アイコン 第14報 韓国客船沈没  愈ユ・ビョンオンの経歴 一族と教会の資産 関係会社一覧 

<経歴>
韓国客船セウォル号(=歳月号)が沈没した運航会社の清海鎮海運の実質的所有者ユ・ビョンオン(73歳、兪炳彦)前セモ(三角)会長は、アヘという億万長者の写真家としての名も持つ。

1941年、ユ・ビュンオンは日本の京都市で生まれ、小学校の卒業を機に一家は大邱市に移り住んだ。大邱工業高校を卒業(進学校の星光高校卒の説もある)。彼はキリスト教の福音浸礼会を創設した故グォン・シンチャン牧師の娘を娶り、牧師の義理の息子となり、教会活動に携わった。
1974年の33歳の時、信徒の献金を元手に買収した貿易業の「三友取引」を経営、その後多角化。
1979年にセモ社設立、その後セモグループを作りあげた。
1981年、キリスト教福音浸礼会(救援派)を主宰。
1991年、キリスト教の福音浸礼会(救援派)信徒たちの献金11億ウォンを私的に流用した詐欺罪で(ほかの説では、170億ウォン(当時レートで約30億円)の借金で行き詰り、32人の集団自殺事件の五大洋事件(=オデヤン事件、1987年8月29日発生、会社兼新興宗教)で、ユ・ビュンオンは五大洋から借金して返さず詐欺罪に問われ)、4年間服役している。
1990年、ユ・ビュンオンが会長だった「セモ」社が運航していた観光遊覧船が漢江で沈没事故を起こし15人死亡。
1997年、沈没事故の補償などからセモ社は資金繰りに窮し1997年不渡りを出し2000億ウォンの負債を抱え経営破綻(民事再生)、その後、ユ・ビュンオン会長はセモグループから形式的に退任した。
1999年、ユ・ビュンオン支配下のセモ海運が仁川~済州島航路の免許を同じグループの清海鎮海運に監督官庁承認の下に譲渡して今日に至る。
1991年、キリスト教の福音浸礼会(救援派)信徒たちの献金11億ウォンを私的に流用した詐欺罪で(ほかの説では、170億ウォン(当時レートで約30億円)の借金で行き詰り、32人の集団自殺事件の五大洋事件(=オデヤン事件、1987年8月29発生、会社兼新興宗教)で、五大洋から借金して返さなかったとされ詐欺罪に問われ)、4年間服役している。
 
<写真家アヘとしての顔>度肝をぬく個展

ユ・ビュンオンは教会本山の京畿道安城に自身のスタジオを持ち、4年前から写真家アヘに変身している。
2011年4月、米国ニューヨーク・マンハッタンのグランドセントラル駅で「私の窓の外に(Through my window)」というテーマの個展(招待展)開催を皮切りに、2013年にかけロンドン・プラハ・ベネチア・パリで相次いで個展を開催して国際的に注目を集めた。
特にパリでは、2012年ルーブル博物館の前庭で110万ユーロの後援金を支払い開催、2013年にはベルサイユ宮殿内のオランジュリー美術館で140万ユーロの後援金を支払い開催したが、当美術館では1993年映画『ピアノ』でゴールデングローブ賞の音楽賞を受けた作曲家マイケル・ニモンと共にロンドン交響楽団を招聘し演奏させた。これを英国サンデータイムズ紙が「韓国の謎の億万長者の写真家の紀行」という内容で紙面に掲載したことから知れわたった。
ユ・ビュンオンは、これまでの顔と本名を徹底的に隠し、こうした各個展では、次男ヒョクギが企画兼スポークスマンとしてメディアのインタビューに対応するほど徹底している。

<<ユ一族の資産>>
ユ・ビュンオンと次男ヒョクギ(42 米国名Keith H. Yoo)は、米ニューヨーク近郊高級邸宅を含め世界各地に不動産を所有している。
<フランス>
2012年5月、ユ・ビュンオンは「Ahae・アヘ」名義で、フランス南部のクールベヒ村(面積10万㎡、人口150人)を裁判所の競売を通じて52万ユーロで購入。

<アメリカ>
1、1990年代、ユ・ビュンオンは、米国カリフォルニア州リバーサイド郡のラベンダー農場「123ファーム」を含むハイランドスプリングスリゾート(364万㎡)を約600万ドルで購入。
2、2003年8月、次男ヒョクギは、マンハッタンのハドソン川沿の高級マンションを175万ドルで購入。
3、2005年12月、次男ヒョクギは、ロサンゼルス近郊パームスプリングスに邸宅を92万ドルで購入。
4、2006年10月、次男ヒョクギは、マンハッタンアッパーイーストサイドの不動産を103万ドルで購入
5、2007年8月、次男ヒョクギは、ニューヨーク市近郊の約4万㎡の高級邸宅を345万ドルで購入。

<韓国内の教会と個人の資産>教会信者は金の成る木
ユ・ビョンオンは、傘下のグループ企業からの裏表の利益と信者から教会として「十分の一税」を徴収し、莫大な資産(個人資産と教会資産)を形成している。信者は約2万人(32人が集団自殺したされる五大洋事件(工芸品会社兼新興宗教)でユ・ビョンオンが嫌疑をかけられ元教会が3つに分裂、約2万人はユ・ビョンオンが主宰する教会の信者数)。
なお、キリスト教福音浸礼会救援派は1992年に大韓キリスト教長老会から「異端」宗教と規定されている。

1、 <総本山>
キリスト教福音浸礼会(別名:グウォンパ、救援派)の総本山は、京畿道安城市ボゲ面「金水源」にあり、敷地面積は合計23万m2(約7万坪)と広大、隣地を買収して拡大中。
敷地内には、大講堂、宿泊施設、有機栽培の農場や養魚場まで備えている。
ユ・ビョンオンは、最近まで安城サンサム里『クムスウォン』修練院で牧師として活動している。
総本山近くには、ユ・ビョンオンの自宅(ソウルにもあり)もあるという。

2、 <ソウル教会>
ソウル龍山区漢江路にキリスト教福音浸礼会(別名:グウォンパ)のソウル教会の建物がある 
1階に有機野菜などを販売するスーパーが入り、2階に集会場がある。

3、 <聖地の大邱>
聖地の大邱市内の教会は、静かな住宅街にグウォンパの本場として知られる教会がある。
ユ・ビョンオンの義父でグォン・シンチャン牧師が建てたといわれる。教会に隣接して、グループ会社の「タパンダ」の店舗が入り、近くには関連マートもある。保全信用協同組合があった建物も教会に帰属しているという。
また、教会のすぐ裏に、屋外プール付の長男ユ・デギュンの邸宅もある。

4、<ソウルの愈一家の自宅>
ユ・ビョンオンの息子兄弟名義で一家の自宅があるソウル特別市瑞草区廉谷洞一帯の土地5,729平方メートルが、キリスト教福音浸礼会系の「一二三営農組合」に売却されている。

5、<済州島>
所有不明ながら、済州島に「キリスト福音会」名義で300万坪の土地を所有していると報じら
れている。現在の不動産価値は1000億ウォン(約100億円)にのぼるという。
しかし、キリスト福音会が、ユ・ビョンオンが主宰するキリスト教福音浸礼会なのかどうかは不明。
「主に手を差し出しなさい」として若い女性信者に強姦し続けた牧師で収監中の鄭明析が主宰する「節理」も、「キリスト教福音宣教会」と名乗り、その勢力(精力)はいまだ衰えていない。

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<政界とのパイプ>
ユ・ビョンオン元セモ会長は、全斗煥元大統領の弟ジョン・ギョンファン氏と交友関係があるとされるが、ほかは不明。

<<セモグループ=ユグループ>>
1、<セモ>

1979年にセモ社を設立(当時セモグループの中核企業)。

2、<アイ・ウォン・アイホールディングス>(持株会社)
2007年設立の経営コンサルティング会社。ユ元会長の長男であるユ・デギュン(44)と次男ユ・ヒョ
クギ(43)が共同筆頭株主(それぞれ19.44%所有)。
アイ・ウォン・アイホールディングスは、天海地持分42.81%とアヘ持分44.82%。
この会社は、セウォル号=歳月号の運航会社の清海鎮海運を実質的に支配しているが、看板やオフィスもしっかりない幽霊会社。

3、<天海地=チョンヘジ>清海鎮海運の親会社
1985年セモ朝鮮事業部として設立、1990年高城ダンハンポに造船所建設。船舶部品や各種船の造船、海上用クレーンなど生産。2005年天海地に法人名変更している。清海鎮海運の39.4%の株を所有。

4、<アヘ>「子供」の古語、転じて「主」を表す。
1990年設立、防水・フローリングやペイントなどの塗料を製造販売。
2003年9月、障害者雇用促進の総理大臣表彰受賞、全羅北道知事表彰状と産業資源部長官表彰受賞、30件以上の特許保有。

5、<オンナラ>神が治めるという意味
1998年設立の有機食品メーカー。
清楚畑営農組合法人と関係し「清楚畑有機牛乳」「畑のミルク」と「ロビン牛乳」、「液状コーヒー豆」などを製造して販売。

6、<オンジク>神が治めるという意味
1986年設立、自動車用プラスチック製品製造会社。
スポイラーとバンパーガード、サンルーフなどを主に生産、現代・起亜に主に納品。三星と日産にも納品している。

7、<セムリ>旧約聖書「Samuel(サムエル)」
2006年設立の加工食品卸売会社。
年間売上高が2億ウォン内外だった2008年「タパンダ」、「ムンジンメディア」とコンソーシアムを構成して「セモ」を買収。

8、<ソクリサンザ>
コーヒー豆の輸入加工業者。カフェ運営も。細毛が株式100%保有。

9、<タパンダ>
2000年設立、ユ元会長の長男ユデギュン(44)が大株主。全国に57支店と133店舗を擁し、化粧品や健康食品、衛生と健康マットなどの訪問販売やネット販売を手がけている。1本1000万ウォン(100万円)の腸洗浄機も取扱っているという。

10、<ムンジンメディア>
1980年設立、1993年次男ユ・ヒョクギが代表となり、教育用英語教材と子供用の英語絵本などを出版、年商約180億ウォン。
英語専門書店「Kim&Johnson」(ソウル江南・釜山店)はユ一家所有、ここでは、ソウル大学の 言語教育院が編集した教材を扱っている。

11、<ノルンショッピング>
1990年設立、大型マートを経営、有機食品や農水産物の販売業者。 最大株主は長男のユ・ソンジェが17.7%保有。
ここで販売している製品を、有名芸能人や元スポーツ選手らが頻繁に購入に訪れている。

12、<アヘプレスフランス>
2013年頃、アヘの出資の下、ユ元会長の次男ユ・ヒョクギが、父の写真活動を補助し展示・出版等を行うために設立した会社。

13、<ジングルベルランド>
2003年、京畿道安城にある子供遊園地運営会社を長男ユ・デギュンが買収。その後、遊園地を住宅地に用途変更、資産価値が3倍以上上がった。

14、<ダルマエナガ>
2012年設立の海外ペーパーカンパニー。ユ・ビョンオン元会長が所有。ここを通じてマネーロンダリングや租税回避などの違法取引がなされたものと推定されている。
毎年、アイ・ウォン・アイホールディングスから1億2千万ウォンを受けとっているとされる。

15、<その他>直系一族+側近支配の会社群

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その他事項
ユ・ビョンオンは、毎年カレンダーを作成し、グループ企業の役員たちに1冊50万円で販売しているとされる。
セウォル号運航会社の清海鎮海運の社員の9割が信者といわれるように、グループ企業の職員のほとんどは信者であり、沈没したセウォル号の乗組員のほとんども信者であった。また、信者の船長も含め、乗組員の多くが低賃金の契約社員だったとされる。
昨年、セウォル号を運航する清海鎮海運が使用した船員研修費は54万1千ウォン(5万3千円)。1人当り4100ウォン(400円)。
規定により10日ごとに消火訓練、人命救助、避難、放水などの訓練をしなければならないが、ほとんど履行していなかった。反面、広告宣伝費(2億3千万ウォン)や接待費(6,060万ウォン)はふんだんに使っていた。

以上、これまでの報道などをまとめ作成した。
ウォンの外貨比較は財政や経済状況で変遷し原則未記載、29日午後11時30分現在価格は、1ウォン=0.1円、0.000970ドル、0.000702ユーロとなっている。
 

[ 2014年4月30日 ]
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