アイコン 2013年ネット通販市場16兆円に2桁拡大続く 国内消費市場は微減傾向のなか

インターネットを使って商品やサービスを取引するネット通販が拡大し、2013年度の市場規模はスーパーや百貨店を大きく上回る約16兆円に膨らむ見通し。
取り扱う商品は家電や日用品からマンション、自動車まで広がり、スマートフォンの普及で取引がより手軽になった。
個人間の取引も増えるなど流通業界の構図が大きく変わってきた。
 調査会社のMM総研(東京)の推定によると、12年度のネット通販市場は約14兆2000億円、13年度は国内消費全体の5.6%を占める約15兆9000億円。一般用医薬品のネット販売解禁などもあり、15年度には20兆円を超える勢い。

MM総研(東京都港区)は1月29日、個人消費動向に関する市場規模調査の結果を発表した。市場規模の算出は、MM総研による全国アンケート調査、内閣府の民間最終消費支出、総務省の人口統計データを活用した。
昨今、O2O(=Online to Offline)やオムニチャネル、店舗のショールーム化など、ECを通した新しい消費行動が起こっている。また、今年4月実施の消費増税は消費行動に大きな影響を与えることが予想される。
本調査では内閣府の「民間最終消費支出」を参考に、消費全体の市場を12分野に区分し、各分野の市場予測を実施した。
 
■EC市場は15.9兆円で、消費市場全体の5.6%を占める
 国内消費市場全体に占めるEC市場(※個人ユーザーが関与するBtoCおよびCtoC)を算出した結果、EC市場規模は15.9兆円となった。これは2013年度の国内最終消費の市場規模283.7兆円全体の5.6%を占める。
 EC市場における12分野の市場規模は、次のようになった。
「食料・非アルコール飲料」1.7兆円(EC市場に占める構成比:10.7%)、
「外食・宿泊」1.8兆円(11.3%)、
「アルコール飲料・たばこ」0.6兆円(3.8%)、
「被服・履物」1.4兆円(8.8%)、
「住居・電気・ガス・水道・エネルギー」2.4兆円(15.1%)、
「家具・家庭用機器・家事サービス」1.0兆円(6.3%)、
「交通・車・バイク・自転車」0.8兆円(5.0%)、
「電話・通信・郵便」1.2兆円(7.5%)、
「娯楽・レジャー・書籍・新聞・趣味・文化・デジタル家電」2.4兆円(15.1%)、
「教育・学習」0.8兆円(5.0%)、
「保健・医療・介護・薬」0.9兆円(5.7%)、
「美容・理容・装飾品・各種保険・金融サービス」0.9兆円(5.7%)

■EC市場のスマートフォン利用は2.6兆円で、EC全体の16.3%
 EC市場の市場規模を利用端末別で算出したところ、
「パソコン」が最も大きく11.8兆円(ECに占める比率74.2%)、
「スマートフォン」は2.6兆円(16.4%)、
「フィーチャーフォン」は0.8兆円(5.0%)、
「タブレット端末」は0.7兆円(4.4%)
と算出された。
ECでは自宅内でパソコンが中心的に使われているが、スマートフォンの利用も伸びてお
り、外出の際にも商品やサービスの詳細を検索し、購入する行動が見受けられるようになった。今後のEC市場はスマートフォンの活用がどの程度伸長するのかによって、市場の動向が左右されるだろう。

■消費増税に備え、駆け込み購入の意欲が高いのは「パソコン」や「衣類」
 消費税率の引き上げに備えて、「今後購入検討したい商品・サービス」について質問した。最も支持されたのはXPサービス終了問題の「パソコン」が12.0%だった。その後には、「衣類」10.0%、「スマートフォン」8.1%、「食料品」8.1%、「靴」7.6%、「国内旅行(パック含む)」 7.3%、「テレビ」7.0%、「自動車・軽自動車」6.7%などが続いた。

 上位となった分野は、「パソコン」・「スマートフォン」などの「デジタル家電」分野や、「衣類」・「靴」などの「被服・履物」分野であった。
また「自動車・軽自動車」や「冷蔵庫」・「洗濯機」などやや高額な商品の購入・検討項目が高くなった。
さらに2015年10月実施の「消費税10%」案が決定した場合、これらの商品の駆込需要がしばらく続くと思われるが、その後は反動で需要減少が避けられない。

<国内消費市場2014年度1%:減、2015年度0.4%減を予測>
 アンケートでは「今後、消費税率が8%、10%に引き上げられることによって、12分野への支出が増加するか減少するか」を尋ねた。
選択肢は
「消費税率引き上げの影響で支出が増える」
「消費税率引き上げに関係なく支出を増やす」
「消費税率引き上げを意識して節約する」
「消費税率引き上げに関係なく出来るだけ節約する」
「特に意識しない」の5つによって回答を求めた。
 これらの回答を分析した結果、全体として消費税率引き上げ分を意識した「節約志向」がみられ、消費税率アップの際には支出が減少することが分かった。
この結果を基に、2014年度、2015年度の国内消費市場規模を試算した。2014年度は前年度比1.0%減の280.8兆円、2015年度は同0.4%減の279.7兆円と全体として微減傾向となった。

<増税後もEC市場は二ケタ拡大続>
アンケートでは消費税率の引き上げによって、「実際の店舗での購入が増える」のか「インターネット購入が増えるのか」を尋ねた。
分析の結果、全体として実店舗よりもインターネットによる購入が増加する傾向がみられた。これをもとに消費税率引き上げ後のECの市場規模を算出した結果、2014年度は前年度比10.7%増の17.6兆円、2015年度は同14.2%増の20.1兆円に拡大する傾向となった。

アンケート調査概要
【調査方法】 WEBアンケート調査
【調査対象】 2,040名   ※76,997件のプレ調査(端末所有状況等)より無作為抽出
【対象条件】15~69歳の男性・女性で個人名義のパソコン・携帯電話・スマートフォン・タブレット端末のいずれかを1つ以上所持している人
【調査時期】 2013年12月
 

[ 2014年2月27日 ]
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