを決定している。
インドルピーは、1ドル=62.68/69ルピーでこの日の取引を終了。前日の62.56/57ルピーから下落している。
タイバーツの政情不安、経済指数悪化、ドル流出に歯止めかからず為替安続く。
中国の外貨準備運用責任者(元PIMCOのファンドマネージャー)が理由なき辞任。
中国国家統計局の1月の製造業購買担当者指数は昨年8月から12月まで51%台をキープしてきたものの50.5ポイントに低下(12月51.0)。HSBCの1月PMI速報値も49.6と前月の50.5から低下していた。・・・海外からの投資が減少どころか引き上げ加速ともなれば世界の一大事。
シンガポールとマレーシア、中銀介入、31日の為替は安定。
ギリシャは、基礎的財政収支黒字転換、ただ過去最大の失業率が不安材料。

<機関投資家の動きに注目>
世界通貨となっているドルだが、FRBは、自国のリーマン・ショックからの経済回復を見て、これまで膨大な量のドルを垂れ流し続けてきた。しかし、景気の過熱化によるインフレを懸念して垂れ流し政策の縮小過程に入っている。
ただ、その弊害が、自国だけならば問題は少ないが、経済低迷や政治的リスクを抱える新興国へ投資されていたドル資金が一挙に引き上げられており、新興国の大幅為替安を現出している。
しかも、これまで新興国への投資を引き上げているのは個人投資家とされ、今後、機関投資家が本格的に引き上げにかかれば新興国の為替は総崩れして暴落、経済悪化に歯止めがかからないようになると憂慮されている。

グローバル化している現在、回りまわって米国経済も影響を受けることになる。しかし、近視眼的な政策を採るFRBであり、今後、世界からの圧力で、一時的に縮小が緩和されたとしてもその縮小方針に変わりはない。だが、新興国の経済発展が鈍化すれば、世界経済は縮小することにもなり、持ち直しつつある欧州経済もその影響を受ける。アメリカも同じことだ。昔のようにアメリカ経済の回復だけで世界経済が潤うことなどありえない。
アメリカは金融緩和を縮小すると昨夏始めから言い続け、この間、新興国の為替は下がり続けてきた。その影響も含め、新興国の経済は悪化してきている。今般は、FRBが2度にわたり米国債の買い入れを縮小させたことから、更に新興国への投資資金が回収(ドル買)され、一段と為替安が進んでいる。
1月31日はNYダウも▲149.76ドル売られ、12月31日の最高値16,576.66ドルから1月31日15,698.85ドルとなり、下げ基調に入っている。
目先の動きとして、2月3日就任のイエレンFRB議長は、雇用重視者として知られ、2月5日に発表されるADP民間雇用者数と7日の労働省の非農業部門雇用者数などの数値が注目され、今後の金融政策に影響を与えるものとなる。(ただ、短・中期的に縮小方針に変化なし)

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[ 2014年2月 3日 ]
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